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第2話 キャラクターメイキング(後編)

「それではハル様。次は、この世界での職業ジョブを選択してください」


 女神フローラがそう言うと、目の前のパネルの画面が切り替わった。そこには、『戦士』『魔法使い』『盗賊』などの様々な職業が表示されている。中には、『忍者』『さむらい』といった和風なものまである。


「へぇー、色々あるな。どれにしようかな?」


 俺はパネルの前で腕組みして考えた。そうは言っても先ほどステータスの際に『愛』に極振りした俺だ。まともな職業を選ぶつもりは既にない。何か変わった職業にしたいところだが。


「おッ! この『狂戦士バーサーカー』っていう職業が面白そうだな」


「バーサーカーは、攻撃に特化した職業です。その代わり防御などの行動がほぼできません。初心者の方には扱いづらいかもしれませんわ」


「そうか。いや、望むところだ! よし。職業はバーサーカーにしてくれ!」


 フローラの「バーサーカーは初心者向きじゃない」という職業をあっさり無視して、俺はバーサーカーの職業を選んだ。ステータス『愛』に極振りした職業『バーサーカー』。なかなか笑える組み合わせだ。愛に狂った戦士といったところか。


「それでは、最後にこの世界での外見を決めてもらいます」


 フローラの声とともに、目の前に等身大の俺の映像が現れる。ボサボサの髪に無精ひげを生やし、不健康そうな痩せた小汚いおっさんの姿だ。


「このゲームでは性別を変更したり、あまりにも現実とかけ離れた外見にすることはできません。しかし、細かい部分は色々と好きなように設定できます」


 なるほど。そういえば聞いたことがある。VRゲームで現実と違いすぎる容姿にすると、現実での生活に支障をきたすことがあるらしい。そのため、大きい変更はできないのだとか。


「うーん。外見にあまりこだわりはないなあー。適当でいいんだけど」


 最近のゲームは、キャラクターの容姿を自由に作れるゲームが多い。だから、こだわる人はすごいこだわる。外見を決めるだけで何時間もかかるプレイヤーもいるらしい。


 しかし、俺はそこまで容姿の設定に執着はなかった。すると、フローラが俺に提案した。


「それでは、ハル様。外見についてはお任せのランダムエディットになさいますか? 現実のお姿を基に、ある程度ランダムに外見を変更いたします」


「そうだな。それでいいよ! 任せる」


「承知しました。これでキャラクターメイキングは終了です。では、さっそくゲームをスタートいたします。アークソウルオンラインの世界をお楽しみください。ごきげんよう、ハル様」


 フローラがそう言い終わると、青白い光が足元から徐々に俺を包んでいく。フローラが微笑みながら小さく手を振っていた。だが、視界が青白い光に包まれて、すぐにそれも見えなくなっていった。


 

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[良い点] 愛の狂戦士……(;'∀')
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