6 学園入学前_前編
私はセリウム。ニコル家でベリンダお嬢様の護衛を兼ねた執事をしている。お嬢様は、よく言えば令嬢らしいと言えるが正直に言うとわがままだ。
「....もういいわ。セリウム、お父様には今日も魔術の練習をさぼらずやっていたと言いなさいね?」
ほら、、。お嬢様はすぐに魔術の練習をやめようとする。学園の入学まであと少ししかないというのに。私は旦那様からお嬢様が学園で大変な思いをしないように支えてやれ、と言われている。
旦那様はお嬢様を溺愛していて甘すぎる部分がある。そしてそれは、屋敷の者全員に当てはまる。だから、私は厳しくするのだ。お嬢様の為にも。
「ダメです。私は旦那様に雇われているのでお嬢様の言葉でも聞けません。」
そういうとお嬢様はあからさまに嫌な顔をした。大方、生意気だとでも思っているのだろう。
「うるさいわね、、、!!こんな暑い日に外に出なくてはならないなんて最悪よ!それに、学園への入学まであと1週間もあるのよ?私は天才魔術師のベリンダ様よ!急ぐ必要なんてないのよ??1日くらい大丈夫なんだから!!」
お嬢様はそう言いながら屋敷の中に入っていった。私には、お嬢様がよくわからない。走って追いかけるべきだと思ったが追いかけると余計に苛立たせてしまうだけだと思った。だから、すぐには追いかけなかった。
屋敷に入ると使用人達が騒がしくて、慌ただしそうにしていた。なにやら、お嬢様が階段から落ちたらしい。私のせいなのではないだろうか?私が、お嬢様を一人で帰したから。お嬢様を怒らせたから。そう思うと胸がぐるぐるして落ち着かなかった。
「お嬢様、、、、お嬢様、、、」
気が付くとそう繰り返していた。
目が覚めたお嬢様はいつもとは違う雰囲気で、なにか考え事をしているようだった。それに、私の謝罪に対して「あなたのせいじゃない」と言ったのだ。その言葉はあたたかくて心に響いた。お嬢様を護ろうと誓った。苦だった学園への入学も少しだけ、楽しみになった。
そのあと、お嬢様が危険な目に遭う状況を許してしまったことを旦那様にひどく叱られたのは苦い思い出だ。
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私、ミリーはお嬢様の美しい髪の毛が大好きです。
いつもは縦に巻いている髪の毛をお風呂上りに櫛で梳くときの、真っすぐに下ろしている姿は憧れます。私は私の髪の毛が好きではありません。私の髪の毛は少しクセがあるので、お嬢様のようにはなれないのです。
「お嬢様のまっすぐで綺麗な金髪はほんと羨ましい限りです。」
いつもとは少し違う雰囲気だったからでしょうか。お嬢様に伝えることができました。
すると、お嬢様は嬉しそうに破顔されました。びっくりするぐらいに可愛くて、同性でありながら少し照れてしまったのです。
「ミリーーー!私もあなたのふわふわしているミルクティーみたいな髪の毛大好き!天使すぎるよ天使!!」
追い打ちをかけるようにお嬢様がそういうものだから顔から湯気が出るよう、という感覚を味わいました、、、。お嬢様に褒めてもらえたこの髪の毛も好きになれそうです。
今日は、お嬢様の髪の毛を巻かずに私が好きなようにしていいと言われていたので朝から張り切っています。実は昨夜から、お嬢様に似合う髪型を考えていました。お嬢様はなにでも似合いそうですが、ハーフアップにすることに決めました。だって、見てみたいんです、、、お嬢様のハーフアップが、、。
「、、、、清楚系美少女になってるんじゃない?さすがミリー、まさしく私が私じゃないみたい!!なあれよ!!!」
髪の毛を整え終わったら、お嬢様がそうおっしゃいました。すごく好評なようでうれしいです!何より、想像よりも似合っていました。
「ふっふっふ。今のお嬢様は世界で一番美しいでしょう。私はお嬢様に仕えることができて幸せです。」
少し、自慢げにそう言ってみたりします。実際に、お嬢様を自慢したいですし!!
「私もミリーがそばにいてくれてとても嬉しい!!!大好きよ!!」
!?!?!?!?お嬢様が、私を、大好き!?!?ああ、私は本当にお嬢様に仕えることができて幸せですね、、。
私、ミリーもお嬢様が大好きです。
思ったよりも長くなってしまいましたので、前編です。次回、お兄様視点です。
ミリーちゃんみたいな心の中でも敬語で話すキャラがイイ!!
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