第19話 決闘!
「行くぞッ! スキル『愛のムチ』を発動ッ! さらに、スキル『電撃ムチ』を発動ッ!」
俺は、立て続けに2つのスキルを発動する。これが、俺の黄金パターン。勝利の法則である。1つ目のスキル『愛のムチ』で、極振りしたステータス『愛』を攻撃力に変換。次に、2つ目のスキル『電撃ムチ』で攻撃力をアップ。さらに、雷属性を付与してスタン確率もアップさせる。
「喰らいやがれッ! リザリィー!」
俺は、力を込めてムチを振るった。
パシィーンッ! バチバチッ!
空気を切り裂くような破裂音。そして、飛び散る火花。しかし……
「甘いわよ! ハル! 完全武装した騎士の防御力。甘く見てもらっちゃあ困るわ!」
リザリィーは、左手に装着した盾で俺の攻撃を苦も無く防いだ。涼しい顔をしている。
「ちッ! まだまだ……」
俺は、ムチを引き寄せる。再びムチを振るうため、腕を振り上げようとした。その時。
「ふん! 遅いわ。あくびが出ちゃう」
ムチを引き寄せるとほぼ同時に、リザリィーは俺の懐へと入った。信じられないスピードだ。距離が近すぎてムチで攻撃できない。うろたえる俺に向かって、リザリィーは剣を突き出した。
「う、うわあッ!」
咄嗟に、俺は横に飛んで避ける。何とか突きをかわしたが、すぐにリザリィーの追撃が迫る。至近距離で剣を振り回されては敵わない。
「あはははは! とんだ素人だわ」
リザリィーは笑いながら剣を振る。何とか避けたと思ったが。俺の腹に、リザリィーの蹴りが突き刺さった。剣に注意をとらわれすぎて、キック攻撃を避けられなかった。
「くそッ! しまった!」
俺は、後ろに飛んで何とか距離をとる。接近戦では勝ち目がない。リザリィーは、ニヤニヤと余裕の笑みを浮かべていた。
「アンタ、プレイヤー同士の戦いは初めてなんでしょ? 動きがすっトロいわ!」
「うるさいッ!」
俺は、リザリィーの挑発を無視してムチを振るった。しかし、リザリィーは盾で俺のムチを防御する。
「見え見えなのよ! アンタの攻撃はさあ!」
俺は、焦ってムチを引き寄せる。しかし、それと同時にリザリィーは距離を詰める。再び、簡単に懐に入られてしまう。リザリィーは剣を振り上げた。
「くそッ!」
俺は、避けようと身がまえる。しかし、リザリィーは剣を振り降ろさずに、左手に持った盾を突き出した。
「フェイントよ! 喰らいなさいッ! シールドアタック!」
「うわあッ!」
リザリィーの盾の攻撃で、俺は後ろに突き飛ばされた。地面にゴロゴロと転がる。
「ま、まだまだ……」
俺は、何とか立ち上がろうとした。しかし、顔に剣を突きつけられる。見上げると、リザリィーが冷酷な笑みを浮かべていた。
「チェックメイトよ。ハル。残念だけどここまで。プレイヤー同士の戦いで一番重要なのは、プレイングスキルよ! アンタと私じゃ、それが違いすぎたって訳」
「くッ……!」
何も反論できない。ここまで力の差があるとは思わなかった。もう、俺に勝ち目はない。
「ありがと。ハル。楽しかったわ。そして、さよなら……ッ!」
リザリィーは、剣を振り上げた。そして、俺の頭に振り下ろす。お終いだ。俺は、目をつむった。
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