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そして僕らは星になる  作者: 小関 C 昇
3/5

そして僕らの日常が戻ってくる

「寝坊か?」

「寝坊ですね」


これが担任と新学期に一番最初に交わした言葉だ。

結局あれから間に合わず、新学期早々遅刻することになってしまった。

妹よ、本当にすまない。


「お前なぁ、妹と二人暮らしで生活が大変なのは分かるけど、初日寝坊はないだろ」

「はぁ」

「はぁ、じゃねぇ。兄貴のお前がしっかりしないでどうすんだ」

それを言われるとぐぅの音も出ない。

「まぁ、無理しすぎも良くないからな。何かあったら俺に言えよ」

「ありがとうございます」

口は少し悪いが、優しい一面もある。

「でも次遅刻したら廊下の雑巾がけ3往復な」

前言撤回。やっぱり鬼だ。


僕のクラス、1−Cの担任、奥野俊は20代独身の人気教師だ。

さっき言ったように少々口が悪い。他の教師に一回注意されてからだいぶ改善されたようだが。

それでも、生徒のことをよく見ていて、ここぞという時に的確なアドバイスをくれたりする。

そういうわけで、生徒からの信頼は相当厚い。

僕と妹のことも気にかけてくれていて、色々世話もしてくれる。

だから奥野にはとても感謝している。


僕と妹はわけあって二人で暮らしている。

アパート3階の2DKの一室にひっそりと。

でもまぁ学校にも近いし、二人暮らしにはちょうどいい環境だ。

お金には困っていないが、家事すべてを二人だけでやらないといけないから大変だ。

おかげさまで、無駄に料理ができるようになったりと、異常なほどに女子力がついてしまったのだが。

料理、家事、洗濯は任せろだ。


「9時から始業式だ。各自体育館に移動しろ〜」

奥野がクラスのみんなに呼びかける。

始業式。どうせ校長の長ったらしい話を聞くだけだ。

それが終われば、今日はもう帰れる。少しの辛抱だ。頑張れ知也。


頑張れ知也......頑張れ......。

がんば.......れるわけないだろ!!

始業式終わりましたよ。校長の約30分にもわたる熱弁に耐えましたよ!帰れると思いましたよ!

でもなんなんですか?テストって何ですか?

え?この後これからやる?

ちょっと待って聞いてませんよ!?


というわけで、はい。見事なまでに僕は学期はじめのテストで撃沈したのである。

というのも、1学期の終わりにこのテストがあることはあらかじめ知らされていたそうなのだが、当時の僕はそれを一切聞いていなかったようだ。

まるで自業自得という言葉を具現化したようなアホさ加減だ。いやになる。


「トモ〜テストどうだった〜?」

聞かないでくれ、淳。僕は苦笑して首を横に振った。

「珍しいな、いつもはテストばっちりなのに」

「テストがあるとか知らなかったし」

「いや、だいぶ前に奥野言ってたよ?始業式の日にテストやるから勉強しとけよ〜って」

「らしいっすね、全然聞いてなかった」

「大丈夫か?疲れてんじゃないのか?」

確かにそうなのかもしれない。まぁこのセリフは僕が言うと言い訳にしかならないのだが。

「そうだ、トモ。タツたちがこの後カラオケ行くって言ってたけどどうする?」

「すまん、今日は妹とスーパー寄る約束してるから」

「そっか、やっぱり大変だな。頑張れよ!また誘うわ」

「おう、ありがとう」


淳は中学からの友達だ。僕らは田舎の公立中学に通っていた。

僕と妹は高校になったら今のアパートに引っ越すことが決まってたから、自然と一番近い今の高校を受験することになった。

でも淳はまともに通うと1時間はかかる、比較的街にある僕らと同じ高校をわざわざ受験したのだ。

だからそれを初めて聞いた時には驚いた。

なんでも、うちの高校はサッカー部が強いらしく、小学校の頃からサッカーをやっていた淳は、どうしてもここに入りたかったそうだ。

よくあの距離を通ってるなと思う。感心する。


すでに妹は校門の前で待っていた。

「ごめん、待った?」

「大丈夫だよ〜日傘ちゃんとさしてたから」

とは言うものの、結構汗をかいているのがわかる。

やはり今日は暑い。9月に入ったが、しばらくこの暑さは続きそうだ。

「よし、行くか」

「は〜い」


そして僕らはスーパーで予定通り買い物を済ませた。

嬉しかったのは、野菜の値段が下がっていたことだ。

運良くタイムセールで卵も安く入手できた。

おばさんくさいかもしれないが、まぁあまり気にしないでくれ。

頻繁に買い物に来て毎日家事をしていれば、こんな思考になってくるものだ。


こうして僕らの2学期初日はあっという間に終わった。

明日からまた学校での生活。一気に現実に引き戻される。

夏休みが恋しいものだ。それを言い出したらきりがないわけだが。

まぁとにかく頑張ろう。一日一日を無事に過ごせれば万々歳だ。


ちなみに、スーパーに行く前、奏を喫茶店に連れて行って今朝のお詫びに抹茶ラテをおごってあげた。

奏は抹茶ラテが飲めるだけで嬉しかったらしく、いつになくハイテンションになった。

お菓子も注文するかと聞いたら、思った以上の量を頼んだのでびっくりした。

こんなに嬉しそうな奏を見たのは久しぶりで、僕としても嬉しかったのだが、さすがに頼みすぎて僕も一緒に食べるハメになってしまったのは、また別の話。

みなさんおはようございます、こんにちは、そしてこんばんは。小関です。


またヘタレ兄がやらかしましたね。ほんとうに今後が心配です笑。

それにしてもなんで二人暮らしなんでしょうね?

両親はどうしたのでしょうか?

そのことについてはまた追って書いていきますね。


さぁいつも通り私の近況を少々。

ついに私の家の近くの田んぼにも水が入りました。田植えシーズンでございます。

私の生息地が田舎でして、見渡せば一面田んぼ。

収穫前のあの金色の草原になる景色も好きなのですが、植えたばかりで、緑がちょこちょこって見える風景もお気に入りです。

やはりこういうのを見ると、田舎に住んでてよかったって思います笑。

みなさんのお気に入りの風景は何ですか?


それではまた次回お会いしましょう!

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