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第34話 閃光の中に

 ドアの向こうから、男の声が聴こえる。


「こんな所に逃げ込んだって無駄よ! うふふふ!」


 よし。このままドアを開ければ、仕掛けたクレイモア地雷が爆発する。そうすれば、ヤツもタダでは済まない。俺は、ドキドキしながら見守っていた。次の瞬間。


 バッコォーンッ!


 勢いよくドアが吹き飛んだ。続けてクレイモア地雷が爆発する。しかし、男にダメージはない。男は、ドアを普通に開けるのではなく、足で蹴破ったのだ。


「うふふふ。こんな罠なんか仕掛けて…… いけない子。たっぷりお仕置きして、あ・げ・る!」


 男は、俺を見てニヤリと笑った。背筋がゾクゾクする。


「ちくしょうッ! やられてたまるかッ!」


 俺は、叫びながら男に向かって突撃した。これにはちゃんと計算がある。男は、俺と同じムチ使いだ。ムチは、相手と距離が離れていて有効な武器。逆に、近すぎる相手には攻撃できない。俺には、左手に持ったショートソードがある。敢えて至近距離に潜り込み、相手の攻撃を封じる狙いだ。


「この距離ならムチは使えないな!」


 何とか接近戦に持ち込んだ。しかし、男は余裕そうに笑っている。


「甘いわねえ。ボウヤ。お姉さんが、本物のムチの使い方を教えてあげる」


 男がサッと手を動かした。すると、男の持っているムチがまるで生き物のように動いて、俺の足首に巻き付いた。


「うふふふ。こういう使い方もあるのよ。ふんッ!」


「な、何ィッ!」


 男は、そのまま俺ごとムチを振るう。ものすごいパワーだ。俺の身体はふわりと空中に舞うと、そのまま地面に叩きつけられた。HPがいっきに減る。


「どうかしら? 至近距離でもムチは使えるのよ。うふふふ」


 男の勝ち誇ったような笑い声。恐ろしく高いプレイングスキルと腕力の為せる技。これでは死角が無い。どう戦えばいいのだ。


「さて、そろそろお遊びはおしまいね。悪いけど、最後フィナーレよ! 死になさい! ボウヤ!」


 男は、ムチを振り上げた。「ここまでか……」俺が、そう思った。その時。


 カラーン! コロコロ……


 突然、窓から何かが投げ込まれた。それは、男の足元に転がる。


「な、何よッ!? これ!?」


 男が声を上げた。見た感じ手榴弾に似ているが…… そう思った次の瞬間。


 耳をつんざくような爆発音。眼が眩むほどの閃光。雷が落ちたような衝撃。


「ひぃーッ! 何よぉッ! 目がッ! 目がッ!?」


 男は、閃光をもろに浴びたらしく必死に目を押さえている。


「ふふふ。びっくりした? 閃光手榴弾だよ」


 いつの間にか、俺の近くで声がする。聞き覚えのある声だ。見上げると、小学生くらいの美少女が立っていた。ニッコリと笑っている。


「やっほー! お兄さん。また会ったね! 暗殺者アサシンのメルティーだよ」


 そう、彼女は一度戦った暗殺者の女の子だ。しかし、なぜこんな時に。



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