第48話 工房に行こう
俺たちは、ワープして街に帰って来た。ちなみに転移先は、街の広場である。到着すると、メルティーが俺たちに話す。
「ごめんなさい。ボクは塾があるから、今日はもうログアウトするよ」
メルティーは、現役の小学生だ。塾に学校にと、ニートの俺より忙しそうだ。
「お兄さん! カタリナさん! 今日は、すっごく楽しかったよ! また一緒に遊んでね!」
「はい! メルティーさん。もちろんです!」
メルティーとカタリナは、すっかり仲良しになった。メルティーは、手を振りながら光の粒子となって消えていく。カタリナも名残惜しそうに手を振って見送った。
「行っちゃいましたね…… メルティーさん」
「ああ。まあ、すぐにまた会えるさ」
カタリナは、少し寂しそうだ。しかし、メルティーとはフレンド登録もしておいたので、そのうち会えるだろう。俺は、カタリナの肩をたたく。
「それより、今日手に入れたアーマーフィッシュの鱗で『フィッシュアーマー』でも作りに行こうか」
「そうですね。行きましょう! ハル」
カタリナは、俺を見て微笑んだ。
それから、俺たちは街のメインストリートを歩く。メルティーに教えてもらった『工房』を探していた。しばらく歩くと、ハンマーのマークの看板を掲げたそれっぽい店を見つけた。さっそく中に入る。
「よお! いらっしゃい」
筋肉ムキムキのたくましいオヤジが、俺たちに声をかけた。普通の武器屋とは、少し雰囲気が違う。店の中には、何人か他のプレイヤーもいた。
「何だ? 兄ちゃんたち。工房に来るのは初めてか?」
俺がキョロキョロしていると、店のオヤジが側にやって来た。俺は、素直に答える。
「あ、ああ。初めてだ」
「そうかい。ここは普通の店とは違って、素材となるアイテムを用意する必要がある。それを職人が加工して新たなアイテムを作るんだ。あと、場所だけで借りて自分で素材を加工することもできるぜ」
なるほど。しかし、俺には素材を加工するスキルなんて持っていない。俺は、自分が持っている素材アイテムをオヤジに見せた。
「この素材を加工してもらいたいんだが……」
「ほう。アーマーフィッシュの鱗か。それなら、『フィッシュアーマー』か『魚鱗の盾』が作れるぜ」
俺は、バーサーカーなので盾を使うのは得意じゃない。
「それじゃあ、フィッシュアーマーを作ってくれないか?」
「あいよ! 加工する手数料として、500GPいただくぜ!」
俺は、素材アイテムと代金を店のオヤジに渡した。『恐竜のタマゴ』を売ったお金があるので、まだ資金には余裕がある。
「それじゃあ、そこでちょっと待っててくれ! すぐに作るからよ」
オヤジは、俺から受け取った素材を持って作業場に移動した。そして、フィッシュアーマーの制作に取り掛かる。俺とカタリナは、ボーッとそれを眺めていた。その時。
「ねえ! あなたたち!」
突然、後ろから声をかけられた。振り向くと、魔術師っぽいローブを着た女性が立っている。きれいなお姉さんだ。
「急に声をかけてごめんなさい。私の名前は、ミランダ。レベル6の魔術師よ」
お姉さんは自己紹介した。初めて見る魔術師プレイヤーだ。
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