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天来  作者:
超越者達
67/78

仮面の者

「ヴ、ヴェルタナ様…」

さっきまでヴェルタナの形をしていたものはさっき塵となって消え去った。

「貴様ぁ!!」

ケインは血の糸で仮面の者を切り刻もうとする。

しかし部屋が切り替わり仮面の者は姿を消し、ケインは違う部屋を切り刻んだだけだった。

「っ!」

ケインは膝から崩れ落ちた。

床に手をついて悲しみを堪えている。

「ヴェルタナ様…!」

次第に床につけた手に力が入ってくる。

軋むような音をたて、床の木材を潰していく。

悲しみが怒りに、そして憎しみに変わった瞬間だ。

「あいつ…仮面の…!許さない、絶対に殺してやる!」


「ケイン、クロ、シロ!」

アレスは仲間の名前を呼びながら廊下を歩いている。

しかし、誰の返事もない。

「ダメか…」

(この館の構造が見えない。俺だけでも外に出るべきだったか?いや、流石にそれは…)

その時、奥から足音が聞こえる。

「…!」

アレスは足音の方を見る。

仲間かと期待していたが、仮面をつけた者がそこにはいた。

「誰だ…?」

アレスは敵の手元を見るとナイフを持っていた。

「っ!」

アレスはすぐに構える。

「あんた、やる気か?」

「…」

「ダンマリかよ」

すると、仮面の者がアレスに切り掛かる。

「ちっ!ダークフレア!」

黒い炎が仮面の者を焼く。


巨大な音が館に響く。

「…!」

何かを察したようにケインはそこへと走っていく。


(こいつ、何者だ…?)

アレスは眼を使って、敵の情報を探る。

「…何!?」

仮面の者はその隙を突くように切り掛かる。

「っ!」

「ルビーバレット」

血の弾丸がアレスの肩を掠る。

「っ、あぶねぇ!」

アレスは仮面の者を遠ざけるために剣を振り下ろす。

しかし、それは弾かれてしまう。

「クエーサー!」

光線が仮面の者に迫る。

そして、後ろに飛びそれを避けた。

「っ!」

(こいつ、強いな…。それに、種族も分からん。まさか物…そんな馬鹿な)

「お前、技の名前言ってたよな。喋れるんじゃねえの?」

「…」

「またダンマリか」

(嘘言って喋らせようと思ったが、ダメか。技の名前は魂が唱えてる、口が無かろうと技は唱えられる…。待てよ、こいつにも魂が…?)

「レッドライン!」

「っ!」

仮面の者が技を唱えたと思って、アレスは身構えたが、実際は違った。

仮面の者は振り返っている。

「…?」

「見つけたぞ…!」

ケインの声が聞こえる。

「ケイン!?」

「アレス様は手を出さないでください。こいつは私が殺す!」

「なっ!?」

ケインは血の糸を周りに展開して仮面の者を切り刻もうとする。

いくらか仮面の者の衣類を切り裂く。

しかし、血が出ない。

「骨の髄まで切り刻んでやる!」

ケインの猛攻は止まらない。

十の指から出る十本の糸を絶えず動かし、攻撃を繰り返す。

その攻撃によって周りの壁、天井、床が崩壊する。

「ケイン…」

(なんで、こいつこんな怒ってるんだ?)

仮面の者は糸を一本摘んで、ケインを投げ飛ばした。

「っ!」

「ケイン!…っ、ダークフレア!」

魔法を使ってアレスの方に注意を逸らした。

「まだだ…!」

ケインは立ち上がって、仮面の者の方へと走る。

「ケイン、待てっ!」

しかし、仮面の者は扉を開き部屋へと入っていった。

「なっ!?」

アレスが部屋の方を確認すると、仮面の者はすでに消えていた。

「逃すか!」

ケインは部屋へと入ろうとする。

「っ!待て!」

アレスはケインの腕を掴む。

「離してっ!」

ケインはアレスの腕を振り解こうとする。

「落ち着け!」

「落ち着いてなんていられない!」

「お前一人で行ってどうするんだ!?」

「奴を殺してやる!」

「無理だ、お前じゃ勝てない!」

「…!」

ケインは言葉に詰まる。

「分かるだろ?あいつの強さ。お前も俺も軽くあしらわれてた」

「でも、ここで止まるわけには…!」

「何があったんだ?どうしてそんなに…」

「…ヴェルタナ様が…奴に殺されました」

掠れるような声で言った。

「…!?」

アレスは酷く驚いた。

(あいつが…負けた…?)

ケインはアレスに縋るようにもたれかかる。

「…分かってるんですよ、私じゃ勝てないってことぐらい!でも、奴は絶対に…絶対に許せない!」

ケインはアレスの服を強く握りしめる。

「…お前じゃ勝てない」

「…っ!」

「だから、二人で戦うんだ」

「…!」

「二人で、絶対に勝つんだ…!」

「…はい!」


「姉さん、なんか変な感じがする」

クロがそんな事を言い出した。

「どうしたの、急に?」

「いや、ずっと思ってたんだけどさぁ。やっぱ変な雰囲気」

「まぁ、気持ちは分からなくもないわね。クロの領域に似てる」

「あぁ、それだ!僕の能力の感じに似てるんだ。じゃあ、この場所って…」


アレスとケインは廊下を駆け回って仮面の者を探している。

「仮面の者は見つかりませんね…」

「でも、いつか俺たちに接触してくるはずだ。多分ここは敵の能力で作られてるはずだ。それにあいつはこの館の仕組みを理解して使いこなしている。あいつもこの館の一部って訳だ。目的は当然、侵入者の排除だろう。きっと俺たちに接触してくる」

「…」

ケインは強く頷いた。

「それよりもクロとシロに接触される前に見つけないと…」

「ルビーバレット」

技が唱えられる。

「…!」

アレスは自身に飛んできたものを切り落とした。

「来たか…」

廊下の奥から仮面のものが姿を現した。

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