表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/51

第13話 防具屋にて

 最初の街に戻ってきた俺は、ゲームからログアウトした。ずっとゲームの中にいたいくらいだが、現実に戻って飯を食わなければ死んでしまう。


 1人きりの暗い部屋で、夕飯のカップ麺をすする。いつもの寂しい引きこもり生活だが、今の俺は少し違う。今の俺には、アークソウルオンラインがある。ゲームの中では、自分がみじめなニートの引きこもりであることを忘れることができた。


 次の日、さっそくアークソウルオンラインにログインした。街の入口からゲームが開始された。


「よし。防具を買いに行こう!」


 現在の俺に、圧倒的に不足しているのは防御力だ。それに、初期装備のままだと初心者まる出しなのでよろしくない。


「おッ! ここが防具屋だな」


 メインストリートを歩いていると、鎧のマークがついた看板を見つけた。さっそく店の中に入ってみる。


「いらっしゃいませ!」


 店の奥から女性の店員さんがやって来た。可愛らしい感じの女の人だ。


「あら、初めていらっしゃるお客様ですね。どんな防具をお探しですか?」


 店員さんは、丁寧な感じで尋ねてきた。


「あ、えーと。なるべく防御力の高いのを探してるんですが…… 予算は、1000GPくらいで」


「1000GPですか? それなら丁度良い物がありますわ。こちらにどうぞ」


 店員に案内されて店の奥に行く。色々な鎧が展示されている中から、店員がひとつの鎧を出した。


「こちら、バトルジャケットという商品ですわ。動きやすくて軽いし、防御力もなかなかのものです」


「へぇー。格好も良いなあ。気にいったよ。いくらですか?」


「定価1000GPのところ、お客さまには特別に900GPでお譲りいたしますわ」


 ここで、スキル『価格交渉』が地味に役立つ。実際には、交渉なんかしてないが、勝手に値引きしてくれる。


「よし! 買うよ!」


 俺は、バトルジャケットを購入して店内でさっそく装備した。


「よくお似合いですわ! お客様!」


 店員のお姉さんのべた褒めに、俺は少し照れるが。まんざらでもない気分だ。バトルジャケットは、鎧というよりごつい革ジャンみたいで格好良かった。


「ありがとうございましたー!」


 店員に見送られて店を出る。メインストリートを歩いていると、向こうから歩いてくる銀髪の少女と目が合った。かなりの美少女だ。


「あッ! あんたは……」


 美少女は、俺を指さして声を上げた。


「どこかで見たと思ったら、昨日のステータス『愛』に極振りしてたお馬鹿さんじゃない!? あははは!」


 いきなり人を指さして笑う。この失礼な女は、俺も思い出した。たしか、リザリィーとかいう名前だ。


「あら? 何? かっこいい服を着てるじゃない? どうしたの、それ?」


 リザリィーは、買ったばかりの俺のバトルジャケットをジロジロ見てくる。


「さっき、買ったんだよ! 何か悪いか?」


 俺は不機嫌そうな顔で答えた。リザリィーは、ジトっとした目で見てくる。


「いいえ。ふうん。悪くないじゃない。ねえ、ちょっと私と話しない?」


 そういう風に言われると断る理由もない。それに、口の悪い女だが見た目はすごい美少女だ。


「まあ、いいけど……」


「決まりね! あそこのカフェで話しましょ!」


 リザリィーが指さす方向には、お洒落なオープンテラスのカフェがあった。俺とリザリィーは、歩いてカフェに向かった。



よかったら、ブックマークや評価ください。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