アクスの修行
翌日、応接間でギルド長であるライズの前に座るエリスとアクス。
ライズは一口飲んだカップを置き、口を開く。
「それでエリス、どうして彼がいるんだ?俺は彼の肩に乗っているスキッドウルフを連れて来いと言ったはずだぞ?」
「まぁまぁ、待ってもらうのも悪いし良いじゃない」
と笑いながら返すエリス。
「あっ、それならスカイは置いていくんで俺は受付の近くで待ってます」
スカイをソファに下ろし立ち上がるアクスの手をエリスは掴む。
「アクス、大丈夫だから座って」
「い、いやでも」
とライズを見ると、ライズは溜息を吐く。
「悪い。俺の言い方が悪かった。アクス、そこに居てくれてかまわない」
その言葉にアクスはおずおずと座る。
「そんな縮こまらなくてもいい。メイズの件もあって、お前にも話を聞きたいと思っていた所だ」
「メイズさんの?」
「あぁ、昨日突然ギルドに戻って来たと思ったら、今までの非礼をその場にいる全員に詫びだしてな。その後にエリスがスキッドウルフを倒したとも言っていた。その真偽を確かめるためにお前達には念のために個別で話を聞こうと思っていたんだ」
「エリスが三頭のうち二頭倒したのは本当です。その二頭はエリスの空間収納に入れているので証明は出来ると思います。その残る一頭がこのスカイです。スカイは自ら使い魔契約を結ぼうと提案してきました」
それを聞いてライズは背もたれにもたれる。
「メイズの話しと一致するが、魔物が自ら使い魔契約を結ぼうとするって言うのは俄かには信じがたいが」
エリスを見ると、間違いないと言わんがばかりに力強く頷く。
それを見たライズは口元を微かに緩め、菓子が入った器を前に少し動かす。
「分かった、情報感謝する。良かったら茶菓子でも食ってくれ、ここのは美味いぞ」
と勧められ、アクスは一口食べると硬かった表情が少し和らぐ。
「・・・美味しいです。ん?スカイも食べたいのか?」
スカイはアクスの表情を見て自分も欲しくなったのか、息を荒げ袖を引っ張り催促する。
アクスから貰った茶菓子を食べたスカイは尻尾を振り、もっと寄越せとばかりに袖を引っ張るが、エリスの冷たい目線に気付いたスカイは意気消沈しアクスの膝に乗り丸くなる。
「スカイ、勝手に膝に乗っちゃダメでしょ、すぐに下りなさい」
だがスカイは聞く耳持たぬと反応がない。
「まぁまぁエリス、膝ぐらい別にいいよ。すみませんギルド長、もう一つお菓子を頂いてもいいですか?」
「あぁ、好きなだけ食ってくれ」
「ありがとうございます。ほら、スカイお菓子だぞ」
その言葉にスカイの耳はピンと立ち、顔を上げ目の前の菓子に齧り付く。
「あはは、美味しいよなこのお菓子」
とスカイの頭を撫でるアクスだが、それを見ていたエリスはスカイを自分の膝に乗せる。
「甘やかさなくても良いの。自分の食べる分は自分で調達するんでしょ?」
その言葉にスカイはクゥンと鳴き、諦めたように大人しく座る。
「おじ様が知りたいのは、この仔が本当にスキッドウルフなのかでしょ?それならこの仔に聞くと良いわ、契約してから何故か話せるようになったしね」
「エリス、それは言わない方が」
「良いの、おじ様は信用出来る人だから」
ライズは驚き、エリスとスカイを交互に見る。
「・・・本当に話せるのか?使い魔契約したからと言って話せるなんて聞いた事もないぞ」
「本当よ、ね?」
腕の中でスカイはエリスを見上げる。
「話しても良いわよ」
スカイは面倒くさそうに溜息を吐く。
「やれやれ、人間。一体何が聞きたいのだ?」
