6話 いざエルフの町へその1
女神ミラからガチャで職業が決まる世界に召喚された颯太は自分の職業ガチャを引きなんと勇者を引いてしまった。
それにより勇者になった颯太はナビゲーター兼サポート役のアセビと共に世界のクリアを目指すように言われたのであった。
最初のダンジョンのクリア報酬ガチャでなんとミラを引いた事で仲間になったミラ、アセビそして颯太は次の町ルーンタウンへ向かうことにした
今日はいつもより早く目が覚めた。
何故なら今日からエルフが住む町神秘の町に行くからだゲームの世界でよく登場するあのエルフがこの世界で会えるのは楽しみだ。
前にギルドでみたエルフは凄く美人だったので俺はワクワクしていた。
準備も終わり宿屋の外に出ると既にアセビが待っている。
アセビは俺に気付くと「おはようございます今日は早いですね」と言ってきたので今日はってなんだよと言葉を返した。
ミラはどうしたのかと聞いてみると、どうやらまだ寝ているらしい俺は起こしてきてくれと頼むとわかりましたと言いアセビは宿屋の中に戻って行った。
30分経っても2人が来なかったので俺はミラの部屋に向かった、ミラはともかくアセビは何しているんだと思いながらミラの部屋をノックした。
するとミラが眠そうな声で入って良いと言ったので部屋のドアを開けるとベッドに下着姿で座っているミラとその横で寝ているアセビがいた。
俺は勢いよくドアを閉め何で下着姿なんだよと聞くと普段から寝るときは下着だけらしい
解放感があって良いそうだ、確かに俺も夏場はパンツだけで寝るので気持ちはわかるがせめて服は着てくれと頼んだ。
服を着たミラはドアを開け朝早くからどうしたのと聞いてきたので今日は朝早くに出発するって言った筈だがと若干怒り口調で答えると「忘れてた~ごめんね~」と謝ってきた、ミラはアセビを起こして
「準備はもう出来てるから、じゃあ行こう」
そう言い俺達は宿屋を出て始まりの町を後にした
サートスから北に向かっている途中で大きな豚(魔豚)が現れた俺は剣を抜こうとしたがミラが前に出て来て「私に任せて」と自信満々に言ったので戦闘を任せることにした。
魔豚がミラに向かって突進してきたがミラは自身のスキル『防御ガチャ』を発動したすると上空からカプセルが落ちてきてミラが開けると、でかい盾が出てきた。
魔豚が「ドンッ!」と目の前に現れたでかい盾に突進するとバランスを崩したのか後ろに下がったその時に
「スキル攻撃ガチャ使用」
と言うとまたも上空からカプセルが落ちてきた、勝ちを確信したミラは誇らしげにカプセルを開けて出てきた物をつかんで
「これで終わりだーーーー!!」
魔豚に向かっておもいっきり振り抜いた
「スパンッ!」
出てきたのはなんとハリセンだった
「ちょっと何これ」
ミラがそう言うと魔豚が後ろ足で土を蹴り突進してミラは勢いよくぶっ飛ばされた。
「たーすーけーてーそーうーたー」
飛ばされながら叫ぶミラをアセビに追いかけてもらい俺は魔豚の目の前に立ち火炎剣を抜いた
息を荒立てながら向かってくる魔豚を躱しながら火炎剣で切りダメージを与えつつ近くの木まで誘導した。
俺は後ろに下がっていると木にぶつかった、それをみた魔豚はまた勢いよく突進してきたのでぶつかる寸前に躱したすると魔豚は牙が
木に刺さり抜けなくなっていた。
動けなくなった魔豚の首を火炎剣で一刀両断した瞬間「ぷぎゃぁぁー」と鳴き魔豚を倒す事に成功した。
暫くするとアセビとミラが戻って来た
「こ…怖かった…死ぬかと思った…」
泣いているミラをアセビは背中をさすって「大丈夫ですか?」と言っていた。
俺は勝ちを確信して油断したミラが悪いと言うと
「あんな物が出るなんて思ってなかったの」
ミラは頭を上げて説明した。
どうやらスキルガチャにはミラ本人ですら何が入っているか分からないらしい、今回はハズレを引いたようだ。
まぁガチャだから仕方ないかと思い、それ以上なにも言わず倒した魔豚をアセビのアイテムポーチの中に入れ俺達は先に進んだ
俺達は会話をしながら進んでいた。
「しかし最初に召喚された時はビックリしたよ」
「私もよ、まさかガチャで『勇者』を引き当てるなんて想像してなかったよ」
「もと居た世界に未練はあるけどこの世界に召喚されたおかげでアセビとも出会えたし悪いことばかりじゃなくて良かったよ感謝するよミラ」
