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他人

顔を蹴られると蹴られた箇所にに痛みは残っておらず蹴られた瞬間に蹴りが当たった箇所から反対側へ痛みが抜けていった。一瞬とはいえ突然走った激痛に俺は呆然とした。

　「おい、お前ら」

　鈴木さんがそう言うと取り巻きの二人が俺の腕を掴み立ち上がらせた。

　「佐藤くんはさまだ死んだばかりで知らないみたいだからさ、特別に他人の問題に口出しするとどうなるか俺達が体に教えてやるよ。」

　そう言い終えると鈴木さんは俺を殴り始めた。鈴木さんが終わったと思えば取り巻きと代わりまた殴られる。あれから何分経ったのだろう気絶していれば楽だったかもしれないがこの体がそれを許さない。

　殴られている最中、俺は何度も周りに住んでいる霊に助けを求めたが、誰一人として俺を助けてはくれなかった。結局鈴木さん達の暴行は俺をサンドバッグにするのに飽きるまで続いた。

　「これで分かったろ周りは皆わかってる他人の問題に関わることの危うさを。佐藤くんもこれに懲りたら見ないふりするよう心がけな。」

　鈴木さんはそう言い終えると仰向けに倒れている俺だけを残し立ち去った。