プロローグ
思いつき小説です。
軽く読んで頂ければ幸いです。
そこは真っ白な空間だった。
右を見ても左を見ても真っ白。
パニックになりそうなところを何とか持ちこたえ、その場にとどまっていると、今度は急激に体が重くなり、次にめを開いたときには、どこかの部屋だった。
目の前には手を付けていない食事、周りには二人のメイド。
メイド?なぜかそう認識してしまった。
そのメイドたちはメイド服を着ていて、見るからにメイドだが、自分が知っている露出の多いメイド服などではなく、給しするための制服のように、質素で、落ち着いた服だ。
斜め後ろには執事のダリアン。
ダリアン?俺はこの女の子を知らないのに、なぜかわかってしまう。
「ないか御用はございますか?」
俺はじっと見つめていたからか、質問を受ける。
「え?あ、いや」
ふとそこで自分の声が若い声に変っていることに気づく。
それに、若くてもこんな声色ではなかった。
自分の両手を見てみても、やはり違った。
「きょ、今日は食欲がない。もう寝る」
「左様でございますか。では、食事はお下げします」
俺は、そそくさと食堂を出て、自分の部屋に行く。
その場所も分かったので、そのまま向かい、早々にベッドで睡眠をとる。
寝ている間、自分とは別の人物の夢を見た。
その男は、とある王国の第一王子として生まれた。
両親である国王と王妃は痛ましげに子供を見ている。
やがて十歳になった時、両親がともにこの世を去った。
原因は分からないが、急死してしまった以上、次期国王はその子供、ルカに託された。
俺は前世の記憶も実感もあるし、ルカの記憶も持っている。
つまり、俺は転生してしまったことになる。
状況は最悪で、国家は都市一つを残し、兵も僅か50人、周りは小国は多く、余っている土地もない。
頼れる人物は今のところなし。国内に有数の商業も存在せず。
税金は大金貨二枚を切っている。
一億ない。
銅貨一枚が十円程度だと、銀貨一枚一千円、大銀貨一枚一万円、金貨一枚百万円、大金貨一枚五百万円、聖銀貨一枚は不明だ。
つまり、相当ピンチだ。
貨幣を円に直しても、この世界の物価が違うので、あまりあてにならない。
「どうしてだ、どうしてこうなった・・・・・・・」
絞り出すように出たのはそんな言葉だった。
不定期ですが、よろしくお願いします。