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第47話 力の代償

 今まで使っていたムチと違って、斧はリーチが短い。ウッドゴーレムの方が、先に攻撃を仕掛けてくる。振り上げた巨大な棍棒を俺めがけて振り下ろした。


 ズドーンッ!!


 辺りに轟音が響き渡り、地面が揺れた。巨大な棍棒が地面にめり込んでいる。間一髪、俺は横に飛んでその攻撃を避けていた。


「おっと…… 危なかった!」


 今の俺は、スキル『バーサクパワー』の効果で防御力が低くなっている。元々、ステータスは全て『愛』に極振りしているため、ただでさえ低い防御力がさらに低くなっているのだ。いわゆる紙装甲ってやつだ。一撃でもまともに喰らえば、死ぬかもしれない。


「よし。今度は、こっちの番だぜ!」


 再び棍棒を振り上げようとするウッドゴーレムに向かって突撃する。俺は、両手持ちしたゴールデンアクスを思いっきり振った。


 パッカーンッ!!


 まるで、静かな山で木こりが木を切るような音。薪を割るような小気味良い音が響いた。ウッドゴーレムの巨大な体が後ろに吹き飛んだ。


「手ごたえあり! どうだッ!?」


 ウッドゴーレムは、地面に倒れたまま光の粒子となって消えていく。一撃で勝負はついた。俺の勝ちだ!


「すごいよ! お兄さん! ウッドゴーレムを一撃で倒すなんて!」


 後ろでメルティーが歓声を上げた。カタリナでさえ一撃では倒せなかった。そのウッドゴーレムを一撃で仕留めた破壊力。愛の力は絶大である。


「お見事です。ハル!」


 カタリナがそばに寄ってくる。褒めてくれたが、やや心配そうな顔をしている。


「確かに、攻撃力はすごい威力ですが……」


「ああ。分かってる。問題は、防御の方だな」


 俺は、カタリナの不安そうな声に答えた。彼女の危惧していることは分かっている。確かに、一撃で敵を粉砕したが。今の勝負、実は際どい内容だった。


 今まで使用していたムチだと、リーチが長いため先制攻撃をすることができた。また、スキル『電撃ムチ』の効果によりスタンさせて、相手の反撃を封じる事ができた。安全に勝つことができたのだ。


 しかし、今回のように斧を使用した場合。リーチも短いし、俺のステータス『敏捷』が低いために相手に先制攻撃を許す結果となる。さらに、スキル『バーサクパワー』の効果で防御力も落ちている。攻撃が当たれば一撃で倒せるが、代わりに攻撃を受ければ一撃で倒されるのだ。


 そのような紙一重の戦い方は、カタリナの望むところではないのだろう。


「安心しろ。俺には、スキル『二刀流』もある。とりあえず、戦いの幅が広がったと思えばいい。次は、気をつけるよ。カタリナ」


「分かってくれたなら、いいんです……」


 そう言うとカタリナは小さく微笑んだ。危険を伴う圧倒的な攻撃力。この使いどころは、よく考えないといけない。


 それから、俺たちは再び森の中を歩く。しばらくして、森を抜けて街道に戻って来た。ここまでくれば、『転移』と呼ばれるワープ機能を使って街に戻る事ができる。



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