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天来  作者:
超越者達
65/78

新たな戦いの始まり

「…はぁ」

ため息をついてレキスは本を閉じた。

密閉された空間、扉などもなかったが、レキスは壁をすり抜けて外に出た。

「あら、レキスさん。また禁書でも読んでいらしたの?」

ウキュウがそう聞いた。

「あぁ、そうだ」

「私にも読ませてくれてもいいのに」

「ダメだ」

「頑なねぇ」

「何のための禁書だと思っている」

そうして話している時、誰かが下から上がってきた。

「やぁ、エルノア。久しいね」

「生憎、本を読みにきたわけじゃないよ」

「じゃあ、何だ。話でもしにきたのか?」

「お客だ」

そうしてエルノアはピィーリを連れてきた。

「君は…誰かな?」

レキスはピィーリにそう問いかける。

「私はピィーリです」

「そうかピィーリ、見たい本でもあるのかい?」

「えぇ、ありますよ」

「どんな本?」

「古い本です」

「古い本?1000年前のとか?」

「いいえ、もっと」

「具体的に言ってくれ」

「…具体的な年数が分からなくて、これを見てもらえますか?」

ピィーリは何かを取り出してみせた。

それは、オーパーツだった。

「…」

「これが、存在していた時。その記録はありませんか?」

「…実はこの世界には地底人がいるんだよ。もう、滅んでしまったかもしれないけどね」

「…そうですか、ありがとうございます!」

そう言ってピィーリは急いで木を下っていった。

「…レキス、相変わらず嘘が下手だね。ピィーリじゃなかったら騙せなかったよ」

エルノアは呆れた様子だ。

「ほっとけ」

「やっぱり、そんなに隠したいんだ」

「当たり前だ」

「…そう言えば、最近竜人が間の超越者と戦って勝ったって聞いたなぁ」

「あぁ、観測していた。これで間の超越者もこちら側についてくれるといいが…そう上手くはいかないか」

「どうだか」

「エルノアはこれからどうするんだ?」

「何も…と言いたいとこだけど、ヴェインの動きを見たい」

「君が積極的に動くのも珍しいね」

「彼にこのまま好きにさせるのはあまり良くないと思うからね」

「気をつけなよ。彼の力は計り知れない、君もタダじゃ済まないかも」

「大丈夫さ、僕はヘマはしない」

そうして、エルノアはその場から立ち去っていった。

「…闇の超越者の影響で、みんな忙しいそうだね」

吐き捨てるようにレキスはつぶやいた。

「そうですわね」

ウキュウがそれに応えた。

「そういえば、ヴェルタナ達はどうなった?」

「もうオルスタの館に着いたようですよ」

「そっか、彼も一筋縄じゃいかないからね彼女らはどうするか…」


ヴェルタナの一向はオルスタの館の前まで来ていた。

柔らかい陽光に照らされた大きな館が彼女らを見下ろしている。

「昼だから雰囲気ないな…」

アレスはそう呟いた。

「中に入ったらそんな事は言えなくなる」

ヴェルタナの言葉には忠告の意が入っているように見えた。

「別に舐めているわけじゃない。相手は超越者なんだ。警戒はしてるさ」

「ならいい、中では別行動をする」

「別行動ですか?」

ケインはそう言った。

「あぁ、二手に別れる。私とアレス、ケインとクロとシロ。この2グループでな」

「俺とヴェルタナ!?」

アレスは驚いている。

「なんだ、嫌か?」

「そういうんじゃないけど」

「じゃあ、行くぞ」

そうして、ヴェルタナ達は館へと足を踏み入れるのだった。

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