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絶対的  作者: 川瀬時彦
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絶対に捨ててはいけないゴミ箱

 アパートへの帰り道。俺は例の消しゴムとそれを使用したページを破りとり、川へ投げ捨てた。

 ありえない。あれは幻覚に決まっている。

 あんなものこの世にあるわけがないじゃないか。気にすることはない。少し疲れているだけだ。家に帰って十分に体を休めよう。そうすれば良くなるはずだ。

 帰宅するなり俺は、ベットに体を深く沈め眠りにつくことにした。


 まただ……。

 高く上がった日がカーテンから除かせる中、遅い朝ごはんを買いにコンビニに向かおうとした俺を、またもやアレが引き止めた。

 前回より大きめのダンボール。中を開けると白い無地の物体が。


  絶対に捨てないで下さい


 その円筒形のいたって普通のゴミ箱。またもやというかやっぱりというのか今回も「絶対に」と注意書きが。

 絶対に捨ててははいけない……? 絶対に……。

「ならば今回はどうなるんだ?」

 絶対に起こってはいけないことが起こるのか?

 気になる。

 俺はテーブルの上に無造作に捨てられている昨晩食べたミカンの皮を手に取った。

 もうどんな感情も俺の好奇心を止められなかった。

 ゴミ箱に皮をひょいと投げ入れた。

 俺は待ちわびた。どのような事が起こるのか? どんな不気味な現象が?

 しかし、ゴミ箱は全く反応を示さない。

「………」

 やはりだ。昨日のアレは幻覚だったらしい。まあ、ゴミ箱ならあっても困らない。

 テーブルにまだ皮が残っている。捨てておくか。

 俺はティッシュに残りを包み、ゴミ箱に投げ入れた。

 しかし、だ。立った状態からの視界に写ってきた物。

 ゴミ箱のそこにミカンが二つ。

「………」

 そこに捨てたはずのミカンの皮はない。昨日食べたはずのあのミカンがそこにあった。

 絶対にあってはいけないこと。

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