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天来  作者:
超越者達
58/59

氷天遊戯

「竜技・竜閃!」

「乱糸殺!」

糸の硬度はさらに上がっている。

シリウスの技ですら、糸に弾かれてしまう。

「竜技・堕天!」

高熱の火球が糸を焼き切った。

「っ、籠目」

シリウスを糸で覆うように被せる。

「竜技・堕天!」

先程と同じように爆ぜた。

しかし、この糸は硬度が低く、粘性のある糸だった。

「うわっ!」

溶けた糸がシリウスに纏わり付く。

「糸で捕らえてくれる!」

「竜技・竜魂烈波!」

纏わり付いた糸が弾け飛んだ。

「流石竜人と言ったところか、凄まじい力よ」


「竜人は千手の方へ行ったか」

かぐやは呟くような口調でそう言った。

「そうだ」

「まぁ、よい。お前を倒して竜人も倒す」

「貴様に出来るものか」

「やってみせよう、氷槍!」

先に仕掛けたのはかぐやだった。

鋭く、青い槍を冥に放った。

「塵旋風!」

突き刺すような風が氷を抉り取った。

「っ!」

風の余韻はかぐやまで届いた。

かぐやは吹き飛ばされそうになる。

「天つ風!」

上空から風が吹き下ろす。

「氷壁!」

氷の壁がそれを防ぐ。

「業風!」

それをまた、強風が殴りつけ破壊する。

「氷竜!」

巨大な竜が出現する。

それはかぐやを冥から隠すように位置した。

「大旋風!」

巨大な竜巻が竜を襲う。

頭から竜を喰らっていくが、竜も冥を喰らおうとする。

風は竜を削り切るには至らない。

(あの時感じた気配、彩の力が強まった。彩は恐らく鬼の力を使った。これは諸刃の剣…使うのは慎重になったほうがいいが…)

「…ここで使わずして、いつ使うか!

風神顕現!」

次の瞬間、氷の竜の頭が砕けた。

「なっ!?」

かぐやは驚き、冥を見る。

かぐやが見た冥の姿は、先程とは変わっていた。

羽は大きく広がり、新たに一対の腕が生えていた。

「業風!」

冥の吹かした風は、竜の体を根本まで砕いていった。

「くっ!」

その風はかぐやまでも吹き飛ばした。

かぐやは咄嗟に氷の壁で自身を止めた。

「っ!」

かぐやは体を強く打ち付け、一瞬意識が揺らぐ。

その刹那、冥は目の前まで近づいていた。

「氷壁…」

「天つ風!」

まだ形が出来上がっていない壁を貫き、かぐやを叩き落とした。

「がはっ!」

氷の床への激突による凄まじい衝撃がかぐやの全身に響く。

「氷槍!」

いくつもの鋭い氷を冥に放った。

「科戸の風!」

光の筋が風に乗って靡くように動き、氷を包み込むように優しく砕いてゆく。

やがてかぐやに辿り着く。

「っ!」

攻撃の影響で氷の床が崩れ、かぐやごと下に落とした。

「…」

冥は注意深くその様子を見ている。

そして次の瞬間、氷が山のように迫り上がってきた。

「!」

「氷天!」

それは天まで上り空を覆い隠すように広がった。

「氷雨!」

空から無数の氷の槍が降り注いだ。

「天つ風!」

冥は上空に風を発生させ、自らの外へ氷を追いやった。

「八岐大蛇!」

八首の竜が城の内部より出てきた。

かぐやは冥を睨みつけ、狙いを定めている。

すぐにそれは冥の元へと伸びる。

「くっ!」

冥は咄嗟にそれから逃れる為、より高く上った。

竜もその後を追う。

「…空縮」

周りの空気が冥の掌の中に集められる。

「…!」

かぐやは異変に気がつく。

かぐやの髪が冥の方へと大きくなびく。

「吹花擘柳!」

解放された風は最初は緩やかに広がり、その後指数関数的にその勢いを強め周りの氷を吹き飛ばした。

竜の全身は全て打ち砕かれた。

その体は音を立てて崩れていく。

「月の慟哭…」

先程上空に広がった氷の表面が鋭く変形し、冥を狙って突き刺す。

背後からの攻撃に冥は背中を貫かれてしまった。

「かっ!?」

その後、刺さった氷を砕き背後を見ると、後に続くように幾つもの氷の針が突き刺そうとしてきていた。

「っ!」

冥はたまらず降下し、城の内部へと入っていった。

「ちっ、逃したか…」

かぐやはその様子を見ながら思考を巡らせた。

「先に下をなんとかしよう、千手が竜人に勝てるとは思えない」

かぐやは空に広げた氷を荒く砕き、下に落とした。


シリウスの上から大きな岩のような物が降ってきた。

「くそっ、かぐやか!」

シリウスは千手が城の中に逃げ込んでいたのを見た。

「っ、待てっ!」

シリウスもそれに続く。

「近づけるものか…乱糸殺!」

「竜技・紅蓮!」

炎が糸を溶かし切った。

「なっ!?」

千手は城の上の方へと糸を使い急速に登っていった。

シリウスもそれを追って登っていく。

千手は糸足先に頂上へと辿り着いた。

「かぐや様!」

「千手、無事だったか」

かぐやは千手を見てそう言った。

「千手、また私が竜人を相手する。あの天狗の男は任せた」

「御意!」


シリウスは上へ駆け上がる途中で、手負の冥と出会った。

「冥!」

「…シリウス殿か、奴はやはりあなたに任せた方が良さそうだ」

「あぁ、俺もあの蜘蛛の女性はあんたに任せた方がいいと思った。俺じゃあの速さに追いつけない」

「せめて、奴の弱点を伝えたい」

「俺も、彼女の弱点を見つけた」


「竜人よ、いるのだろ!?出てこい!」

シリウスは頂上へと飛び上がってきた。

「あぁ、やってやる!」

「そうこなくては…!」


「ここでは邪魔になる。私達は離れよう」

千手と向かい合って、冥が言った。

「いいだろう」

「ここで、決着をつけてやる…!」

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