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そして僕らは星になる  作者: 小関 C 昇
4/5

そして僕らは週末を謳歌する

ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ


3分にセットしておいたタイマーが鳴る。

僕は台所へと戻り、音を止めた。

そして二人分のカップラーメンの蓋を開ける。

湯気とともに美味しそうな匂いがたちこめる。

それを妹がいる僕の部屋へと運んだ。


「できたぞー。奏は味噌だったよな?」

「ありがと」

そう小さく呟き、麺をすすり始める。

ふと見ると、空いている片方の手の人差し指で机をトン、トンと叩いていた。

奏の、何か考え事をしているときの癖だ。

時々、何か思いついたように食べる手を止め、手元にあるメモ帳に文字を綴っていく。

すごい集中力だ。それでも、食べる手も動かそうか。麺伸びちゃうから。


僕も奏の向かい側に座り、食べ始める。

ちなみに僕は醤油派だ。

やはりカップラーメンは手軽さからすると最強だ。

毎日これだと太るけど。


僕は、ヘッドホンをつけた。そしてパソコンに向かう。

奏と同じように作業をしながらラーメンを食べた。

同じ部屋の同じ机に向かい合って、とある兄妹が無言で麺をすすっている。

他の人が見たらなかなかシュールな光景だ。

それに僕らが気づいたのはだいぶ後のことなのだが。


さて、僕らが何をしているのかというと。

一言で言うと、作曲だ。

僕が作曲担当、奏が作詞担当。

と言っても、そんな大したものではない。

趣味程度のものだ。

よって、毎週週末になるとさっきのような光景が生み出される。


僕が作った曲に、奏が歌詞をつける。

それを僕が歌って録音する。

そしてとあるサイトに投稿するのだ。

今までに3曲作ってきた。

どの曲もそこそこ評価が高く、嬉しい限りだ。

今作っているのが4曲目。まだ割と作り始めの方だ。


これを始めたのがちょうど去年の今頃だ。

趣味とはいえ、いざ作曲となるの力が入る。

一番最初に作った曲には4ヶ月ぐらい費やした記憶がある。

それでも、出来上がった時の達成感の方がもっとよく覚えている。

それで、良い評価をもらってしまったもんだから二人とも調子に乗った。

そういうわけで、作曲を始めて約1年になる。


この週末の時間が僕は大好きだ。

1週間の疲れが一気に癒される気がする。

自分の好きなように音を作って、遊べる。

おまけにその曲に妹が歌詞をつけてくれるのだ。

これ以上の楽しい時間はない。

できる限り続けていきたいものだ。


そうだ。僕ら二人のユニットの名前を紹介しておこう。

「Diamond Garden」だ。

なんでこんなありきたりな名前になったかと言うと。

決め方が適当すぎたからだろう。


当時、妹と二人で夜にテレビを見ていて、僕が

「そういえば、曲投稿するときの僕らの名前、どうしようか」

とユニット名の話を持ち出したときのこと。

僕らは真剣に悩んだ。悩んで悩んで悩んで……

悩んだ結果、なんか面倒くさくなってきて、奏が

「二人がそれぞれ目に付いたものの名前をくっつければいいんじゃない?」

とものすごく適当な提案をしてきた。

そして何を血迷ったか、僕はその提案を受け入れたのだ。


妹は、その時テレビでやっていたCMが、宝石専門店のものだったらしく、選んだ名詞はダイヤモンド。

この時本当に、「庭」と答えておいて良かったと思った。

実は妹が言う前、僕はタンスと言おうとしていたのだ。

そうしたらユニット名が「ダイヤモンドタンス」もしくは「タンスダイヤモンド」になるところだった。

恥ずかしくて、世間に出せる名前ではなくなるところだった。

まだ「庭」の方が救いようがあった。助かった。


というわけで只今、「Diamond Garden」4曲目の製作真っ最中である。

僕は、作曲作業が行われる週末の昼食に、カップラーメンが増えて兄妹そろって体重がUPしてしまうことと、この4曲目の題名が又してもヘンテコなものになってしまいそうなことが、唯一の気がかりだ。

奏と楽しい時間を過ごせることと引き換えに、これら二つの心配事項が現実のものとならないよう、ただただ願うだけである。



バシャッ!


ん?今ヘッドホン越しに何かものすごくやな音が聞こえましたが?

「ともくん、ごめん。汁こぼしちゃった」


ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


お気に入りのカーペットがぁぁぁぁぁ!!!

油染みがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


心配事項が現実のものとならないよう、ただただ願うだけである……願う、だけ……じゃなくて。


神様、やっぱりこの願いを叶えてください。お願いします。


僕はカーペットに付いた盛大な油染みを見て、強く、強くそう思った。





どうも、おはこんにちばんわ。小関です。


今回の話は会話が少なく、説明的になってしましました。すみません(^^;;


なんとヘタレ兄、作曲ができるんですね。なんだよ、かっこいいじゃん。

少し見直しました笑。


次回はできるだけ会話、入れていきたいです笑。頑張ります!


さて、いつものように近況を少し。

ゴキ◯リがよく家に出没します。ある時は座ってる椅子の裏から。ある時はトイレのスリッパの中から。そしてある時は開けてあった筆箱の中から。

本当なんなんでしょうかね。ゴキ◯リに好かれている今日この頃です笑。


それではまた次回!

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