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天来  作者:
超越者達
55/60

下層の戦い

彩は素早く刀を振る。

かまいたちが鏡に迫り来る。

鏡は刀でそれを防ぐ。

それを何度も繰り返している。

「俺に能力を使わせたいんだろ?」

鏡がそう言った。

「!」

「ほぉら、図星さぁ。甘いんだよ…!」

鏡が彩との距離を急激に詰める。

「くっ!」

彩の動きはぎこちない。

鏡が彩に対して何度も刀を叩きつける。

彩は防戦一方だった。

「かまいたちって能力は強い。でも、より強大な敵にはそれだけじゃ通用するしないさぁ。遠くから攻撃しているのが気が楽ってのは分かるけどなぁ」

鏡は彩を蹴り飛ばした。

「かはっ…!」

鏡の猛攻は止まらない。

「あんたは戦いの経験が少なすぎる。能力を警戒するあまりに何も行動しない。そんなんじゃあ、能力を使ってあげないぞぉ?もっと、俺に能力を使わせてみろ、縮こまったんじゃねぇ!」

「!」

彩の腕の力が強くなる。

彩は刀を押し込んで鏡を退けた。

「そうだ!それでいいのさぁ!」

「百花繚乱!」

無数のかまいたちが鏡を襲う。

鏡は避けたり、受けたりして攻撃を凌ぐ。

そこに集中している隙に、彩が鏡の間合いの内側に潜り込んだ。

「いい動きさぁ」

彩は刀を振るう。

(斬った!)

だが、確実に当たったと思われた攻撃はギリギリで届かなかった。

鏡が想定よりも速く遠くに後ろに避けていた。

「…能力を使ったな!」

彩は得意げに笑っている。

「あぁ、よくやったさぁ。ここからが俺たちの本当の戦いさぁ!」

彩はかまいたちを繰り出そうと構える。

「させないさぁ!」

それを阻むように鏡は彩に近づく。

「ちっ!」

彩は近づく鏡の対処に切り替える。

刀を振り抜いて鏡を切り裂こうとする。

しかし次の瞬間、鏡は彩を飛び越えていた。

「なっ!?」

鏡は彩の背中を斬った。

「くっ!」

彩は素早く鏡の方を向き、切り掛かる。

「落ちろ」

彩は床に立っているのにどこかへ落ちるような感覚を覚えた。

彩は壁の方へと落ちていった。

「っ!」

彩は壁に叩きつけられる。

(奴のふわっとした動き、そしてこの床に落ちる感覚。もしやと思ったが、確信に変わった!)

「鏡、お前の能力は重力操作か!」

彩は鏡を見上げる。

「へへへ、正解」

彩は壁を蹴って、鏡の元に飛び上がる。

「解除」

鏡が能力を解除し、彩は床に落ちる。

「ぐっ!」

そこに鏡が切り掛かる。

「っ!」

彩はすぐに起き上がり、避けた。

(一瞬の判断の余地しか残されないのに、それを一度でも誤れば致命傷になりかねない…)

「はぁ…はぁ…」

彩は息が上がっている。

「疲れてきたかぁ?」

鏡は揶揄うように言った。

「まだまだ…!」

「そうかい」

鏡は彩の周りの重力を強めた。

「かっ!」

彩は床から動けなくなってしまった。

鏡は動けない彩に近づく。

「ううっ!」

彩はなんとか力を振り絞ってそこから抜け出した。

「これを抜け出すのか!?」

彩は鏡に刀を振り下ろす。

鏡はそれを刀で受ける。

「っ!?重いっ!」

彩の力が鏡の刀を押し込む。

「うあぁっ!」

彩は鏡を吹き飛ばした。

「っ!」

鏡は壁に叩きつけられる。

彩はそこに複数のかまいたちで追撃する。

それらは壁を斬った。

「くそ…まさかここまでとは思わなかったさぁ。お前のその力は一体?」

鏡はかまいたちに斬られ、出血している。

「千年晩華!」

彩はこの狭い密室で、高密度のかまいたちを放つ。

「落ちろ…!」

鏡は重力で上の階の床落とした。

凄まじい重力を集中させたため、複数階の床を大きく陥没させた。

かぐやはいくつも階層を間に挟むようにして城を伸ばしていた。

つまり上の階には誰もいない。

鏡は上に逃げた。

彩のかまいたちが壁も床も天井も満遍なく切り刻む。

鏡は上からその様子を見ていた。

「とんでもないやつだなぁ」

加えて、下の階の彩を探した。

しかし、その姿はどこにもなかった。

「どこいった?」

鏡が彩を見失っていると、鏡の背後の壁を彩が外から突き破ってきた。

「!?」

鏡はそこに向いた。

が、少し遅かった。

鏡が後方へ避けるより先に、彩が胸部を斬った。

「ぐっ!」

それでも、鏡の動きは止まらず、穴を隔てた反対側へと飛んだ。

鏡は斬られた所を押さえている。

彩は戦いの決着をつけるべく、構える。

「負けるものか…!」

鏡は彩を重力で拘束しようとした。

しかし、彩はそれを避けた。

「お前は一気に重力を強くできない。なんであれ、能力を発動するには予兆がある」

「っ!」

鏡はさらに彩を追うように複数の地点の重力を強める。

しかし、全て彩に避けられた。

「お前の術は見切った!」

彩は穴を越えるため飛んだ。

しかし、飛んだ所を鏡は見ていた。

そして、そこを狙って鏡も飛んだ。

最も高く飛ばなければいけない所に能力で誘い込み、飛び上がった無防備な所を叩き落とすつもりだ。

「しまっ…!」

彩は咄嗟に構えたが、遅い。

(俺の刀をこいつの心臓に引きつけ、最大限の重力で刀を振り下ろす…!)

「終わりだぁ!」

鏡の刀は彩の刀を折り、彩の肉を裂きながら叩き落とした。

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