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天来  作者:
ユグドラシル
38/59

七色の暴乱

「や、遊びに来たよ」

創想が耀夏の研究所を訪れた。

「おや、人形屋はいいのかい?」

「今日は定休日」

「そっか。ジョシュ、すまないがお茶を出してくれないか?」

「分かりました!」

ジョシュはそう答えた。

「どうだい、最近は?」

創想が耀夏に聞く。

「まだまだ、全然だな。良いものが思いつかないよ」

その時、何かが割れる音がした。

「!」

音の方を見ると、ジョシュが紅茶の入ったカップを落としていた。

「ジョシュ、大丈夫か!?」

「…き、キョージュ…」

ジョシュの様子がおかしい。

「…どうした?」

「?」

耀夏もその異変に気づく。

「こ…怖いよ…キョージュ…私が…私じゃ…」

「どこか悪いのか?」

「…うぅ!」

ジョシュの全身から青い根が生えてきた。

「な、なんだ!?」

「助けて…キョージュ…」

そして、青い植物はやがて研究所の屋根を壊し、耀夏達を見下ろすほどに大きくなった。

「ジョシュ!」


「グリーン!」

グリーンは大きく天に伸びた。

また、その反対側で本殿の屋根を突き破り、赤い茎が生えてきた。

「スカーレットか…!」

スカーレットとグリーンは茎を触手のようにして、周りを破壊していく。

「…ここは私が請け負う!」

鏡無がそう言った。

「父さん…」

「大丈夫だ、お前達は他のカラーズを相手してくれ。…できれば、殺さず弱らせてくれ」

「…分かった」

シリウス達はその場を離れた。


「そうだ、君達にはこれをあげるよ」

走っている最中、セレナはシリウス達に紙を渡した。

「なんだこれは?」

紙は七色の色で塗られている。

そしてそれぞれの色にカラーズの名前が当てはめられていた。

「彼女らの名前の元になった色の名前さ、色と名前は一致している。そして、彼女らの植物の色もね。これを見て名前を判別するんだ」

「分かった。シリウス、どうする?」

アレスはシリウスにそう聞いた。

「まずは、槍を持ってくる。こんな事もあろうかと家に予備はある」

「分かった、俺はパープルを見てくる」

「了解!」

シリウスは空へ飛び立った。

「私はイエローをなんとかするよ」

セレナも空へ飛んでいった。


アレスは武器屋に戻って、パープルを探した。

パープルは武器屋の中にいた。

「アレス、俺の仲間が…!」

パープルは腕輪の影響でウキュウとの接続が途切れたため、暴走から免れていた。

しかし大樹にも匹敵する巨大植物を目の当たりにし、カラーズの暴走を悟っていた。

「大丈夫だ、俺たちがなんとかする。お前はここで待ってろ」

「頼む…」

「あぁ…」

アレスは武器屋から出て走り出した。


「よし、これだ」

シリウスは新しい槍を持って、家の外に出た。

「オレンジなら、きっと彩と冥がいれば大丈夫だろう。イエローは優先する位置ではない。ネイビーのいる陽天神社は、強い陰陽師がいるとアレスが言ってたな。なら、先に行くべきはシアンか」

シリウスは空へ飛んで植物の色とセレナにもらった紙の色を照らし合わせた。

「シアンはあれか!」

そして、そこに目掛けてシリウスは向かった。


「ジョシュ、ジョシュ!」

耀夏は巨大な植物となったジョシュに呼びかけている。

「耀夏、危ない!」

創想は迫る根の攻撃から耀夏を引き離した。

「っ!」

耀夏達はなんとかそれを避けるも、振り下ろされた根は頑丈な研究室の壁を容易く壊してしまった。

「耀夏、今は逃げるよ!」

「…くそっ!」

その時、シリウスがジョシュの目の前に降り立った。

「シリウス!?」

「創想か、今はさっさと逃げろ!」

シリウスは創想達にそう言った。

「分かった、行くよ、耀夏!」

「…」

2人はその場から離れた。

「…シリウス!」

「!」

創想が足を止めて、呼びかけた。

「この子は、友達なんだ。出来れば、殺さないでくれ!」

「元々、殺すつもりはない。安心しな」

その言葉を聞いて創想は心の底から安堵した様子で走っていった。

暴走するシアンは無作為に根を振り回している。

「とは言っても、殺さず、弱らせろか…。無茶言うよなぁ」

シアンは変わらず暴走を続ける。

その様子を見て、シリウスは決心をつけた。

「まぁ、やるしかないか。行くぞ!

