輝く花のように
太陽のような人だ。
なんて、使い古された、在り来たりな言葉でしか表現できなくなるほど、正にそんな人だった、洋太は。
ああ、今日も空が真っ青だ。
私は日課である水やりをするために、カラカラと音をたてる大きな窓を開き、ベランダに出た。
陽の光を帯びてキラキラと反射する水を受け、花たちが笑い合うように輝くのを眺め、ふっと笑みをこぼす。
恋する可愛い女の子、宝石の似合う美しい女性、素朴な温か身のある母、やわらかな表情や凛とした立ち姿は生き生きと輝く。
なんて素直に、そして鮮明に輝くんだろう。
洋太の前の私は、こんな風に輝けてるのかな。
もし、この光彩を放っているのであれば嬉しいな。
うん、でも、輝けていないならもっと私が努力すればいいのよ。
今日は久し振りに洋太とデート。
私は、洋太と会える日、そのつど初デートみたいに胸がドキドキと高鳴って、ただの恋する女の子に戻ってしまう。
初恋は中学生の頃だったから、10年も過ぎてるっていうのに。
洋太は特別。
私にとって洋太は特別。
漠然とただ特別だと感じる。
まるで前世で恋中だったとか、そんなバカみたいに乙女ちっくなこと考えてしまうほど濃く。
漂っていた思考の波から顔をあげ、太陽を見上げ深呼吸した。
うん、いい気持ち。
もうすぐ会えるわ。
さあ、待ち合わせまであと2時間。
シャワーを浴びて、メイクして、昨日選んだ服を着て、私は貴方に会って輝くの。
太陽と水を受けて、キラキラと輝く花のように。
私は再度、花を見つめ微笑んだ。
■終わり■
初小説、超短編読んでいただきありがとうございます!
恋人を好きで好きでたまらなくて、そして花が大スキな女性を書きたかったんですが…
ん〜…批評などいただければ有難くお受けして、見直してみたいと思います。
よろしくお願いします(^^)