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生贄王子様は夜更かし令嬢を見つめたい  作者: 宇和マチカ


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闇とは何ぞや

お読み頂き有難う御座います!


 水瓶プリンを作らせたの。

 本物の水瓶…より、少し小柄よ。ええ、本物を作りたかったのだけれどね。

 あのサイズの蒸しプリンはお鍋のサイズ的に無理だから、海藻から取った汁で固めているんですって。それを使うと放置しただけでプルプルに!

 お味は、少し堅めで甘苦いそう!朝には糖分を採らないとね!あー、今日も甘いものが幸せ!


「美味しそうだね」


 ……匙を入れる前に今日もお出でなすったわ。どうしたもんよ。


「食べる量増えてない?頭部を消すのにエネルギー使うのかな」

「ええ!?ま、まさか……」


 た、確かに……。

 最近は前よりもお肉を沢山食べたくもなるし、デザートも外せない……!!しかも、夜の方が調子良い気が!

 奮って美へ邁進していた頃とは大違いだわ……!!いや、あの邁進がいけなかったの!?

 顔が見えないから触ってみたけれど、お肉加減は……わ、分からないわ。今、流石にお腹を確認する訳にもいかないし。

 お風呂の際には、気になる部位から目を逸していた弊害が!!


「うう……何故、こんなことに!!」

「不可視化するのって、物理的に大変そうだしね」

「麩菓子化とは?」

「麩菓子とはまた、異国のお菓子に詳しいね。不可視化だよ。

 説明かぁ、うーん、君の透明顔をずっと保っちゃう事かな」


 難しい言い方を為さるわね……。

 と言うか透明顔って……。今、透明とかそういう単語が全然嬉しくないし、とっても嫌だわ。顔に出しても見えないからいいけれど。


「デュラハン属の生態を調べてたけど、イマイチこう、良いサンプルが足りないね。一応人里に降りては、夜な夜な殺戮を繰り返してたらしいけど」

「え、恐ろしいことを。それは、ゴロツキか野盗か通り魔じゃありませんの?」

「ジャンルが違うらしいんだよ」


 ……ええと、何が違うのかしら。

 頭が透けてようが無かろうが、罪なき人を襲うのは裁かれるべきよ。

 犯罪も犯罪よね?そんな領地にならず者が出たなら、即座にお縄に着くと思うし。


「闇を纏うらしいんだけど、何かある?」

「……や、闇?闇って……どういう風に纏いますの?」


 物語ではよく有るわよね。そもそも闇って着脱可能なのかしら。そもそも、そんな物どうやって用意するの?自動発生?


「そうだなぁ。民間伝承の文献では、黒くてモヤッとしたのを貼り付けて歩いてるらしいよ」


 それ、只単に煤か何かで汚れたまま歩いているだけではないのかしら。仕事で汚れるのは仕方無いけれど、人に会うなら身形を整えるべきよね。


 ……付いてないわよね?よし、汚れてなくて良かった。

 ああ、でも……黒いモヤかあ。最近曇りは多いけど、そういう話でもないわね。私には何の関係もないし。


「最近暖炉の煙突の掃除をサボってるせいか、夜に煤がモヤモヤ出てきますわね」

「そういうのじゃない。でも、煙突掃除のチラシが新聞に出てたな。初回1割引だとか」

「まあ!その商人、ご近所の方が騙されて煙突を壊されましたのよ」

「ご近所と仲良いんだね」


 そ、そんな素敵な笑顔で、微笑まれる事かしら。

 ドギマギして下を向いてしまうわ。見えないでしょうけど。


「瘴気は……チラホラ増してるかな」

「え、正気ですけれど」

「いや、あの蜂。君の影響なのか大きいのが増えてる」


 え、どういうこと?

 私は特に蜂の世話をしてる訳ではないのに。

 確かに……1匹2匹だった大きな蜂が……ふ、増えてる?


「……強そうだよね」

「そ、そうですわね」


 もし、蜂を操れれば……攪乱くらいは楽勝で、戦力にはなりそうよね。

 滅茶苦茶フリーに動き回ってるから、無理でしょうけど。あ、頭に止まった。フカッとするわね。


「ズゴ……」

「まあ、ドクロノウエ」


 最近ドクロノウエも何だかよく寄ってくるし。……羽が心なしか黒い気がしてきたわね。イヤね、煙突に突っ込んだのかしら。


「ぶは!凄いネーミングセンスだね……。付けた人、イキってるの?」

「ちょ、い、イキって……は。ま、まあ。少し……黒尽くめの派手好き風では、あ、有りますわね……」


 辺境伯様がイキリ……。ま、まあそうかなぁ。ハルバードに髑髏ストラップ(学生時代の王都土産)を未だに付けておられるし……。取れそうだから代わりを買ってこいってこの前のお手紙に有ったわね。

 因みに、此方の状況を慰めたのが一行だったわ。


「あははは!君の領地は楽しそう!」

「ま、まあ……田舎で国境で小競り合いも多いですが、人は良いですわね」


 脳筋だし人の言うことを直ぐ忘れる人が多いけど、親切でおおらかな気性の……私の故郷。

 褒めて頂けると、嬉しいわ。


「いいなあ。…………てくれないかな」

「え?」

「ううん、何でも無い」


 偶に、昏い目をされるのよね。仲良くなってきたとは思うのだけれど……。

 結局顔は透明なままで、もう1ヶ月。領地では何か手を打ってるのか打ってないのか微妙な感じで1ヶ月。

 ジョエル様も有益なお話をしてくださるけど、解決しなくて……1ヶ月。


 1ヶ月も経つのに!!

 私の顔が元に戻る日は、来なかった。

 どうしたらいいのかしら。



辺境伯様の纏める家来衆は、総領を筆頭に脳筋で中二病な殿方多めで御座います。

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