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天来  作者:
超越者達
52/59

石が積まれていく

『教会』

そこは何人もの聖職者達が祈りを捧げる場。

『教会ある街は安全だ』

人間にとって、モンスターなどの被害は大きなもので、モンスターが街を破壊する事はあまり珍しい事ではない。

それを守るために王国付近の街といった、大きな街では精鋭の騎士を守りに置く事が多い。

しかし、それ以上に大きな力を持つのは聖職者達だ。

聖職者1人がその精鋭の騎士100人に及ぶとも言われている程、その力は絶大。

その力の秘密は祈祷術。

神への信仰が深い程、その力が増すと言われており、攻撃力、防御力共に優れた術だ。

強い光の力を持つため、かつて魔王や悪魔などの強い闇の力を持つ怪物を倒した者達の中に聖職者がいる事も少なくない。

つまり、教会あれば街の安全は保たれていると言っても過言ではないのだ。


そんな、教会に千手と鏡は2人のみで向かっている。

「なぁ、そう易々と見つかると思うかぁ?」

歩きながら、鏡が千手に聞いた。

「見つかるか否かではない。見つけるんだよ、阿呆が!」

千手は半ば脅すように言った。

「ちっ、ムカつく女だなぁ」

鏡は不機嫌そうに言った。

「まぁ、ここはかなり発展しているようだし…」

千手の言う通り、この街には繁盛している商業区や、最新鋭の技術を持つ工業区、そしてこんな大きな街の政治を司る中枢機関が街の中央に堂々と建造された大都会だった。

「教会だって、ある程度遠くから見ても余裕で見れちゃうほど大きいし、1人くらいいるでしょ」

千手はそう言って気楽そうに歩く。

「ふーん、聖職者が多いとその分仕事が面倒そうだけどなぁ」

「なぁに、ビビってんの?」

「面倒だと言ってるんだよ。そもそも、殺すなってのが意味わかんないしさぁ。それで負けたらどうすんのってさぁ」

「かぐや様の命令は絶対だ。殺さないと言われたならなら絶対殺さない!」

「はいはい、かぐや様かぐや様」

鏡はすっかり呆れた様子である。

「ほら、着いたわよ」

2人が話しているうちに教会の前まで来ていた。

教会の大きな扉が2人を見下ろしている。

「教会は坊主どもの修行のため、ある程度民衆から離れているんだな。まぁ、こちらとしても助かる」

鏡はそう言うと、教会の巨大な扉を蹴飛ばした。

「誰だ!」

教会の奥に立てかけられた十字架の方向に祈りを捧げていた聖職者達が一斉にこちらを振り向いた。

「何人だ、30人くらいいるか?」

鏡は人数を数えている。

「誰だと聞いている!」

「あぁ?誰って、まだ分からんのかぁ?お前達の敵だよ!」

「…セイクリッドチェイン!」

聖職者の1人がそう唱えると、鏡と千手の体を光り輝く鎖が縛りあげた。

「殺しはしない。ただ、二度と神聖なこの場所を穢すでないぞ!」

「へっ!」

鏡は笑みを浮かべ、鎖を引きちぎった。

「…!?」

聖職者達は驚いている。

「ほら早く、もっと技を打ってこいよ」

鏡はそう聖職者達を煽った。

「ホーリーレイ!」

光線が鏡を撃ち抜こうとするが、鏡の刀はそれを切り落とした。

「次」

「もっと、威力がいるか…。ホーリーフィールド!」

辺りが強い光に包まれ、聖職者達の力が強まる。

「今度は次のようにいかんぞ、ホーリーレイ!」

先程よりも光線の光が強くなっている。

しかし、結果は先程と同じだった。

「次」

「…ならば、セイクリッドコート!」

鏡の周りを半透明の光る膜が覆った。

「…?」

鏡がそれに刀で斬りかかる。

すると、刀は弾かれた。

「おお、効果があるぞ!」

聖職者達は喜びの声をあげた。

「…見つけた!」

鏡は動揺する素振りも見せず、その術を放った人間の方を見た。

「…!」

その視線に、その人はまるで自分が獲物になったような恐怖を覚えた。

次の瞬間、聖職者達の体は地面に貼り付けになった。

「…な、体が動かぬ!」

「遠隔の術は貫通するか。まぁ、内側からの攻撃さえ守れるなら十分だ。…さぁ、気絶しろ」

次第に、聖職者達の意識は遠のいていった。

しばらくすると、鏡の周りにあった膜は消えていた。

「終わった?」

千手は鏡に聞いた。

「あぁ、こいつだ」

鏡は1人の人間を指差した。

「仕事終わり!」

千手は糸を出し、その人の周りに巻き付けた。

「お前、何もしてないよなぁ?」

「だってあんたがどんどん前に行くんだもの」

「…ムカつく女だ」


あの氷の柱が出現してから、数日後。

また、新たな氷の柱が建てられていた。

「またか、敵の目的は一体なんだ?」

シリウスは遠くに微かに見えるそれを眺めてそう呟いた。

「…また、私が向かおう」

「気をつけろよ」

「分かっている」

そうして、また冥がその方へ飛んでいった。


以前と同じように、そこには柱だけで何もなかった。

しかし、冥の戻る様子をかぐやは見ていた。


「敵の位置が分かった」

かぐやは2人にそう言った。

「俺たちも、結界みたいなのを使える奴を持って来たさぁ」

鏡も糸で縛り付けた聖職者を見せつけた。

「よくやった。これから作戦決行だ」

「いいね、楽しくなって来たなぁ」

「だが、敵の位置を調べたが、奴が本当に直線で来たのかは分からない。それに、来たのは竜人ではなかった。恐らく2回とも同じ者だったから、奴の仲間だと思うが…念のため、割り出した場所で竜人を見てから決行する」

「了解!」


かぐや達はシリウスの家の周りを見張っている。

シリウスと冥はその中にいる。

氷の柱の出現から、2人の警戒は強まっている。

一触即発、いつ戦闘が始まってもおかしくない…

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