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第5話 初めてのショッピング

 俺は、武器屋のドアを開けて店の中に入った。カウンターには、ムスッとしたひげ面の店主と思われるオヤジが立っている。ジロリと俺の方をにらみつけたかと思ったら。


「おッ! いらっしゃい! 兄ちゃん。冒険者だな?」


 オヤジはニコっと笑って、意外にも気さくに話しかけてきた。俺はホッと胸を撫で下ろす。安心したところで、俺は店主のオヤジに尋ねた。


「あ、あの。一番安いムチを探してるんだけど……」


「ムチかい? ちょっと待ってな!」


 オヤジはそう答えると店の奥に入っていった。そして、すぐに戻って来る。手には革製のムチを持っていた。


「一番安いムチはこれだな。『革のムチ』だ。初心者にも扱いやすいお手軽なムチだ。お値段は120GPだぜ」


「120GPか…… 足りないな」


 そう、俺の所持金は100GPしかない。20GP足りない。あきらめようと思ったその時。


「待ちな! 兄ちゃん! 特別サービスだ! 定価120GPのこのムチだが、特別に100GPで売ってやるよ! どうだい?」


「えッ!? マジで!?」


 値引きとか、そんなシステムがあるとは思わなかった。俺は驚いて声を出す。100GPなら丁度買える。


「よし! じゃあ、買うよ!」


「そうこなっくちゃ! 毎度あり!」


 俺が、革のムチを購入した瞬間。「ピコーン!」と音がして、メニューパネルが勝手に開いた。


『新しいスキル【価格交渉】を覚えました』


 そう表示されている。俺は首を傾げる。確かに値引きをしてもらったが、交渉というほどの事は何もしていない。


「まっ、いいか……」


 俺は、革のムチを持って武器屋を後にした。


「よし。次は、街の外に出てモンスターと戦ってみよう!」


 所持金も無くなったところだし、まずは腕試しだ。街の周辺にいる適当な雑魚モンスターと戦ってみることにした。俺は、メインストリートを真っすぐ歩いて街の出口に向かった。


「おお。綺麗な景色だな…… テンション上がるぜ!」


 街の外に出ると牧歌的な風景が広がっていた。天気は快晴。どこまでも広がる青い空と緑の草原。とりあえず道を歩いてモンスターに遭遇するのを待つことにする。


 街を出て、5分ぐらい歩くと……


「ワオーン!!」


 遠吠えのような咆哮とともに、1匹のオオカミが俺の前に現れた。メニューパネルが薄く表示されて、モンスターの名前が表示される。


『はぐれオオカミ』


 名前のとおり、ただのオオカミだ。こいつが、最初の雑魚モンスターなのだろう。俺はドキドキしながら戦闘態勢に入った。



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