「私もミラ様が颯太様と出会わせてくれて良かったです」
俺とアセビがミラに感謝しているとミラが照れていた。
「アセビは何でも出来そうなのに走るとすぐにバテるのは意外だったな~」
そう言うとアセビは慌てて
「そ、颯太様それは言わないでくださいミラ様に秘密にしているんですから」
顔を真っ赤にしながら俺に言ったがミラが横から
「へ~そうだったんだ~」
とニヤニヤしながらアセビの方を見ると
「私……走るの苦手なんです……足は遅いし、すぐにバテるし」
アセビはそう言いながら落ち込んだ。
「まぁ良いじゃないか、前にも言ったが誰にでも得意不得意があるし」
俺はそう言って慰めるとアセビは笑顔になり
「ありがとうございます颯太様」
と感謝された。
「ミラもあんまりからかったりするなよ」
「ごめんね、アセビ」
「もう大丈夫ですよミラ様」
「そういえば、颯太を召喚した2日後にもう一人召喚したんだけどその人もレア職業だったよ」
「へ~日本人か?」
「うん」
「名前は? どんな職業なんだ?」
「それは個人情報だから教えられないよ」
とミラは答えた一度あってみたいが何処にいるのか聞いても何処に召喚されるかランダムだから分からないそうだ
だが俺は、なんとなくその人に会える気がした。
そんな話をしながら進んでいると目の前に巨大な森が見えてきた
「森に入る前にもう暗くなってきたから今夜はこの周辺で野営しよう」
「わかったわ」
「ではテント等を出しますね」
野営の準備も終わり早速今日狩った魔豚の肉を丸焼きにしていた。
暫くすると肉が焼けたので早速食べることにした
「「「いただきます」」」
「うまい!!」
「このお肉凄くおいしいわね」
「魔豚の肉は高級食材ですから、それも大きいから美味しいですよ」
俺達は焚き火を囲みながら楽しい食事をしていた。
するとミラがアセビのアイテムポーチから酒を取り出して飲み始めた。
「颯太も飲む?」
「俺未成年だから、それよりいつ買ったんだ?」
「そうだったね、これは昨日の夜宿屋に行った後まだ飲み足りなかったから一人で酒場に戻って飲んだ帰りにだよ」
「お金はどうしたんだ?」
「近くに居たおじさんと飲みくらべをして勝ったから奢って貰った。」
最初から奢って貰うつもりだったなと思い神様がそんなことしても良いのかと聞くとお金が無かったから仕方ないじゃんと言い酒を飲んでいた。
「まぁいいか、ほどほどにしとけよ」
「分かってるって~」
ミラはそう言いながらも結構飲んでいた。
しばらく飲んでいたら、ミラが眠いと言ったのでテントで寝るように言うとふらふらしながらテントに入って行った。
俺もそろそろ寝ようとした時アセビが頬を赤らめながら俺を見ていた
「ん?どうしたんだ?」
俺がそう聞くとアセビは下を向いて暫く黙っ
ていたすると俺の手を握り俺の手を自分の胸に当てた。
俺は何が起こったのか理解するのに時間がかかった。
「アセビさん? 何をしてるんでしょうか?」
俺は思わず敬語で聞いた。
「わ、私の体を颯太様に捧げます」
そう言うとアセビは更に近づいて来た
俺が困っているとミラがテントから出てきた。
「何してんの~」
俺はアセビを抑えつつミラにこうなった説明をしたすると
「あ~私のコップに入ってたお酒また間違えて飲んじゃったか、今日の朝も大変だったのよ」
「また?もしかして今朝準備が遅れたのもそれが原因だったのか?」
「まぁね準備が終わる直前にアセビが部屋に来て私がアイテムポーチに荷物をいれてる時にコップに入ってるお酒を水と間違えて飲んで暫くすると私が着ていた服を脱がせたの
すぐに酔いが覚めるけど眠ってしまう蜆草を食べさせてなんとかなって良かったよ」
俺はアセビが寝ているのをミラのせいにしてしまっていたがミラはアセビを守るためにあの時、今起きたふりをしていたのか俺は「ごめん」と言ったがミラはなんの事かわからず首をかしげていた。
それより今はアセビだ、ミラが言っていた蜆草をポーチから取り出してアセビに
「これ食べてくれたら考えるから」
そう言うとアセビは俺から蜆草を受け取り
蜆草を頬張った、数秒後アセビは眠ったので
ミラと一緒にテントへ運んで毛布をかけた。
「おやすみ、また明日ね」
ミラもテントの中へ戻って行った。
焚き火の火を消し俺もテントへ入り寝ようとしたがさっきのアセビが頭から離れず、寝ることができなかった。