A山荘
電車を降り向かう途中であった霊達に道を聞きながら山荘へ歩き、そして着いた。
A山荘は木々に覆われ荒れ果てており普通だったら人が住んでいないであろうことが分かる。
「ん?お前さん始めてみる顔だな。どこから来たんだ?」
一人のおじいさんが話しかけてきた。俺はここに来た経緯と自己紹介をした。
「そりゃ大変だったな……ここには年寄りと子供しかいないから。幽霊同士でトラブルは起きないよ。ゆっくりしていくといい。」
俺はお年寄りと子供への自己紹介をすませ、その日を終えた。
━━━━━数日後━━━━━
俺がここに来てから数日が経った。そんなある日どうしてお年寄りと子供が多いのかを初めに話した小林というおじいさんに聞いた。
「儂らも初めは町にいたが、孫が死んでしまってね。孫が親を引っ張らないようにこうして孫を連れて離れて暮らしているんだよ。」
話を聞くと子供たちが病気や事故で亡くなってしまい。親を引っ張る……つまり殺してしまわないように離れて暮らしているらしい。中には親族ではないが気の毒に思い連れてきた方もいるようだ。
「もう一つお聞きしたいのですが。あそこにいる優里ちゃんに逃げられてしまうのですが。俺は嫌われてるんでしょうか?」
俺はここに来てからお年寄りの代わりに子供たちと遊んでいたが。その子だけは俺から距離を置いていた。
「あぁ優里ちゃんか……あの子は渡辺さんの孫らしくてな。可哀想に……下校中に誘拐されて殺されたんだ……
それ以来大人の男の人が怖いらしく近づいて話すこともできない。せめて渡辺さんが隣にいてやれればよかったんだが……。」
渡辺さんがどうして山荘に居着かないのか聞こうとも思ったが。渡辺さんと鈴木さんに関わるなと言われたことを思い出し。聞くのを踏みとどまった。