ライズは驚き目を見開き、前のめりになる。
「ほ、本当に喋った・・・・」
アクスは昨日の自分を見ているみたいで、その気持ちに同意するように頷く。
「聞きたいことが無いのなら、小僧。その菓子を食わせろ」
とアクスを見るが、すぐさま両手で顔を掴まれライズの方へと向けられる。
「ちゃんと聞きたい事はあるの、お菓子はその後よ」
「分かりました主。人間、早く質問しろ」
「こらっ、昨日も言ったでしょ?そんな言い方しちゃダメ、人間って呼べば私にも当てはまるのよ?アクスにもそうだけど、ちゃんと名前で呼びなさい」
スカイはエリスを見上げる。
「ですが主、私はそもそも取るに足らぬものに興味がありません。それに小僧だって、ちゃんと[小僧]と区別しているではないですか」
「俺は小僧でも気にしないぞ」
「俺もだ。恐らく、スカイは俺より長く生きているだろうしな」
「ほう。人間のくせにそれが分かるとは中々やるではないか」
エリスの腕に顎を置きながら、感心したように話すスカイ。
「魔物の寿命は人よりも長いのが結構いるからな。それに、人語を話せるだけの知能があるんだ、俺より若いわけがない」
「名前は二人がそれでいいなら、良いわ。それよりスカイ、あなた何年生きているの?」
名前を呼ばせる事を諦め溜息を吐いたエリスはそう問う。
「少なくとも二千年は生きています」
「二千年!?」
三人は驚き、声を上げる。
「スキッドウルフの寿命は長くても二百年ぐらいと聞いたことがあるが、お前は本当にスキッドウルフか?」
「・・・・・・」
その言葉には答えずジッとライズの目を見るスカイ。その目は答えるつもりは無いと言っているようだった。
「・・・まぁいい。本題に入ろう、質問は二つ。何故、お前ほど長く生きたスキッドウルフが人を襲う?もう一つは、戦うでも逃げるでもなく何故自らエリスの使い魔になった?」
「何かと思えばそんな事か。私が連れていた二頭は、私が手ずから鍛え、修行のために奴らが強いと思う魔物や人間と戦った。
使い魔になったのは、暇つぶしに行っていたそれとは別に私は自分よりも強き者を探していた。それが主だ。強き者に従うのは当然の事だろう?」
嘘を言っているようには感じないが何かが引っ掛かるな。
ライズはその何かが分からないが、一つの疑問を口にする。
「・・・何故強き者を探す?」
「今は答えられない」
「スカイ、ちゃんと答えなさい」
スカイは真剣な眼差しでエリスを見上げる。
「主、命令でも今は言えませぬ」
「・・・分かった。ならそれでいい」
「おじ様!?」
ライズは口元を僅かに緩めエリスを見る。
「今はと言っているんだ。時が来れば教えてくれるだろうさ。それより、結構自由に動いているが、お前が人を襲う事は無いよな?」
「そんなつまらん事をするのは主の命令か、主が死んだ後に気が向いた時だな。話しは終わりか?」
後半、サラっと恐ろしい事を言ったなと思ったが、それを口にはしなかった。
「あぁ、終わりだ。ありがとう」
あくまでも[今は]大丈夫って事か。
油断は出来ないなと思いながら、ソファに凭れ短く息を吐く。
「私が死んだ後もダメよ」
「どちらかが死ねば契約はその時点で解消されます。なので口約束しか出来ませんな。
それより小僧。話しは終わりみたいだ、疾く菓子を寄越せ」
はいはい、とアクスはお菓子を取りスカイの口に運ぶ。
「もう。この仔ったら食い意地が汚いんだから」
と呆れるエリス。
「テーブルの上に乗って直接食べないから、理性的ではあるよ」
