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天来  作者:
ユグドラシル
41/59

フェアリーテイル

「くぅ…うぅ…」

テラルはシリウスに殴られた額を痛そうにさすっている。

「で、今の状況って?」

シリウスがヤマセに聞いた。

「あんたが倒れて〜…え〜…ぇ?、その後は何も聞いてないや」

ヤマセはそう答えた。

「そうか…」

「でも、セレナがあんまり焦らなくていいって」

「どういう事だ?」

「さぁ?あんたの方がよく分かってんじゃないの?ほら、テラル行くよ」

「…へ〜い」

そうして、二人は外に出て行った。

「…焦らなくていいって、ウキュウの件はもう解決したんだろうか?」

そうして考えていると、外で何か話している声が聞こえる。

「?」

気になって窓の方を見ると、多くの顔が覗き込んでいた。

「うわ!?」

シリウスは驚いて、外に出た。

しかし、その姿はなかった。

「…」

シリウスは仕方なく、部屋の中に戻る。

「…」

ふとまた窓を見ると、またいくつもの顔が覗き込んでいる。

「っ!」

シリウスはまた外に出る。

やはりいない。

周りからクスクスとこちらを嘲る声が聞こえる。

「…っ」

シリウスはドアを勢いよく閉めて、ベッドに戻る。

「ふぅ…」

一息ついてまた、外を見る。

やはりこちらを覗き込んでいる。

「ふぅ…」

シリウスはゆっくりと深呼吸をした。

しかし、次の瞬間すぐに外に出て、周りを見渡す。

やはりそこには何もいなかったが、こちらを嘲る声は聞こえている。

「お前ら、自分が安全圏内にいると思ったら大間違いだぞ!」

シリウスは小屋の屋根に飛び乗った。

そこには2人いた。

「うわぁーーーー!」

その2人は屋根に乗ってきたのを見て、驚いてすぐ逃げた。

「逃すか!」

シリウスはそれを追いかける。

まず1人が捕まった。

「うわぁーーん、捕まったー!」

「もう1人!」

もう1人は違う方に逃げていた。

「わぁーーー捕まるー!」

その1人は、少し後ろを見た。

するとシリウスがすぐそこまで迫ってきていた。

「ぁぁ………!」

自身の運命をすぐに察した。

2人は両脇に抱えられている。

「へっ、捕まってやんの〜」

「お前もな!」

抱えられながら何か話している。

「覗いていたのは5人、あと3人か」

シリウスは残りの位置を見ている。

草むらに1人、木の影に2人隠れているのが見えた。

「そこか…!」

シリウスは草むらの方に向かった。

「ひゃーーーー!」

抱えられた2人は風を受けながら楽しんでいる。

「ヒェ…こっちきたぁ」

草むらに隠れていた子が逃げ出した。

必死に逃げている最中、頭上を何かが通り過ぎた。

「え?」

すると目の前にシリウスが着地した。

「さぁ、観念しろ」

3人目もシリウスに抱えられた。

「うぅ、ダメだった」

「さぁ後2人、まだバレてないと思って同じ場所にいるな?バカめ、分かってるんだよ!」

シリウスは2人が隠れている木に走って行った。

「わぁー!きたー!」

「二手に分かれるぞ!」

「オーケー!」

2人は左右に散った。

シリウスは左から先に追いかけた。

「げっ、俺かよ」

その1人は木の影に隠れながら逃げ、シリウスを翻弄するつもりだ。

「いい逃げ方だ、でも…」

シリウスは少しずつ距離を詰める。

「うっ!」

そしてついに捕まってしまった。

「くそ〜、でももう1人はきっと遠くに逃げた。1人でも生き残れれば俺たちの勝ち…」

シリウスは勢いよく空に飛び上がった。

「うっ!?」

シリウスは木々の隙間から逃げている1人を見つけた。

「見つけた!お前らしっかり捕まってろよ!」

「え!?ちょっ…」

シリウスは空から逃げている方に向かって高速で飛び降りた。

「うわぁ!?」

凄い勢いで顔に風を受ける。

「よし、ここまで逃げたら…?」

最後の1人は上から轟音が響くのを聞いた。

「何…この音…?」

するとシリウスが勢いよく着地してきた。

「うわぁ!?」

その様子を見て逃げていたが腰を抜かしてしまった。

「うわ〜」

抱えられた4人は酔ってしまっている。

「最後の1人捕まえた」

シリウスはそう言った。

「つ、捕まった…」


シリウスは5人を抱えながら、説教をしている。

「全く、あまり人を揶揄うもんじゃないよ」

「え〜だって楽しいもん」

「だってじゃない」

「あらあら、あなたお守りなんてできたのね」

セレナがシリウスに話しかけた。

「別にそんなんじゃ」

「あー、セレナ様!」

1人がそう言った。

「はいはいあなた達、悪戯もここまで、帰った帰った」

「はぁい」

つまらなそうに返事をして5人の子はどこかへ行った。

「元気になったようで、良かったわ。小屋に戻りましょ?」

「あの子達…、あとヤマセとテラルって奴にも会ったけど、なんかここの奴ら悪戯しすぎじゃないか?」

「当たり前でしょ、私たちは妖精なんだから」

「妖精、悪戯好きの種族か…そうか、納得したよ」

「でも、そんな事が聞きたいんじゃ無いでしょ?」

「あぁ。今、聞きたいことがたくさんある」

「そうでしょうね」


「一応この小屋は私の住処なのよ」

セレナは小屋に入るなり、そう言った。

「そうだったのか?ベッド使わせてもらってすまない」

「別にあまり使わないからいいわよ」

「それで…」

「ウキュウの事、よね」

「あぁ」

「結論から言えば、ウキュウはあなたのお友達が治した。この件は解決よ」

「…タナとキャラビナールか」

「そうね、そんな名前だった。そして、要件はこれからよ」

「?」

「私達のボスがあなた達に話したい事があるそうで、魔人、ウキュウを治したタナとキャラビナールだっけ?あと、ヴェルタナとその従者達とリゼアがとりあえず呼ばれたわ」

「話?」

「そう、明日案内するわ。今日は戦いの疲れをとって」

「分かった」


シリウスは寝ようとしたが、目が冴えて眠れない。

「…寝れない」

シリウスはすっかりあの悪夢にやられてしまった。

「くそ…情けない」

「眠れない?」

セレナがシリウスを訪ねてきた。

「…まぁ、そうだけど」

「じゃあ、御伽話を読んであげよう」

「子供じゃないし」

「悪夢が怖くて眠れない大人ね」

「ぐっ」

「じゃあ、話すわよ。むかーしむかし…」

そうして妖精の語る御伽話が始まった。

ちなみにシリウスの手刀は普通の人間が食らったら頭蓋骨割れます。

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