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第27話 バトルロイヤル開始!

 それから、数日間――――


 俺は毎日、カタリナと戦いの練習に明け暮れた。右手にムチを持ち、左手にショートソードを持って戦う訓練だ。練習の甲斐あって、少しは上達した。しかし……


 カキーン! キーン!


 カタリナの剣が、俺の喉元に突き付けられる。もう何敗したか、数えてはいない。利き手ではない左手で、相手の攻撃を防ぐのは限界があった。


「やっぱり、俺には無理だよ! こんな練習!」


 俺は、弱音を漏らさずにはいられなかった。わずか数日の練習で、二刀流を会得できる訳がない。


「大丈夫だ! ハル。私を信じて!」


 カタリナが力強い口調で言った。真剣な目をしている。


「わ、分かったよ…… カタリナ」


 今までの人生で、こんなに真剣に俺と向き合ってくれる人はいなかった。もし、いたら。きっと俺は、引きこもりのニートなんかになっていないだろう。


 俺は、カタリナの言葉を信じて練習を再開した。


 そして、3日後――――


 ついに、バトルロイヤルイベントの当日を迎えた。街の広場に、参加者たちが続々と集まってくる。俺もその中にいた。


 遠くで、カタリナが手を振っている。彼女はNPCであるため、プレイヤー同士のイベントには参加できない。俺は、黙って彼女に頷いて見せた。


「それでは、これより第1回! アークソウルオンライン! バトルロイヤルを開催いたします!」


 広場の中央にいる派手な格好をしたお姉さんが叫んだ。キャンペーンガールみたいな格好だ。そのお姉さんが、イベント内容について説明する。


「これから、みなさんをバトルロイヤル専用の特別マップに転送します。マップは、無人島となっています。転送と同時に、バトルロイヤルが始まります! 最後に生き残ったプレイヤーが優勝となります」


 無人島マップに転送されて、そこで生き残るゲームのようだ。説明は、さらに続く。


「現在、みなさんのアイテムボックスに入っているアイテムは使用できません。しかし、マップには回復薬ポーションなどのアイテムが落ちています。それらを活用して、有利にゲームを進めてください!」


 なるほど、今持っているアイテムは持っていけないが。現地で拾ったアイテムは、自由に使えるらしい。


「それでは! あと1分後に、転送を開始します! みなさん、がんばってください!」


 そう叫ぶお姉さんの頭上に、透明なパネルが表示された。パネルには『60』と表示されていたが、『59』、『58』と徐々に減っていく。残り時間をカウントダウンしているようだ。


 俺は、もう一度遠くにいるカタリナの方を見た。彼女と一緒に練習してきた数日間。今は、それを信じて戦うしかない。


 残り時間は、10秒を切った。5、4、3、2、1……


 青白い光が足元から俺を包んでいく。やがて、視界も青白い光に包まれた。


 

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