微笑みながらスカイの頭を撫でるアクス。
「小僧、分かっているではないか。よし、特別に今日からの特訓は私が指導してやろう」
「何言っているの。あなたは武器を使わないから教える事は出来ないでしょ?」
スカイはエリスを見上げ、ニヤッと笑う。
「主、私の実力を知ればその認識も変わりますぞ。
小僧、何をしておる手が止まっているぞ」
はいはい、と再びお菓子を口に運ぶアクス。
「ちょっとは遠慮しなさいよ」
「いやです」
「まぁまぁ、エリス。怒らないで、ほらこのお菓子美味しいぞ」
とアクスはエリスにお菓子を食べさせる。
「確かにおいしい・・・ね」
と頬を染め、下を向くエリス。
「おや?頬を染めて照れているのですか?」
「照れてないわよ!」
楽しそうにはしゃぐエリス達を見て、ライズは嬉しそうに微笑む。
今まで同年代の子さえ、お前の力に嫉妬や恐怖の感情から対等に扱われることは無かったが、初めて対等に接してくれる仲間を得たんだな。そんなに楽しそうに笑うお前を見るのは久々だ。
ライズは自身の感情ごと味わうように紅茶を一口飲む。
「よし小僧、とりあえずあの雑魚と戦え」
アクスの肩に乗ったまま前足で指した方向には、一匹のスライムがいた。
「スライム?俺は魔法が使えないぞ?」
スライムの体は弾力のある液体で出来ていて、倒すには中にある核を破壊すればいいのだがその体は物理耐性が強く、倒すには相当な力が必要なため基本的には耐性の無い魔法で倒すのが主流だった。
「魔法?何を寝ぼけた事を言っておる、あの程度の雑魚には必要ない。早く行け」
前足で頭を叩かれながら、分かったよ。と剣を抜き、駆け寄り核に向かい真っすぐに剣を振り下ろす。
「ぐぐ・・うわぁ!っとと。やっぱり物理じゃきついな」
アクスの剣はスライムの体を凹ませるだけで、結局は弾力性に押し戻され数歩後退する事になる。
「剣筋はまぁまぁだが、非力すぎる。情けない奴め。ほれ、怒って攻撃を仕掛けようとしているぞ」
先程とは違い、核は激しく動き回りじりじりと距離を詰め、射程距離に入った瞬間体を伸ばしアクスを襲う。アクスはその攻撃を剣で受けようと構えるが、同時にスカイが叫ぶ。
「小僧!受けるな、避けろ!」
「わかっうわっ!」
咄嗟に飛び避けるも、スライムの体はアクスの左足を捕らえる。
倒れるアクスの肩から飛び降り、その前に立つスカイ。
「小僧、捕らえられたぞ?ここからどうする?」
「くそぉぉぉ!」
アクスは上体を起こしゆっくりと這い上がって来るスライムを見据え、剣を握り直し核に目掛けて突くが体の形が変わるだけでまたも阻まれてしまう。
スライムの体はまるで沼の様に抵抗があり、藻掻いた足は疲労から重くなっていく。
アクスの膂力ではスライムごと歩いたり、足を蹴り上げた衝撃で吹き飛ばす事は出来なかった。
幾度も攻撃が阻まれ続け、とうとうスライムはアクスの腹にまで上って来た。
「ふむ。こんなものか」
とスカイはスライムの横に立ち、爪で横薙ぐとスライムの体は核ごと切り裂かれドロッと粘性のある液体に変わる。
「小僧、この体を瓶にでも詰めておけ。討伐証明になるだろう」
「わ、分かった。」
そう言い、先程買った鞄から瓶を取り出しスライムの体を入れていく。
「お疲れ様、怪我はない?」
鞄を持って来てくれたエリスはそう言い、隣にしゃがむ。
「怪我はないけど、覆われていた下半身が特にべたついて気持ち悪いかな」
エリスはアクスの下半身に視線を移すと、これぐらいなら大丈夫だろうとスライムの付いた箇所に手を翳す。
「動かないでね」
