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ロリババアロボ ー 6歳からの楽しい傭兵生活 ー  作者: 紫炎
第三部 十歳児の気ままな国造り

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第293話 少女、死んでいる

『分かれたか。双蛇の陣とは……悪手のようにも見えるが』

『エルシャを頭数に入れていないんでしょう。はなから俺らを仕留めることを第一にしてる。思い切りましたね』


 ガルド・モーディアス率いるルーイン王国モーディアス騎士団とオルガン率いる傭兵国家ヘイローオルガン兵団。要塞アルガンナから出た両軍は並び立ち、今は鬼角牛の陣の右角を担って進軍している。

 左角の位置には竜撃隊が配置され、エルシャ王国軍は両角の中心よりわずかに下がった中央に位置におり、全体ではVの字の形に展開されていた。この鬼角牛の陣はガンダル鳥の陣に比べ左右に広がらず、正面に対して向けられる攻めの布陣だ。

 対して双蛇の陣は左右に分かれた軍が独立して動く形を取っている。獣機兵ビースト軍団の双蛇は鬼角牛の双角へ向かって動いているのが見て取れた。


『評価されていると好意的に見るべきか。確かにエルシャの兵は疲弊し過ぎているし、分からなくもないがな」


 本来であればヘイロー軍の介入がなければ、ローウェン帝国獣機兵ビースト軍団の勝利という形で戦争は終結しているはずだった。今のエルシャ王国軍は国を守る軍隊というにはあまりにも脆弱なのだ。


「しかしだ。オルガン殿は我らと共にで良かったのか?』


 増援として来たオルガン兵団は竜撃隊と共にではなく、モーディアス騎士団と共にいる。けれども、オルガンは『問題ありません』と返す。


『俺たちは与えられた任務を遂行するだけだ。それに竜撃隊よりも我々の方があなた方とは連携が取れやすいでしょうガルド将軍』


 オルガンの言葉にガルドが『確かにな戦友』と言って笑った。

 新生パロマ王国からルーイン王国軍が領土を奪還する際に傭兵国家ヘイローは彼らに軍隊を派遣していた。その中には獣機兵ビーストたちの軍もいて、大きさ以外は鉄機兵マキーニとの差があまりないオーガタイプ獣機兵ビーストが主にルーイン王国軍と連携をとって前線に立っていた。


『では、我らもベラ・ヘイローの弔い合戦と行くか』

『はは、あの方が死ぬとは。まったく、世の中何が起こるか分からないものですよ』


 そう言ってオルガンが笑う。自分の言っていることが実に馬鹿らしいと思ってでもいるかのように。とはいえ、意味があるか否かはともあれ受けた命令は実行せねばならぬ。


『将軍、正面の獣機兵ビーストの間に巨獣機兵ビグスビーストらしき姿が見えます』


 そして日の光が東より差し始め、両軍がまもなく激突しようという距離にまで近付いた時、モーディアス騎士団の斥候から報告が入った。

 見れば並び立つ獣機兵ビーストの間に巨大な蜥蜴のような機体の姿が見えた。


『あれは……確かに巨獣機兵ビグスビーストだ。それも報告にあったビッグサラマンダータイプか』


 目を細めて観察するオルガンの口から漏れた指摘にガルドが舌打ちする。

 ビッグサラマンダーはリンローが所持する巨獣兵装ビグスウェポン『フレイムボール』と同種の攻撃を放つ巨獣機兵ビグスビーストだ。それは遠距離から広範囲に影響を及ぼす炎の球を撃ってくるものだった。

 そして、密集した鉄機兵マキーニと歩兵の列などいい的になるのはリンローが証明済みだ。


『この距離では止められんな。大盾持ちを前に出せ。歩兵は盾の裏に隠れろ』


 無論、敵に巨獣機兵ビグスビーストがいる以上はガルドも対策を用意してはいた。大盾で止められれば被害は完全にではないが最小に抑えることはできる。けれども、そこにオルガンが『待て』と声をかけた。


『アレは俺が止める。騎士団は一気に突撃し、巨獣機兵ビグスビーストを仕留めてくれ』


 オルガンがそう言って愛機の『ゼッツァー』を前に出していく。

 獣機兵ビースト『ゼッツァー』。それはオーガタイプとしては標準の5メートルの機体ではあるが追加装甲を増やし、ここまでの戦いで得た魂力プラーナを用いて神造筋肉マッスルクレイを増量したことで出力の強化も行なっていた。

 さらには以前装備していたのはスパイククラブという武器であったが、現在の『ゼッツァー』の武器は並みの鉄機兵マキーニと同じくらいの大きさの、棘付き金属棒を四つ重ねたような巨大な鈍器だ。

 それこそはマギノが用意したリンローの『レオルフ』に続く二つ目の巨獣兵装ビグスウェポンであり、今のオルガンのメインウェポンであった。


『ガルド将軍、いかがしますか? 巨獣機兵ビグスビーストから魔力反応。来ますよ!』

『ふむ。大丈夫なんだなオルガン殿?』

『問題はありませんな。あっちの巨獣機兵ビグスビーストがリンローと同じフレイムボールなのは運が良かった。アレならば俺で止め切れる』


 そう言い切ったオルガンが『ゼッツァー』をその場で停め、脚部の先からアンカーを地面に打ち込んで機体をその場に固定していく。


『さあ唸れ、嵐の金棒『テンペストピラー』よ』


 そして巨大金棒が持ち上げられ、そこに設置されている四つの柱が回転していくと竜巻となって天へと伸びていった。それはまるで巨大な嵐の金棒だ。


『魔力メーターの針が急速に落ちて……ああ、来ました。『レオルフ』のものと同じ、巨大な炎の球体です!』


 通信機より告げられた報告を聞くまでもなく、敵陣より巨大な火の玉が飛び出したのが見えた。その大きさと明るさから見れば、ソレが『レオルフ』のフレイムボールの全力の一撃と同等であることは経験者であればすぐに理解できる。直撃すれば即死、そうでなくとも周辺への被害は甚大。けれども、それも『当たれば』のこと。


『かき消せゼッツァアアアア!』


 直後にオルガンの操作する獣機兵ビースト『ゼッツァー』の振り下ろした風の柱が火の玉と激突し、空中で巨大な爆発が起こった。

 その様子に獣機兵ビーストたちが驚愕の声をあげ、対してモーディアス騎士団とオルガン兵団は


『障害は払われた。突き進め勇者たちよ。あの竜もどきを潰し、ローウェンの犬どもを屠り、天空の草原に昇ったベラ・ヘイローへの手向けとせよ』


 ガルドの掛け声と共に一斉に駆け出していく。そして、エルシャ混成軍と獣機兵ビースト軍団の最後の戦いが始まりを告げたのであった。


次回予告:『第294話 少女、まだ死んでいる』


 オルガンお兄さんの太くて硬いものが大暴れをしています。

 それにしても打ち上げられた大きな花火、あれはベラちゃんにも見せてあげたかったですね。

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