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あめだまをください  作者: 雨坂 苺
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ねえ、それ何?ひとつちょうだい!って言えますか?

春休み。出された宿題を全部終わらせて、することがなくなってしまった。スマホも、ギガがまずい事になってきて、自粛中だ。家にいると、会話することが殆どないので、ベットの上で、ゴロゴロとして、時間を潰す。ひまに殺されてしまいそう。なんて馬鹿げた死因だろ。誰か笑ってくれるかな。寝てしまいたいけど、コンタクトレンズをつけているので、怖くて眠ることが出来ない。息を吸って、溜めて、吹いて。体温でぬくぬくと温まった毛布に絡んで、窓の外を見る。青空に、白い雲が塊になって、ゆっくりと流れている。うとうと、とろとろ。意識だけでなく、身体までも日に溶かされていく感覚。微睡み、作った人は凄いなぁ。あー、暇だなぁ。友人がいない訳では無い。ただ、スマホを持ち始めたのは2日前。したがって、連絡先を交換していない為、連絡できない。電話番号を知っている人もいるけど、何となく、しずらい。ころころと寝返りを打ちながら、一人で思考を巡らせる。……やっぱり、動画でも見ようかな。そう思ってスマホを手に取って起動させるけど、見たいものがないから、すぐに切る。息をつく。天国がこんな感じなら、一生行きたくないな。毛布の端を食んで、考えた。不味い。毛布は食えたものじゃない。分かってるけど、暇だから。寝返りを打つ度に舞い上がるほこりが、日光をきらきらと反射して光る。繰り返し繰り返し眺めていたら、喉が渇いた。

やっと、起き上がれる。今度は弾みをつけて起き上がった。ブワリと舞った埃が、喉の奥に絡んだ。粉薬みたいだ。

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