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魔導師としてがんばります!  作者: あまみ すすき
断罪パーティ編
4/14

0.4 気を取り直して

 サロンを堪能したルナは、自室に戻り、気を取り直してこれからの作戦を練ることにした。


 思いついた案はそこまで多くはなかった。(脳筋)

 

 一つ、大人しく断罪される。

 メリットは、正直言って思いつかない。

 デメリットは、どんな刑に処されるかが分からないということ。

 ここは人の手によって生み出された物語の世界であるため、現実的な刑に聞いしないほうがいいだろう。最悪、死刑だ。


 二つ、逃亡する。

 メリットは、運が良ければ国を出て国外で自由に過ごせるという点である。だが、運が悪ければ刑が重くなり、一つ目の作戦のデメリットに繋がる。

 デメリットは、指名手配される危険と、そもそも国外に出られるかということだ。

 断罪されることはほぼ確定であるため、罪人になることを仮定してのことだ。


 三つ、自身を高め、全ての事態に備える。

 正直、これが一番いいと思っている。

 メリットは、全ての事態に備えることができ、断罪以外の場でも役に立つこと。

 デメリットは、どこで鍛えるかということ。

騎士団の訓練場はいくら貴族でも安全のため入ることはできない。

 そのとき、ルナの頭に無謀な計画が浮かんだ。

 

 (あ、騎士団入ればいいんだ!)


 普通ならその考えも無謀としてすぐに取り消すのだろう。

 だが、断罪を前にしてルナの感覚は狂っていた。

 そして、ルナはそれを実行に移そうとまでする。

 ルナは現代っ子としてのメンタルは豆腐以下だったが、今は『ルナ』という悪役令嬢であるため、何故か強気になってしまった。

 というわけで、計画をまとめるとこうなる。


 『3の計画を採用。

     ↓

騎士団に入団し、己を鍛える

(貴族として入ることはできないし、女性も入れないので、変装する)

     ↓

  様々な場で役に立つ!!

(海外に飛ばされたときや、処刑されそうになった時)                』


 である。

 なんとも雑な作戦に、ルナの性格が出ていた。

 だが、それを実現可能だと、本気でルナは思っていた。それもルナらしいというか、なんというかだ。


 (さて、じゃあ明日、入団届け出しとこっと。)


 窓の外はすっかり夜だ。

 今日転生して、ここまで考えがつくのは凄いのではないかと、ルナは自賛する。

 だが、頭を使った(本人は一日中頭を使ったと思っているが、エステにいた時間が一番長い)ためか、今はとても眠い。

 仮の部屋だが、それでも十分な装飾の施された部屋に、庶民的なルナは慣れない。

 だが、ベッドに入った途端、ルナはそんなのどうでもいいと言わんばかりに、瞬間的に眠りについた。

 不幸が幸いか、今のルナの格好は素朴なドレスであるため、着心地もいい。ルナも気に入っていた。そのドレスが、悪役令嬢 ルナの特注した、最高級品であることを知らずに……。


 〜〜〜


 「ああ、嬉しい。まさかあの方のいる世界に転生できるだなんて。」


 彼女は歓喜に湧いていた。

 だが、それも当然のことなのかもしれない。

 何年間も焦がれ続けた存在に、やっと会えたのだ。


 彼女は、『あの人』のためならば、何にでもなる覚悟がある。

 たとえ、この物語の『悪役令嬢』に成り代わろうとも。

 処刑され、死してもなを―――――

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