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天来  作者:
ユグドラシル
43/59

闇の超越者

シリウスはセレナに案内され、天に届くほどの高さの大樹の元に来た。

「これだけの大きさの木、なんで今まで気づかなかったんだ…」

「それは、私が霧を作って隠していたから。周りからは見えないようにしているの」

セレナはそう説明した。

「なるほど」

「さぁ、ここが、この世界の歴史を司る世界樹。『積歴の大樹』よ」


シリウス達は積歴の大樹の内部に入っていった。

「これ、入れるんだ」

中はそこら中に本棚があり、その空白を無数の本が埋めている。

「よぉ、シリウス。来たか」

そこにいたアレスが話しかけた。

「アレス、来てたのか」

「まぁ、俺は別に倒れてないし。すぐにここに案内されたさ」

「さぁ、上に行こう。みんなが待っている」

セレナは2人にそう言った。


木の上に登ると、既に全員揃っていた。

そして、鏡無とウキュウもそこにいた。

「みんな、父さん」

「あら、母さんの事は覚えてくれないのかい?」

ウキュウはわざとらしく残念そうに言った。

「あぁ、そうか!どこかで見たと思ったんだ、母さん」

「まぁ、あまり顔を見せてないから仕方ないか」

「ねぇ、あの2人ってシリウスの親なの?竜人じゃなくない?」

クロはヴェルタナに聞いた。

「クロ、突っ込まない方がいい事もあるのよ」

ヴェルタナはクロをなだめた。

「集まったか」

「!」

天井の方、その木の表面から誰かがすり抜けて、降りてきた。

それはまだ、幼い少女のように見えた。

「小さいな…」

シリウスはそう呟いた。

「!」

鏡無、セレナはギョッとしてシリウスを見た。

ウキュウは額に手を当てた。

「…お前」

「え?」

シリウスは突如、床から生えた幹に体を持っていかれ、少女の前に置かれた。

「お前、俺を小さいと言ったな!クソッタレ、これでもお前よりも年上だぞ!」

「えぇ」

「だー!これだから年齢操作が欲しいんだ。成長が子供で止まってやがる!クソクソクソクソ…」

少女は急に黙った。

「?」

シリウスは若干引いている。

「少し取り乱した。二度と私を『小さい』などと言わないように!…こちとら気にしてるんだから」

「はい…」

「話を戻そう。私は『死の超越者』名前はないが、レキスと呼ばれている。今回、集まってもらった理由は、君達にはなんとなく分かるだろうが、『闇の超越者・ヴェイル・ウラヌス』、我々の宿敵についてだ」

「ウラヌス、ですって…!?」

タナが声を上げた。

「どうしたんだ、タナ?」

シリウスはそう聞いた。

「ウラヌスを姓にとるのは天使だけ。それが闇の力を持つって事は、つまり奴は…!」

「その通りだ、彼は元は天使。だが、堕ちた。そこで手に入れたのが強力な闇の力、全てを闇に取り込む力だ。それは魂さえも例外ではない」

その言葉を聞いて、無意識にクロ、アレス、ウキュウの体が強張った。

「奴は、あの竜人ベテルギウスまでをも葬った。『天の超越者』の神器『グングニル』を持った彼を。正直、奴の力は我々が測れないほど強大だ」

「倒す手立ては?」

ヴェルタナがそう聞いた。

「今は、多くの超越者を味方に引き込む。それしかない」

「どれだけいる?」

「私が確認しているのは

魂の超越者、ヴェルタナ・レッドローズ

陰陽の超越者、エルノア

万象の超越者、セレナ

無の超越者、万封院 鏡無…」

「ふっ」

鏡無は自身ありげに笑った。

「ウキュウの暴走を止められなかったくせにいきがってんじゃねぇよ」

容赦なく、レキスはそう言った。

「う…」

「心の超越者、オルスタ・レッドローズ」

「ちっ、あいつか」

ヴェルタナは不愉快そうな様子だ。

「…?」

ケインはその様子を不思議そうに見ていた。

「間の超越者、月華 かぐや

 限の超越者、ヴァーデン・ヴェルハイム

 繋の超越者、ルクリエル・スニレイク

 …闇の超越者、ヴェイル・ウラヌス

 そして、三人の原初の超越者

 この私、死の超越者

 時の超越者…彼女は力を失ってしまった。

 そして、この世界最強の超越者

 天の超越者…」

「じいちゃんが使ってた神器の持ち主か」

「そうだ、グングニルは彼の力の一端に過ぎない。しかし、彼はここに干渉できない。彼は天に昇り、この世界に漠然としか存在できない。だから、シリウス、君はグングニルをヴェイルから取り返すんだ」

「グングニルは奴に奪われたのか?」

「恐らく…取り返すのは容易ではないが、もしできたのなら大きな力になる」

「頑張ってみるよ」

「だが一先ずは他の超越者を仲間にするのが先だ」

「私はオルスタの所へ向かう」

ヴェルタナがそう言った。

「ヴェルタナ…確かに君に行かせた方が良さそうだ」

「あそこへは私の従者達と、アレスを連れていく」

「俺!?」

アレスは驚いている。

「分かった、任せるよ。シリウス、君は間の超越者を探ってくれ」

「どうして?」

「それらしい者が動きを見せた、渡月教などという団体を作っているそうだ」

「どこ?」

「しばらくウキュウの能力が使えなくなったため分からない。だが、恐らく北の寒冷地にいると思われる」

「分かった」

「今日はここまでにしよう。また連絡があるときはウキュウのカラーズを通じて連絡する。君たちにはまだ、伝えねばならない事がある」


耀夏は壊れてしまった研究室の中で俯いたまま座っていた。

「…」

創想はその様子を心配そうに見ていた。

「耀夏…」

「分かってる、いつまでもクヨクヨしてるつもりは無いよ」

「…うん」

「よしっ!また、研究室を作り直すかな」

耀夏は立ち上がってそう言った。

「僕も手伝うよ」

その時、ドアを叩く音が聞こえる。

「誰だ…?」

耀夏はドアの方に向かった。

ドアを開けるとそこにはジョシュがいた。

「ジョシュ…!」

「た、ただいま、キョージュ。なんとか帰ってこれました」

耀夏はジョシュを抱きしめた。

「おかえり…!」

耀夏は涙を流していた。

ジョシュは創想を見ると彼女も泣いていた。

それを見てジョシュは嬉しそうに微笑んだ。

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