第41話 黒き森
俺たちは、街を出ると東へ続く街道を歩いた。周囲には、のどかな田園風景が広がっている。天気も良く、さわやかな青空だ。歩きながらメルティーが話しかけてくる。
「昨日のバトルロイヤルは惜しかったね。お兄さん。もう少しで5位以内に入賞できたのにね」
「そうだな。相手が悪かったな…… あのレイジが相手じゃな」
俺とメルティーは、プロゲーマーの神崎怜二に敗れたのだ。そのレイジは、見事に優勝している。
そんなことを話しながら歩いていると、やがて街道の左側に森が見えた。メルティーが、森の方を指さして言った。
「お兄さん。目的の湖は、あの森の奥にあるよ」
しばらく街道を歩くと、森へと続く道があった。俺たちは、その道を歩き森の中へと入っていく。周囲は木々が茂っており、うっそうとしている。
ガサガサガサ……
突然、木の影から何かが現れた。それは、でかい熊だった。北海道とかにいるヒグマに似ている。「ピコーン!」と音がしてメニューパネルが開いた。モンスターの名前が表示される。
『はらぺこグリズリー』
名前を見ただけで、お腹が空いているのだと分かる。飢えた熊のモンスターは唸り声を上げた。
「グルルルルッ!」
俺たちは、武器をかまえて戦闘態勢に入る。
「俺に任せろ! スキル『愛のムチ』を発動ッ! さらに、スキル『電撃ムチ』を発動ッ! 喰らえッ!」
俺は、スキルを発動させるとムチを振るった。
パシィーンッ! バチバチッ!
ムチの先端が、グリズリーの鼻っ面にヒットする。電流が流れて火花が散る。
「グオオオオオオーッ!」
熊は、絶叫してピクピクと震えている。電撃ムチの効果でスタンしているようだ。
「次は、私の番です! スキル『兜割り』を発動ッ! 喰らいなさいッ!」
カタリナは、そう叫ぶとグリズリーに飛びかかった。そして、ロングソードを振り下ろす。グリズリーの頭蓋骨を粉々に砕いた。
「グオオオオオーーーーッ!!」
グリズリーは断末魔の雄たけびを上げると、バタリと倒れる。そして、光の粒子となって消えていく。
「へえー! 2人ともやるう! お姉さんも強いんだね!」
メルティーが、感心した様子で見てくる。まあ、この程度のモンスターなら楽勝だ。俺一人でも倒せただろう。
その後、俺たちは森の奥へと歩いた。次第に、高い木々に囲まれて薄暗くなっていく。
ガサガサガサ……
また、茂みから音がする。ズシンズシンと大きな足音がする。メニューパネルが開いて、モンスター名が表示された。
『ウッドゴーレム』
その名前のとおり、木でできたゴーレムだ。身長は3メートルくらいあって、さっきのグリズリーより大きい。手には巨大な棍棒を持っている。見た目は、木の巨人だ。
「こいつは強そうだな……」
俺は、ムチをかまえた。ようやく強そうなモンスターの登場だ。
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