見る見るうちに魔法で蒸発させていくエリスは、数分後全てのスライムを蒸発させられた。
「おぉ!べたつきが無くなった!ありがとうエリス」
それなら良かった、とエリスはアクスと共に立ち上がる。
「スカイもありがとう、助かったよ。それにしてもかるく振ったように見えたのに凄まじい威力だったな」
そう言いスカイを肩に乗せる。
「ふん。あんな雑魚には軽めで十分だ。だがまぁ、お前が追い詰められてからの行動は見させてもらった。次に行くぞ」
「まさか今の戦いは俺が倒せないのが分かった上で、追い詰められた時の行動が見たかったのか?」
「いざという時に腑抜けでは相手次第で死ぬからな」
と鼻で笑い、それにと言葉を繋ぐ。
「お前が死ねば主が悲しむし私の指導が悪いと言われかねんからな」
ありがとう、とアクスはスカイの頭を撫で歩き出す。
「次はアレだ」
とスカイが指す方向には一頭の犬がいた。その体はまるで石像が動いているかのように、無機質な見た目だが歩く姿はしなやかでアクスのよく知る犬と変わらなかった。
「アレってCランクのロックドッグじゃないか。俺のランクは最低のDだぞ。同じランクのスライムも倒せなかったのにあんなの・・・まさか、また追い詰める気か?」
その言葉にスカイはやれやれといった表情を浮かべる。
「いいか小僧。ランクなんてものは貴様ら人間が勝手に付けた物だろう?さっきのは単にお前との相性が悪かっただけだ。野生ではランクよりも力が全て。要は最後に生き残ればいいのだ。それに、追い詰めるのは一回で十分だ」
そう言い、スカイは地面に降り立ち前を見るとロックドッグは殺意を剥き出しにして歩み寄っていた。
「来るぞ小僧。私と主には結界を張るから心置きなく戦え。先ずは攻撃を避けざまに一太刀を入れてみろ」
「分かった」
スカイはエリスの下に駆け寄り、防御結界を展開しアクスは剣を構える。
思っていたよりも大きいな。
大型犬ほどの大きさだと思っていたアクスは実物を見てそう思い、思わず剣を握る手に力が入る。
ロックドッグの頭はアクスの胸程の高さにあり、それがこれから自分に襲い掛かって来る事に僅かな恐怖心が脳裏を過ぎる。
ロックドッグは射程圏内に入ったと同時に、走り出し鋭く尖った牙を振り下ろす。
アクスは一度深呼吸し、眼前に迫るその攻撃を避けその胴体に剣を振り下ろす。だが、剣はギンっと鈍い音と共に弾かれる。
踏み込みが浅かったのもあるけど、皮膚が岩の様な硬さを持つと言われるだけの事はあるな。
「小僧!油断するな!」
ロックドッグは着地と同時に、体を反転させ再びアクスに襲い掛かる。
スカイの言葉よりも数瞬早かったのもあり、反応が僅かに遅れたアクスは避けられないと判断し咄嗟に腕を出す事で首元を守る。
「ぐあぁぁぁ」
何とか致命傷を避けたアクスだったが、衝撃で倒れ上に乗られた状態になりその腕には徐々に牙がめり込んでいく。
自身の血とロックドッグの涎が顔を点々と濡らしながら、剣を握りしめロックドッグの腹を突き刺す。
「ギャン!」
ロックドッグは声を上げ、距離を取る。その口元からは赤い液体がだらりと糸を引きながら垂れていた。
アクスは切っ先だけが赤く染まった剣を握り、無傷な右手で構える。
これだけしか入らなかったのに痛みで距離を取ったって事は、お前も俺と同じで戦い慣れていないんだな。
「アクス、今治すからっ」
治癒魔法をかけようと杖をアクスに向けるエリス。
「主、気持ちは分かりますが、今手を貸すと小僧はずっと成長出来ません。堪えてくだされ」
