蝋燭
蝋燭の残穢が
ゆらゆらと闇の中
蝋が溶けない
闇は灯らない
溶けない蝋燭が
闇の中に
存在だけを示している
一寸先は闇
違う、何処にいても闇
人間という名の水平線
有限だけを求めている
蝋燭の名は有限
またの名を気休め
それとも言い訳
ゆらゆらと
四季に逃げ
右向け右で
また次の蝋燭へ
太陽だと気づかない人
太陽になれない人
太陽なんてと嘯く人
太陽の名は永遠
またの名を有限
あるいは勇気
それか狂気
闇の中を存在が蠢いていく
何処までも流離う
涙を払う