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第12話 奇跡のワイン

「よし! ステータスポイントは、全部『愛』につぎ込んでと……」


 俺は、メニューパネルを操作する。レベルアップ時に取得したステータスポイントを全て『愛』のステータスに割り振った。



 名前:ハル

 職業:バーサーカー

 レベル:3

 HP:61 MP:18


 ステータス

 腕力:0 体力:0 器用:0 敏捷:0 魔力:0 愛:120 


 スキル

 バーサークパワー、愛のムチ、価格交渉、電撃ムチ


 装備

 革のムチ、冒険者の服



「これでよし! さて……」


 メニューパネルを閉じて周囲を見渡した。ボスと思われるモンスターを倒したのだが、これといって変わった事は無い。最初に、キングモンスターラットが隠れていた大きなたるがあるくらいで、特にめぼしい物は無かった。


「何だよ。せっかくボスを倒したっていうのに…… 報酬も何も無しか?」


 まあ、ボスといっても大きいだけのネズミだが。それにしてもご褒美が何も無いのは、ゲームとして如何なものか。部屋をウロウロしてみるが、やはり何もない。


 あきらめて帰ろうかと思った。その時。


「それにしても大きなたるだな……」


 何となく樽が気になった。中に人間がすっぽりと入れそうなくらい大きな樽だ。俺は、樽を軽く叩いてみた。


 コンコン……


 音の響きからみて中は空のようだな。ふむ。どれくらいの重さがあるのだろう。俺は、樽を押してみた。


 ズズズズズ……


 思ったより簡単に押して動かすことができた。すると、樽が置いてあった場所に、マンホールのような蓋があるのを発見した。


「おや? 何の蓋だろう?」


 蓋を持ち上げてどかすと、下に降りるハシゴがある。隠し通路かもしれない。俺は、ワクワクしながら、ハシゴをつたって下に降りる。


 降りた先は、小さな部屋になっていた。そして、奥に宝箱のような箱があった。さっそく箱を開けて、中を見た。


「おお! こ、これは……!」


 中には、たくさんの金貨と1本のワインの瓶が入っていた。「ピコーン!」と音がしてメニューパネルが開く。


『1000GPを獲得しました。アイテム【奇跡のワイン】を入手しました』


 メニューパネルに手を触れると、アイテムについての説明画面に切り替わった。



 『奇跡のワイン』

  非常に美味しいワイン。

  コレクターに高値で売れる。



「ただの換金用アイテムか…… まあ、いいや」


 俺は、『奇跡のワイン』をアイテムボックスにしまう。アイテムはともかく、1000GPもお金が手に入ったのは嬉しい。これで、ちゃんとした防具などを買うことができる。


「よし! 街に戻ろう!」


 ちょっとリッチな気分になった俺は、来た道を引き返しダンジョンを出て街に戻ることにした。



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