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ゲートの管理
シームァは、シムィンと異世界間ゲートの前にいた。
シームァは栗色の髪。その兄シムィンも同じ栗色の髪だ。
さっきの見慣れない少女は、シーザーとどこかに行ってしまった。
あの少女はゲートを通ってやって来たんじゃないかと、シームァは思った。
シムィンはゲート横の端末を操作していた。
「ここ、開いた形跡がある」
「やっぱり」
「ここ、きちんと管理しないとダメかしら?」
シームァがつぶやく。
「管理人は誰だったかな?」
「ザーナだったはずよ」
「魔法も使えるザーナか」
「ザーナは最近、アンドロイドの方にお熱よね? いそがしそうだわ」
「あなたが管理したら?」
「え? そんなの面倒だよ」
シムィンはゲートの扉を閉めた。
「私が管理すべきかしら? でも、その端末操作苦手なのよね」
シームァの手は機械だった。
機械の手は、液晶端末とは相性が悪い。
「シーナとシーザー姉弟のように五体満足で生まれたかったわ」
シムィンは暗い顔になった。
「冗談よ。このゲートが雪で埋もれないぐらいに管理しとくわ」