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レキスの独り言
「天の超越者、偉くなりやがって」
レキスは夜空を見上げながら、そう呟いている。
「私達が暮らしていた時は、自分達に名前なんてつけられなかった。だから、今、なんとかつけたんだよ。俺はレキスで、お前はクオンって呼ぶ事にした。お前に届いているか?聞こえたら返事くらいしろよな。…まぁ、ある訳ないか」
頬に少し冷たい風を受け、髪がたなびく。
「お前が天の超越者になってから、俺は死の超越者ってのになったんだ。もう1人のあいつも時の超越者になったんだぜ?すごいよな、超越者が一気に三人。どんな大サービスだよって」
レキスは変わらず空虚な星空に向かって、返事のない会話を続けている。
「天に昇るってどんな感じなんだよ?どうして…。いや、…でも、やっぱ…言いたい。どうして、俺達の目の前から消えちまったんだよ。お前もあいつも…!寂しいよ…俺は、独りだ…!」
レキスの目から熱く透明な雫が滴る。
「なんで、天の超越者になんてなっちまったんだ、俺も死の超越者になんて…。そんなのになっちまったせいで、今日も見上げちまうだろうが…!」




