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プロローグ

初投稿作品です!

不定期更新となりますがノリとテンションで乗り切る所存なので楽しんで頂ければと思います<(_ _)>


宜しくお願いします!!


ごきげんよう、皆様。

なんていう仰々しい挨拶をしましたが

古市(ふるいち) (みやび)18歳、男子!

現在は、10歳のシュテーリア・エアリステ侯爵令嬢として2度目の人生を過ごしております。

そう…令息ではなく令嬢です。


現在得た記憶を遡ること3年前、シュテーリア7歳の誕生日に事故は起こった。

聖殿での洗礼式を終え、両親と2つ上の兄と1つ下の弟、そして侯爵家に仕える従者達が祝いの席を用意していた時のことだ…

側仕えのミリアムに御粧しをして貰い、ご機嫌そうに大階段を降りている時に、深窓の令嬢とも言えるシュテーリアが落ちたのだ。

大階段の1歩目から。スカートの裾を踏んで……。

まさに殺陣をこなし舞台から転げ落ちる役者の如く、凄まじい転げ落ち方だったようで…

御貴族様の淑女に有るまじきダイナミックな落ち方だった。


そこでシュテーリアの記憶が一旦途切れ、《俺》が目を覚ましたのは、その事故から7日が過ぎようとした頃だ。

目を覚ました俺の前には栗毛を器用に編み込んだ可愛らしい少女と絶句するレベルの黒髪碧眼の美女がいた……が、その時の俺は、その美女が母親だと理解できていなかったし、栗毛の少女がミリアムだということも分からなかった。


(めっちゃ美女に囲まれてる……!)


それが、俺の声にならない第一声だった。

まさにその時、俺の脳内は大混乱を極めていて

雅として生きた記憶の方が強く残り、シュテーリアとしての記憶がすっ飛んでいた。

見たことの無い場所、見たことの無い人……

多少の恐怖感に苛まれはしたが、幸いにも目の前にいる麗しい女性と愛らしい少女が寸劇並の怒涛の心配をしてくれたことで特に害はないのだと分かり安心した。


シュテーリアの前世…雅は役者を目指していたこともあり他の誰かを演じるということには慣れていた。

最後の記憶は、雪国にある実家の階段から落ちる光景だ。なんとも恥ずかしいことこの上ない。


とりあえず……と、まずは自分の役どころを知ろうと思い2人の言葉に耳を傾けることにした。


「お嬢様!」

「リア!まさかお誕生日にあんなことになるなんて…」

「私がお嬢様を着飾り過ぎたのが悪かったのです…申し訳ございません。申し訳ございませんお嬢様…」

「ミリアムのせいではないわ。階段から落ちるだなんてレディとして恥ずかしいことなのよ、リア…またレッスンをしなくては……」


そう涙ながらに話される2人の言葉から俺の本体であるらしいシュテーリアは、レディという言葉から察するに随分良いところのお嬢様で、誕生日にミリアムという侍女の手によって着飾り階段から落下した……という所までを理解した。

まさかの自然的な性転換である。

しかも、母親に撫でられている手を見たところ、かなり幼い。

階段から落ちて死に、階段から落ちて記憶を思い出す、というのが現状か。


(年齢的にこっちが母親で、こっちは呼び方的に侍女か?)


などと冷静に判断し笑顔を作れば、麗しい黒髪の女性は俺の頬に手を伸ばし……その胸に抱き締めた。


(デカい!何がとは言わないけどデカいし、柔い!!雅の時には無かったラッキーなやつ!!!!)


歓喜に湧く感情を抑え、幼女を演じることに専念する。


「お母様…ごめんなさい」


あくまで幼女らしく、令嬢らしく、可愛らしい上目遣いをしたところで精悍な面立ちの男性が忙しなく入室してくる。


「痛むところは無いのか?リア…私の妖精姫……」


そう言って男性は険しい表情を緩め、巨乳美女ごと《俺》を抱き締めた。

いや、正確にはシュテーリアを抱き締めたのだ。


(おっさんに抱き締められて喜ぶ趣味はねーんだけどな)


などと思ってる間に次々と人が増えていき……

兄と弟と思われる2人まで俺に抱きついてくる始末。


「く、苦しい……」


その言葉に家族は一斉に離れ、これでもかという程に心配をしてくれた。


(あぁ、シュテーリアは一人娘で余程愛されて育ったんだな……これは、ちゃんと演じてやらないと家族が可哀想なことに……)


そう思い、その瞬間から侯爵令嬢を完璧に演じ続ける決意をした。



次回更新予定日時は5月1日0時となります。

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