第23話 愛の告白
俺たちは、街の入口に着いた。俺は、カタリナに礼を述べる。
「ありがとうございます。おかげで無事に街に到着しました」
「な、なに。気にするな。騎士として当然のことをしただけだ」
カタリナは、照れているのか少し恥ずかしそうに答える。彼女が同行するのは、ここまでの約束だ。俺は、カタリナに別れを告げる。
「それじゃあ、さよなら。これで失礼します」
「ちょちょちょ、ちょっと待て!」
カタリナは、慌ててガシッと俺の腕を掴んだ。まだ、何か用があるのだろうか。俺は、カタリナに尋ねた。
「え? どうかしましたか?」
「い、いや…… その。何だ……」
カタリナは、恥ずかしそうに頬を赤らめてモジモジしている。俺が、不思議そうな顔で見ていると。彼女は、口を開いた。
「わ、私は…… その。き、君が…… 君のことが、好きなのだ!」
「は?」
俺は、驚いて思わず聞き返してしまう。ひょっとして、今。俺は告白されたのか?
「その…… だから。君について行きたい。ダメか?」
カタリナは、上目遣いで俺の顔を覗き込んだ。俺は、思わずドキッとする。金髪の美少女に、そんな事を言われたらさすがにドキドキするさ。
「い、いや。別にダメではありませんが……」
俺も恥ずかしくなって、後頭部をかきながら答えた。
「本当か!? ありがとう!!」
それを聞いて、カタリナの表情がパッと明るくなった。その時、「ピコーン!」と音がしてメニューパネルが開きメッセージが表示される。
『スキル【口説く】を取得しました』
いや、口説いてねーし! 向こうから勝手に告白してきただけで、断じて俺は口説いていない。大変、不本意なスキルを獲得した。何だよこれ!
「じゃあ、行こうか! ハル! さっそく教会に!」
カタリナが俺の手を引っ張って歩き出そうとした。俺は、慌てて尋ねる。
「へッ? 教会? 何をしに行くんですか?」
「決まってるだろう! 式を挙げに行くんだよ! 君と私の結婚式だよ!」
「け、結婚!?」
俺は、驚きの声を上げる。カタリナは、キョトンとした顔で俺を見る。
「何を驚いているのだ? さっき、私のプロポーズを受け入れてくれたではないか?」
「いや、さっきのがプロポーズだったの?」
「君に一生ついて行くと言ったら『いいよ』と言ってくれたではないか!? あの言葉は嘘だったのか? わ、私をだましたのか!?」
彼女の顔に、怒りの色がじわじわと見えてきた。恐い。俺は、慌てて釈明する。
「待ってください! 確かに、OK的な返事はしましたけど。結婚は急ぎすぎです! まずは、その。お付き合いから始めましょう! ね?」
「そうか…… 君が、そう言うなら。仕方ない。では、交際から始めるとしよう」
カタリナは、ニッコリと笑顔になった。俺は、ホッと胸を撫で下ろす。こうして、俺に可愛い彼女ができた。金髪に青い目の美少女である。生まれて初めての彼女だ。
しかし、すぐにハッと気がつく。ここは、ゲームの中だ。そして、彼女はNPC。ノンプレイヤーキャラクターと言われるゲームの世界の住人なのだ。人間ではない。
「ま、いいか……」
俺は、頭をポリポリと掻いた。
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