第43話 初めてのフィッシング
「これは、いったいどういうスキルなんだ?」
俺は、スキル『ラブマシーン』の詳細を表示した。
『ラブマシーン』
発動すると一定時間、愛のために戦うマシーンと化す。
ステータス『愛』の値が、ステータス『腕力』に加算される。
「愛のために戦うマシーンね……」
俺は、詳細を見て苦笑いした。意味はよく分からないが、腕力が増えるらしい。今まで、スキル『愛のムチ』に頼ってきたが、このスキルを使えば戦いのバリエーションが増えそうだ。
「湖は、もうすぐだよ! 早く行こうよ!」
メルティーに急かされて、俺たちは再び森の中を進んだ。しばらく歩くと、森が開けて綺麗な湖が見える。
「ほう。綺麗な湖だな……」
かなり広い湖だ。水は透き通っていて綺麗である。
「よし! さっそく、魚釣りをしようか!」
メルティーが、アイテムボックスから3人分の釣り道具を出した。立派なスピニングリールがついた釣竿だ。このゲームの時代設定は、随分と適当なようだ。俺は、メルティーに尋ねる。
「エサは何をつけるんだ?」
「うん。これだよ!」
メルティーは、箱を取り出して見せた。箱の中には、様々なルアーが入っている。
「ルアーフィッシングか。面白そうだな」
俺は、ルアーを眺めながら言った。ルアーというのは、疑似餌のことだ。
「それじゃあ、やり方を説明するよ! 見ててね!」
メルティーが釣りの仕方を説明する。俺とカタリナは、黙って見ることにした。
「まずは、こうやって竿を振って! ルアーを飛ばすよ!」
メルティーは、馴れた仕草で竿を振る。ルアーが勢いよく飛んで湖に着水した。
「あとは、ルアーが動いて見えるように糸を巻いたりするよ。これは、ストップ・アンド・ゴーっていう基本的なルアーの動かし方だよ」
メルティーは、リールを巻いたり止めたりする。これによって、ルアーが生きている小魚のような動きを水中でするのだ。
「よし! それじゃあ、みんなやってみよう!」
メルティーの説明が終わった。とりあえず、やってみよう。俺は、教えられたとおり竿を振ってルアーを飛ばした。カタリナも同じように竿を振る。
ポチャンッ!
ルアーが着水する。あとは、リールを巻いたり止めたりする。さすがに、1回目では釣れないか。そう思った、その時。
「あッ! 竿が引いてます! メルティーさん!」
カタリナが、声を上げた。なんと、カタリナの竿に魚がかかったようだ。
「お姉さん、落ち着いて! ゆっくりリールを巻いて!」
「は、はいッ!」
メルティーに教わりながら、カタリナはゆっくりリールを巻いていく。やがて、バシャバシャと水しぶきを上げながら水面に魚が顔を出した。
「いいよ! お姉さん、その調子!」
「えい!」
ついに、カタリナは1匹の魚を釣り上げた。銀色に輝くボディ。40センチくらいの大きな魚だ。
「これが、アーマーフィッシュだよ!」
「やった! 初めて釣れました!」
カタリナは、魚を持って嬉しそうな顔をしている。俺も手を叩いて祝福した。
「おめでとう! カタリナ。すごいじゃん!」
「ありがとう。ハル。釣りって楽しいですね!」
釣り上げた魚は、アイテムとしてアイテムボックスに収納される。
「じゃあ、釣り方も分かったことだし。誰が一番多く釣るか競争しようよ!」
メルティーが、そう言ってニヤリと笑った。
「いいだろう! 勝負だ!」
俺は、受けて立つ。釣りで、女子供に負ける訳にはいかない。
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