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天来  作者:
1/7

龍人の末裔

雲をよりも高い山、天越山。

その頂にある小屋に一人の男がいた。

彼の名はシリウス、青い目をした竜人である。

「父さんと、母さんが死んでもう100年か、時の流れは早い。俺もいい加減何かしなきゃな…

よし、旅でもするか。世界の色んなところを見よう。爺ちゃんもそうやって名を轟かせてきたんだ」

シリウスは決断が早い、というか楽観的に近い性格だ。

「でも、いつ出発しようか。………まあ、明日でいいか」

しかし、この性格ゆえに長い間引きこもりをしているのである


「なるほど、ここが天越山か」

彼は、魔道剣士のアレス。

アレスは闘いを欲し、常に自身を高めるライバルを探している。

「だが、これを登るのか…」

ちなみに天越山の標高は5000mは余裕で超えている。

それになかなか傾斜がある。

だから、羽のない生き物は登るのが難しい。

「いや、この上に強いと謳われる竜人がいるのなら俺は登ってやるぜ!」

いくら無謀に見えてもそれは彼を止める理由にならなかった。


一方シリウスはというと

「zzz」

寝ている。


かなりの時間がたった。

ついにアレスが天越山の頂に辿り着いた。

「しゃーーーーー!おらーーー!

やっと…やっと辿り着いたぜ!!」

「…外がうるさいな」

シリウスはアレスの歓喜の雄叫びで目を覚ました。

そして、声の源である小屋の外に出た。

「!、お前は、噂に聞いた竜人か!?」

アレスはシリウスを見るなりそういった。

「ああ、そうだよ。何しに来たんだ。眠りが覚めてしまったじゃあないか。ふわぁ〜〜」

シリウスは気だるそうに欠伸をした。

「何しに来た?当然!お前と闘うためさ!」

「…なるほど」

「そう、物分かりがいいじゃないか。いざ、勝負!」

そう言うと、アレスは懐からお札を取り出した。

「…?、何それ」

「まあ、見てなよ」

アレスが札を握りしめると光を発して、アレスの周りを包み込んだ。

「…」

「お!こいつは、転生の護符だ。死んでも一度だけ蘇る最高のお守りだ!いやーここで0.01%を当てるなんてー、神様!愛してるぜ!」

(こいつ、うるさいやつだな…)

「やるならさっさとやろう、早く寝たいんだ」

シリウスは槍を構えた。

「おっと、すまねえ。待たせちまったみたいだな。

じゃあ俺から行くぜ、暗黒魔法ダークフレア!」

黒い火球がシリアスの元に飛んでいった。

「竜技・紅蓮!」

槍が炎を纏い、シリウスが槍を薙ぎ払うと、炎が前方を飛んでいき、黒い火球とぶつかり爆ぜた。

「やるな、でも、まだまだ…」

その時爆ぜた後残った火花の中からシリウスがアレスの方に閃光の如く駆け出し、もう近くまで来ていた。

「へ?ちょっ、待っ」

アレスは咄嗟に剣で防御するも間に合わず、シリウスが槍の柄を首に思いっきり当てられ気絶した。


「…っ、う」

アレスはゆっくりと目を開いた。

「目、覚めたか」

「俺は…!」

アレスは急に飛び上がった。

「お、びっくりした」

「こ、今回は負けたが、次は必ず勝つ覚えと…」

アレスの眼科には自分が苦労して登ってきた山の崖が見える。

「な、なあ。シリウスさん?」

「なんだよ?」

「あんた、羽あるよな」

「だからどうした。お前もあるだろ?」

「あるか!頼むから俺を下ろしてくれ」

「え?」

シリウスは彼の背中をよく見た、確かに羽らしきものはついていない。

「お前まさか、この崖を登ってきたの?」

「そうだよ、それ以外あるかよ」

「っぷ、あははははははははは!」

シリウスは天に響くくらいの大笑いをした。

「急にどうした?」

「あんたおかしいよ。この崖を登ってきた?雲よりも高いのに?あははははは、こんなに笑ったのは久しぶりだ!」

「なんだよ、変な奴だな」

「君に言われたくないね。ねぇ、名前は?」

「ん?アレスだ」

「そうか、アレス。ねぇ、地上には君みたいに面白いくて、おかしい奴がいるのかい?」

「あんた、もしかしてずっとここにいるのか?」

「そう、地上なんてほとんど見たことない」

「なんだよ、やっぱりお前も変な奴だな。

…いるぜ、いっぱい。当たり前だろ?こんな狭いとこじゃなくて、俺たちはもっと広いとこで生きてるんだから」

「…!」

シリウスは期待に満ち溢れた表情をした。

そして、すぐにアレスを抱えて、崖を飛び出し、空に駆け出していた。

「うおっ」

涼しい風が彼らに当たる。

「フゥーーーー!最高だぜ!」

「雲に近づくよ!」

そして雲に潜っていった。

しばらくすると雲を突き抜け地上が見えた。

広大な緑と青、シリウスにはそれがとても眩しく見えた。




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