竜技・紅蓮!」


以前は陽天神社、今は霊廻神社と呼ばれる所の近くにも巨大な紺色の植物が蠢いている。

「ちょっと、何あれ!?」

禮は突如現れた巨大な植物に驚いている。

「ん…、なんだあれ?あぁ、黒元龍潭第二十七番地、名物、巨大紺向日葵か、いや〜珍しい」

泥阿はさっきまで寝ていたのか何か訳の分からないことを言っている。

「寝ぼけてんじゃないわよ!」

禮は泥阿の頬を思いっきり引っ叩いた。

「っっっっった!!なぁにすんだよ!!」

泥阿は夢と現実の狭間から無理矢理、現実に引き摺られた。

「ちゃんとあれを現実として認識しなさいバカタレが!」

「ほ〜、これはこれはたいそー素晴らしい物がございますなぁ。最悪の目覚ましに最悪の朝ごはんだよ」

「食わんでいい」

「これ、倒さなきゃダメ?」

「当たり前でしょ?これを野放しには出来ないわよ」

「ふーん、そっか…暗命の護符、え〜い!」

泥阿は黒く光る札を敵に投げつけた。

「ちょっ!?」

禮はあまりにも突拍子のない行為に動揺する。

暗命の護符は植物に辿り着くと発散して黒い炎のような物を発した。

「馬鹿馬鹿ばかバカ!そんなことしたら神社に意識向いちゃうでしょ!?」

「大丈夫でしょ?2人ならなんとかなるって。あーらよっと!」

そう言って泥阿は植物の方へ飛んでいった。

植物は神社の方を攻撃しようとした。

「獄門!」

暗命の護符を相手の体に巻き付けて身動きを封じた。

「おっと、危ない」

「天命の護符!」

植物の周りが札の光に包まれた。

「んー、いい連携だなぁ」

「あんたねぇ」

禮が呆れたような声でいった。

「結果オーライさ」

「神社壊れたらどーすんのよ!」

「今に始まった事じゃないし」

「…まぁ、確かに?」

その瞬間、植物の茎が禮に振り下ろされた。

「減算!」

植物の根は確実に地面を叩いた。

しかし、その攻撃は禮には届いていない。


禮の能力『減算』

魂以外の物を一つ引く能力。

例えば皿に乗っている3つのリンゴを一つ減らす、そんな能力。

能力の発動時間は合計20秒。

その20秒間は効果時間と再使用までの時間で分けられる。

20秒を物ごとに決められた効果時間で引くことで再使用までの時間が決まる。

物ごとの決められた効果時間は物が大きくなる程その時間は小さくなり、再使用までの時間も長くなる。

そして減らせるのは目に見える物だけではない。

時空間の軸も減らすことができる。

今は、敵の空間の軸を一本減らし禮に攻撃が当たらないようにしている。


「やっぱいいなぁ、その能力」

「割と疲れるんだからね?」

「これの効果時間ってどんくらいになるの?」

「15秒くらい」

「ふーん、長いなぁ」

すると、植物の花が鈍い光を発する。

「何これ、敵の攻撃よね?」

しばらくすると周りの空が暗くなっていった。

「あー、これは精神攻撃だ。僕の能力射程範囲に入った」

禮の能力は精神攻撃に対しては無力。

しかし、泥阿の能力がそれを補填する。

「神隠し」

暗かった空は元の明るい空へと変わっていった。

「流石ね」

「僕の能力はこんな地味なのになぁ」

泥阿はため息をついた。

「でも、これがないと完璧にここを守れないからね。2人で守るのよ!」

「そうかい、じゃあ後はいい感じに決めちゃってくださいな」

「ならばお言葉に甘えて、極楽浄土!」

空に天命の護符を円形状に浮かべると、その中心から強烈な光線が植物を焼く。

攻撃を受けた植物は萎れていて、非常に弱っているのが分かる。

「あら、しぶといのね。じゃあ、トドメよ!」

「待て!」

「!」

聞き覚えのある誰かの声が聞こえる。

「そいつは殺すな!」

「アレス!?」

アレスが戦いを遠くから見て、駆けつけていた。

実際には六色っていうね

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