第20話 騎士道とは
「待ちなさいッ! そこまでだッ!」
凛とした声が響いた。リザリィーの振り下ろす剣がピタリと止まる。俺は、声のする方を見た。そこに立っていたのは、金色の長い髪を揺らめかす美少女だった。この金髪と青い目の美少女は、前にも会っている。確か、辺境警備隊の女騎士。カタリナという名のNPCだ。
「な、何よッ! アンタ!? ひょっとして、私の邪魔をする気? NPCのくせに!」
リザリィーは、金髪の美少女カタリナを鋭い目つきでにらんだ。だが、少女は動じるどころか表情ひとつ変えない。まさに、クールビューティーである。
「あなたの行為。騎士として、見過ごすことはできない。したがって、こちらの助太刀をいたします!」
カタリナは、俺とリザリィーの間に割って入る。そして、リザリィーに向かって剣を抜いた。俺にも何が何だか分からないが、この金髪の女騎士は俺の味方をしてくれるらしい。
彼女は、振り返ると俺の顔を見た。そして、少し微笑んだ。
「大丈夫? もう心配ないわ。あなたは、私が守るから……」
カタリナは、俺にそう言うと視線をリザリィーに戻す。そして、剣をかまえた。
「あ、あは! あはははは! 何よ!? バッカじゃないの! NPCのくせに。私の邪魔をするって言うの!? そんなこと…… 許せないわ!」
リザリィーは、突然笑いだす。しかし、すぐに冷酷な顔に変わった。そして、剣と盾をかまえる。
向かい合う2人の女騎士。金髪のカタリナと銀髪のリザリィー。対照的に見えるが、どちらも美少女である。
「降参するなら今のうちだぞ?」
カタリナが口を開いた。その表情は、変わらず無表情だ。
「ふん! 何の冗談かしら。全然、笑えないわよ!」
リザリィーは鼻で笑う。だが、目は笑っていない。ピクピクとやや顔が引きつっていた。
「このォーッ!」
仕掛けたのは、リザリィーの方からだった。カタリナに向かって素早く剣を振る。
キーンッ!
金属のぶつかり合う音が鳴り響いた。カタリナは、リザリィーの攻撃を剣で受け止める。それでもリザリィーの勢いは止まることなく、次々と斬撃を繰り出した。
キーンッ! カキーンッ! キーンッ!
その全てをカタリナは、剣で弾いた。リザリィーは、数歩後ずさり距離をとった。
「や、やるじゃない……!」
さっきまでの余裕は、表情から消え失せている。カタリナの方は、変わらず無表情のままだ。
「ちッ! 本気で行くわよッ! スキル『騎士道精神』発動ッ!」
リザリィーが叫んだ。青白い光がリザリィーの体から発せられる。
「うふふふ。攻撃力と防御力を一定時間アップさせる騎士の固有スキルよ! アンタも騎士なら、真似して見なさいよ! あはははは!」
リザリィーは、勝ち誇ったように高笑いした。しかし、カタリナは表情を変えることなくつぶやいた。
「スキル? 真の騎士に、そんなものは必要ない。騎士道っていうのは、スキルじゃなくて生き方そのものだ」
そう言い返す。リザリィーの顔が憎悪に歪む。
「NPCのくせにッ! 生意気なこと言ってんじゃねえわよッ!」
リザリィーは、そう叫びながら再びカタリナに襲いかかった。
ついに、本編のメインヒロイン登場!
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