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非日常
非日常
いつもの帰り道、どこかに連絡するトラックの運転手、横たわる自分の体。自分の今の状態を理解するには充分すぎる状況だった。
「うっ」
潰れてしまった自分の体を見て吐きそうになるが死んでしまったからなのか胃からは何もでない。
自分を轢いたトラックの運転手への怒り、死んでしまった事への悲しみ、職場や自分の周りの人に迷惑をかけてしまうんじゃないかという心配。
冷静な時の自分なら表に出るであろう感情が頭の中でうづまく。 押し付けられた現実に頭で理解していても心が追いつかない。どうにか落ち着こうと自分の体から目を逸らし深呼吸をする。
少し落ち着きを取り戻すと周囲の視線にようやく気づく、当然だ人が轢かれたのだ、そうでなくともトラックの運転手の声で視線はここに集まるだろう。
これから自分はどうすればいいのか……。
考えたいことは山積みだが周りの視線が気になり集中できない。
落ち着いて考えられる場所…1度家で落ち着いて考えよう。




