裏に隠された話
とある路地裏にて
「お兄ちゃんを狙わないで。お兄ちゃんには関係ない」
「ツレナイコトイウナヨ。共犯ノクセニ」
私は下唇を噛んだ。言い返せないことが腹立たしかった。
「ア、ワ、ワカッタヨ。オ前ノ兄ニハ、手ヲ出サナイヨ…ナ、泣クナヨ…」
私はポケットに目薬を入れて、もう一度相手の方を見た。
「分かってるだろうけど、貴方と手を組むのは利害の一致が生じてるから。一度目のあの子の暴走の原因を突き止めるため」
「分ッテルヨ。デモ、ナンデ未来ハ兄ヲ襲ッタンダ? コウナルコトハ分ッテタダロウニ」
「お兄ちゃんにも協力して貰わないと、一度目のあの子…私の事が分からないから」
「ソレナラ、普通ニ頼メバヨカッタンジャ?」
「恥ずかしいじゃん」
「ツンデレノブラコンナンテ、助カラナイナ。笑笑」
「誰がツンデレのブラコンよ」
ガンッ! 私は相手の頭を殴った。痛かった。多分一方的に。
「さ、後は千秋さんとお兄ちゃんがどれだけやってくれてるかなんだけどね…」
あの二人だから上手くはやってるだろうけど。
私は私でできることをしよう。本来これは私の問題だ。あの二人に頼ってはいけないんだ。
だから。あの子は私が…。