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天来  作者:
超越者達
57/59

空中戦

氷の床の上にいくつもの糸の破片が散らばっている。

「貴様の糸は私には効きはしない」

冥はそう言った。

「…」

千手は依然と冷静である。

「早く降参するんだ」

「お前は私を舐めておるのだな?」

千手は嘲るように言った。

「何を…?」

「籠目!」

千手は糸を吐いた。

「無駄な事を、塵旋風!」

猛風は糸を切り裂く。

「お前は勝手に私は動けないと思っていたのだろう?」

耳元から声が聞こえた。

「!?」

千手は冥が技を出した隙に横に回り込んでいた。

そして、冥の腰に糸を巻きつけ外に投げた。

「っ!」

壁を突き破って空へと放り投げられる。

冥は羽を広げてその場に留まった。

城の中を見るも、千手の姿はない。

「どこを見ておるのだ、乱糸殺!」

網目が細かく、広範囲に広がる糸が迫っていた。

「塵旋風!」

先程のように凄まじい勢いの風を吹かす。

しかし、糸は中々切れなかった。

「!?」

「ははは、死ね!」

「っ、大旋風!」

巨大な竜巻が糸を巻き込んで切り裂いた。

冥にいくらか届き、傷がつく。

「なんだ、つまらん」

冥は声の聞こえる方を見た。

千手は糸を城につけてそこにぶら下がっている。

「硬度を上げたのか…!」

「そういう事だ」

「天つ風!」

上から風が吹き下ろす。

千手はそれに落とされたが、糸を城に巻き付け体を振り上げ、勢いを殺す。

「白金の刃!」

月に照らされ鋭く光る糸が冥に襲いかかる。

「業風!」

局地的な突風を前方に放ち、糸を切った。

しかし、その破片が冥の頰を裂く。

「どうしても、傷ができるか…」

突風は糸を突き抜け、城を貫く。


シリウス達の足元が急にぐらつく。

「なんだ…!?」

城が傾き始めた。

かぐやはいくつもの氷の柱を地面から生やし、城に伸びる、そうして四方に広がり城を支えた。

城の崩壊は免れた。

「氷槍!」

鋭い氷をシリウスにぶつける。

「竜技・竜閃!」

真空波が氷を砕く。

「氷竜!」

かぐやの背後に巨大な竜がシリウスを睨む。

「…!」

竜はシリウスに襲いかかる。

「竜技・紅蓮!」

炎を纏い、氷を溶かしながら竜を削っていく。

しかし、シリウスを容易く飲み込めるような巨大な図体には効き目がなかった。

竜はそのまま噛み付く。

「くそっ!」

シリウスはなんとかそれを避ける。

「氷槍!」

かぐやはそこを狙って氷の槍を飛ばす。

「くっ!」

それはシリウスの左腕を掠り、表面を抉る。

「竜技・竜魂烈波!」

シリウスの周りを吹き飛ばした。

氷の竜の頭は半分、破壊された。

「ちっ!」

かぐやは竜の体を折り、下に落とした。

「壊れたのなら新しいものを作ればいいだけだ」

かぐやはまた氷の竜を創り出した。


冥達の上から巨大な氷の塊が落ちてきた。

「なんだ…これは!?」

「かぐや様の氷だ!…っ!」

千手は城の中に入っていった。

「鬼風!」

気流が荒々しく乱れ、空気が氷の塊を押しつぶすように集まる。

そしてひび割れて、高く瞬間的な悲鳴を上げながら氷が崩壊した。

触れたら消えてしまいそうな程、細かい粒が冥の周りでゆっくりと落ちていく。

冥は上を見た。

上では先程のような巨大な氷が蠢いていた。

「シリウス殿…」

千手は城の中からそれを見ていた。

「あやつ、あれを壊すとは…籠目・白銀!」

冥が上を見ていると突然、糸が自身の周りを取り囲むように伸びてきた。

そして、それは冥を囲む檻となった。

「死ねっ!」

千手が糸を引っ張ると、籠が急速に閉じていく。

「刃風!」

鋭く高い音を立てる風が糸を切り、僅かな隙間を開けた。

「業風!」

その隙間を広げて、掻い潜った。

次の瞬間、上から轟音が響き、また氷の塊がいくつも落ちてきた。

「またか…鬼風!」

冥はまた同じようにそれを壊す。

しかしその刹那、冥は巨大な氷塊の接近を横目で捉えた。

「なっ!?」

千手が糸で氷を括り付け、ぶつけようとしていた。

「かぐや様、そのお力をお貸しくださいませ!」

冥は氷に弾き飛ばされた。

そうして、その先に蜘蛛の巣のように待ち構えていた網が張ってあった。

「…!」

鮮血が飛び散る。


「はぁ…はぁ…」

かぐやを守る、堅牢な氷の鎧にシリウスは中々攻められなかった。

「どうした、その程度か?」

「舐めるな…!」

シリウスはかぐやの方に素早く飛んでいった。

「竜技・螺旋双竜!」

「氷竜!」

シリウスの技は悉く、かぐやに止められる。

「竜技・竜閃乱舞!」

真空波をいくつも飛ばす。

かぐやを囲っている氷にいくらかヒビが入った。

「…」

それを直そうと氷を周りに固め直す。

「今だ…!竜技・天落!」

拳を氷にぶつける。

「噴火!」

氷の鎧が砕かれた。

しかし、シリウスを待っていたのは大量の氷の槍だった。

「っ!」

それはシリウスに向かって放たれた。

「氷槍!」

シリウスは避けようとするも、いくつか体に刺さる。

「ぐっ!」

夜の闇の中でも月光に照らされ、よく見える赤い飛沫。

それが宙に舞った。

「竜技・竜閃…!」

シリウスはまだ諦めずに技を放つ。

が、かぐやの額にかすり傷をつける程度だった。

「あの槍達をよく致命傷を負わずに躱せたものだ。だが、お前では私に勝てない」

「っ!」

(俺の力は広範囲を壊すのに向いてない。かぐやの守りを突破するには氷をもっと効率的に壊さないといけない。このままじゃダメだ…)


「ほう…?」

冥の腕からは血が滴り落ちているが、その他に傷は負っていない。

「風を使って減速…損傷を少なくしたか…」

「く…!」

(私の力は局所的な破壊力に欠ける。私の風ではこの糸への有効な手立てが見つからない。どうしても競り負けてしまう…)


「ならば…!」

2人の考えた事は同じだった。


そして、シリウスは氷の舞台から降りた。

「何!?」


冥は上空へ駆け上がっていった。

「あやつ、逃げたか?いや…」


上から落ちていくシリウスと上へと昇っていく冥はその最中にすれ違った。

自分と相性が悪い敵、それを仲間に託す。

それを2人は同じタイミングで考えていた。

それが可笑しくて2人は静かに笑った。


やがてシリウスは千手の所まで来た。

「…竜人!」

千手はシリウスを睨みつけた。

「選手交代ってやつさ」


「奴は一体どこへ…」

かぐやは竜人が消えた事で戸惑っている。

その時、下から何かが飛び上がってきた。

「お前は…」

「私の相手はこの鬼幻 冥がする!」

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