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天来  作者:
ユグドラシル
37/59

無邪気な悪意

「おーい、起きろ。シリウスくーん」

誰かがシリウスの顔を何度も叩いている。

「う…」

「早く起きろって〜運ぶのめんどいんだぞ〜」

「セレナさん、運ぶの私…」

「起きろ〜」

「…誰?」

シリウスは目を覚ました。

「おぉ、ようやく起きたか」

セレナは叩く手を止めた。

「え、誰?」

シリウスは困惑している。

「初めまして、私はセレナ」

「…あいつは?」

「倒したよ、安心しな」

「そうか、ありがとう」

「私に感謝するのはまぁ当然だが、あんたの相棒さんにも感謝しなよ」

「え?」

「君が気絶してる間、君を守っていたのは彼だ」

「!」

シリウスはアレスの方を見た。

アレスは微笑んだ。

「ありがとう、アレス」

「いいさ、友達だからな」

そうして2人は笑い合った。

「さぁ、ウキュウの所に行くよ」

セレナは2人に呼びかけた。

「ああ!」


「よし、セレナがグールを倒した!」

ウキュウがグリーンを通して、グールの撃破の様子を見た。

「やりましたね、ウキュウ様」

スカーレットも喜んでいる。


「テイルくん、期待してたけどなぁ」

黒いフードを被った男は失望した様子だった。

「彼女が相手なら、仕方ないか…。しかし、存外、弱かったなぁ。まぁ、いいか。締めに入ろう」


鏡無の目の前の地面に黒い影が現れた。

「!?」

そこから何人もの生気を失った人間達が這い上がってくる。

「これは…」

その時、ウキュウの言葉を思い出す。

「…まさか、グールに集まった魂を呼び寄せたのか!?」

その人達は本殿に向けて洪水のように押し寄せた。

「くっ、天命の護符!」

光り輝く札を彼らに投げた。

札は発光し、敵を打ち砕く。

それでも何人かそれを抜けて行こうとする者がいる。

「神鎖!」

天命の護符を敵全員に巻き付け、動きを封じた。

「っ!」

しかし、それは鏡無への大きな負担になる。


ウキュウは外が騒がしくなっているのに気づいた。

「まさか、ここまで侵攻された!?」

「そうだよ」

「!?」

ウキュウが声の方を振り返るとそこには黒いフードの男がいた。

「どうやって?」

「ウキュウ様!」

スカーレットが自身の腕を根に変化させ、黒いフードの男に攻撃する。

しかし、闇がその攻撃を防ぎスカーレットを弾き飛ばした。

「がはっ!」

「スカーレット!」

「さぁ、お終いだ」

黒いフードの男がそう言った。

「鏡無はどうしたの?」

「彼と戦うのは面倒だからね、あのグールの魂からゾンビを作って戦わせたよ。たくさん人を食わせた甲斐があったね」

「外道め…」

ウキュウは軽蔑するような目で彼を見た。

「当然だろ?私は闇の超越者だ。この世界で一番邪悪な存在だよ」

「私をどうするつもりなの?」

「君を闇に取り込んで、カラーズを暴走させる」

「それは…!」

「世界中に散らばって君の分身達それを暴走させれば…どうなるだろうね」

闇の超越者は楽しそうに笑う。

「くっ!」

ウキュウはなんとか闇の超越者から逃げようとした。

「おっと、させないよ」

闇の超越者は腕を掴んでそれを止めた。

「どうして?どうしてこんな事するの!?」

「どうして…?あぁ、どうしてだっけ、やはり楽しいからかな?」

「っ!」

「さぁ、さよなら、ウキュウ」

闇がウキュウの魂を飲み込んだ。


鏡無はゾンビを止めるのに精一杯で身動きが取れない。

「これをウキュウに近づける訳には…」

「業火!」

ゾンビ全てに火が付き、燃やし尽くされた。

「っ、セレナ!?」

鏡無は本殿にたどり着いたセレナ達を見た。

「どういう状況?」

「奴の策はグールだけではなかった、ウキュウが危ない!」

「えっ!?」

シリウスは鏡無を見た。

「と、父さん!?」

「父さん!?」

アレスは驚いて鏡無を見た。

「シリウス、話は後だ、今は…」

その時、ウキュウが走って外に出てきた。

「ウキュウ…!」

ウキュウの魂は少しずつ闇に囚われ始めている。

アレスの眼はそれを捉えていた。

「まずい…ウキュウは、もう…!」

「時間がない、聞いて!!」

ウキュウがそう叫んだ。

「私の分身は、ここのスカーレットとグリーン。オレンジは桜桃島、シアンはとある研究所、ネイビーは陽天神社の近く、パープルはアレスの武器屋の近く、イエローは人里から離れた森だ、お願いこの子達を止めて…!」

そうして、ウキュウの髪と目は黒く染まり、魂も完全に闇に飲み込まれた。

その時、グリーンに異変が起きる。

「っ、かっ…あ…」

「グリーン!?」

グリーンの全身から根が生える。

その根は徐々に全長を伸ばして、やがてグリーンの面影を取り込み始めた。

そして、グリーンは大きな植物になった。

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