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天来  作者:
超越者達
46/59

大地を操る笛の音

激しい笛の音、それに呼応するように脈打つ大地がシリウスの足の自由を奪う。

シリウスは飛ぶしかなくなってしまった。

「逃さん、地蛇!」

大地が急速に盛り上がり、形を変え蛇のような姿となった。

それがシリウスに噛みつこうとする。

「竜技・天雷!」

凄まじい稲妻が、蛇の頭を砕いた。

蛇の主は顔色を変えず、笛を吹き続ける。

砕かれた蛇の側面から新たに3つの蛇が現れる。

そして、シリウスを取り囲むように伸びる。

「竜技・竜魂烈波!」

シリウスの中心から強大なエネルギーが発生して、大爆発を起こした。

その爆発は蛇を壊すだけでなく、爆風を繰り手まで届かせた。

「っ!ここまでの力を持っているとは…」

爆風に紛れて、シリウスが攻め込む。

彼女は咄嗟に笛を取り、岩を自身の周りに固めた。

「穴熊」

「竜技・紅蓮!」

紅蓮の炎が岩を溶かす。

しかし、攻撃でできた穴から針状の岩がシリウスの頭を狙う。

「っ!」

シリウスは槍を岩に刺し、押し込んで体を無理やり反らせた。

「竜技・堕天!」

シリウスは口からエネルギーを凝縮した球を吐き出して、彼女を囲む岩を破壊した。

そして、シリウスは爆風に乗って更に高く飛び上がった。

空から防壁の内部を見る。

しかし、そこには誰もいなかった。

「誰も…いない?」

「いけ…地竜!」

シリウスを目掛けて先程よりも巨大な岩が隆起した。

「やっば!」

それにはシリウスも圧倒された。

凄まじい勢いで竜は迫ってくる。

「竜技・螺旋双竜!」

螺旋状に二つの竜を呼び出し、大地で作られた竜とぶつからせた。

だが、シリウスの攻撃は超巨大な地竜を破壊するには至らなかった。

「ダメか…」

その時、竜が噛み付いてきた。

「うおっ!?」

口の中に飲み込まれそうになる。

「竜技・紅蓮!」

自身の周りを爆炎で纏い、砕けた岩の隙間から抜け出した。

「あの巨大な岩を破壊はできそうにないか、なら本体を叩くしかない」

シリウスは敵の位置を予測する。

それを邪魔するように、岩から小さな蛇の頭が伸びてくる。

「っ!」

シリウスはそれを避けるために、素早く飛び回った。

「…さっきの攻撃の時も、笛の音はしなかった。つまり、奴は地中にいる…、だったら…!

竜技・蒼氷華!」

シリウスは蛇の頭を凍らせて動きを鈍くする。

「竜技・天落!」

そして、急降下し地面を殴りつけ、広く、深く大地を砕いた。

「な…に…?」

そして、視界の端に笛を持つ者が見えた。

「そこだ!」

シリウスはそこに向けて、飛び出した。

「させるかっ!」

彼女は笛を吹き、地面を操りシリウスの侵攻を阻止しようとする。

しかし、焦って精細を欠いた。

その攻撃はシリウスには当たらなかった。

彼女はシリウスに掴まれた。

「…捕まえた」

「くそ…!」

彼女はシリウスを睨んだ。

「俺は敵じゃない、そんなに睨まないで」

「…?」

「あんたを殺す気はないし、…落ち着いて、少し話そう」

「…いいだろう」

「助かる」

そうして、シリウスは掴んだ手を離した。


「名前を聞かせて?」

シリウスは彼女にそう言った。

「…私はヨタ、ヨタ・ヒュメリア。ヴァーデン様に仕えている。とは言っても私しかいないけど」

「どうして?」

「昔、勇者に敗れ、ここに逃げてきたそう。…今度はあなたが答える番、どうしてここに?」

「とある人を探していて、北の方にいるとしか情報がなかったんだ。だから目立つ建物があったからここに」

「なるほど、その探している人は誰?」

「間の超越者って知ってるか?」

「…知らない、聞いた事がない。ここにずっといるのもあるけど、その超越者は割と新参者なのでは?ヴァーデン様なら知っておいでかも、少し待ってて」

ヨタは笛を持ち口に近づけて、息を思いっきり吸い込み、そして笛に大量の息を吹き込んだ。

凄まじく大きな悲鳴を笛は奏でる。

「!」

その強烈な音はシリウスに耳を閉じさせた。

笛を吹き終えて、しばらくすると

「何事だ!」

という、声が聞こえ、誰かが飛んできた。

「ヴァーデン様…」

ヨタはそう言ってヴァーデンを見る。

そしてヴァーデンはシリウスを睨む。

「ヴァーデン様、彼は…」

「敵なんだな!」

ヴァーデンはシリウスに襲いかかった。

「ヴァーデン様、違う!」

ヨタはそう言った。

しかし、ヴァーデンには届いていない。

「ちょっと待ってくれよ!」

「待つものか!」

ヴァーデンが生み出した黒い物質がどんどん広がっていく。

「…!」

「奴に勘付かれてはまずいのでな、すぐに終わらせてくれる!

ダーク・デストロイヤー!」

黒い物質が巨人を形作った。

「何!?」

「砕けろ!」

巨人は腕を振り下ろした。

「っ、竜技・紅蓮!」

シリウスは技を腕にぶつける。

しかし、力が足りない。

シリウスは吹き飛ばされる。

「ぐわっ!」

ダメージは防御が間に合ったため、致命的なものではないが確かに響くものだった。

「待って、ヴァーデン様!」

ヨタの制止は戦いの音がかき消す。

「まだ、生きているか…ならば、もう一発!」

巨人は拳をシリウスに突きつけた。

「くっ!」

先程、攻撃をかき消されたシリウスは回避を図る。

しかし、黒い物質がシリウスの足元まで迫り、身動きを封じた。

「シャドウバインド!」

「なっ!?」

拳は身動きのできないシリウスに振り下ろされた。

「ホーリーレイ」

その時、光線が拳を打ち消した。

「!?」

シリウスは何が起こったか分からなかった。

しかし、冷静になるとヴァーデンの他に強大な力を持つ者、新たな超越者の気配がある事が分かった。

「覚えのある気配だ、君の気配は変わらないね。ヴァーデン?」

「ついに、来てしまったか…お前とは今、戦いたくなかったよ、『勇者の剣』エルノア!」

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