「・・・そうね。ありがとう止めてくれて」
杖を下ろし、ギリギリまで助けぬようにと見守るエリスとスカイ。
あぁ、その通りだ。ありがとうスカイ。
向かい合ったまま機を伺うように睨み合う両者。
片やその体の硬さから今まで攻撃を受けても傷一つ負う事が無かった獣。
片や今まで受けた事のない程の傷が痛さと熱さを訴え、それでも集中を切らさぬように構えるアクス。
獣はかすり傷程度の怪我に既に血が止まっているとは言え、初めて痛みと恐怖を感じているが勝機を逃さぬように相手の出方を警戒していた。
逃げ出したい気持ちもあるが、相手の方が大きな怪我を負っているため勝てる見込みが高いと判断したからである。
ロックドッグが逃げないのは偏に、退治する人間の後ろにいる者たち見ているだけだからである。
本来ならば逃げる所ではあるが、このロックドッグはそれを察知するには経験が圧倒的に足りなかった。総合的にアクスとほぼ互角と言えた。
ロックドッグは敵の腹を食い千切ろうと襲い掛かる。
アクスは捕食者の牙を避けようとするが、腕の痛みに動きが鈍り攻撃は脇腹を掠める。
避けられたロックドッグは再び襲いかかろうとするが、それを読んでいたアクスの蹴りがカウンターになり顔面を蹴り飛ばす。
「ギャン!」
仰向けに倒れたロックドッグの腹をアクスは起き上がれぬように素早く踏みつけ、その首に剣を突き立てる。藻掻くロックドッグの体を逃がさぬ様に足に力を入れ、切っ先だけが刺さった剣を更に突き入れようと両腕に力を籠め、全体重を掛けていく。
左腕からは血が溢れ出し、肘を伝いロックドッグの胸元を赤く染めていく。
鬼気迫る敵の姿に、ロックドッグは命の危険を感じ恐怖で更に暴れる。
「小僧、逃がすなよ・・・」
ジッと戦いを見つめそう呟くスカイと、祈るように手を合わせ助けに行きたいのを我慢しながら見守るエリス。
アクスは冒険者になりたての頃、早く両親を助けたい一心でDランクの狼型の魔物と戦った事がある。
結果としては何とか逃げ延びたが、全治三週間のけがを負ってしまう。
逆に両親に心配と負担をかけてしまった事を悔やんだアクスはそれ以来、怪我を負わないように少しでも危険を感じたら逃げるようになっていた。
アクスが魔物と戦えなかったのは過去の魔王軍の侵攻によるトラウマもあるが、一番の理由は怪我をしてはいけないと自分の行動を制限してしまっている事だった。
だが、今は怪我の事を考えず全力で戦える。アクスはそれが嬉しくもあり、実戦がアクスを強くしていた。
死への恐怖から逃げようとする者と、立ち向かおうとする者。両者の決着を付けたのはその差だった。
ズブっと切っ先が皮膚を破った感触がしたと同時に、剣はそのまま肉を貫き途中で硬い物に当たったが、アクスは無我夢中でそれを貫き剣は地面に突き刺さる。
同時にロックドッグの動きも止まった。アクスの勝利である。
「やっ・・・た・・・」
アクスは倒した事に安堵し、その場に倒れ込む。
「アクスっ!」
エリスは駆け寄り治癒魔法をかける。アクスの体は左腕のつま先が紫に変色しており、穴からは少しずつ血が流れていた。
エリスは腕を治すと、体を見る。特に押さえつけていた右足はひっかき傷でズタズタになっていた。
「主、小僧は?」
少し遅れてやって来たスカイの問いに、エリスは治癒魔法を施しながら答える。
「大丈夫、血が出過ぎたのと力を使い果たしただけみたい」
そうですか、と安堵の表情を浮かべスカイは座る。
アクスの表情は初めて魔物を倒した達成感に満ちていた。