表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠くなる方法  作者: 紫陽 圭
2/18

眠いんだってば!

**********


 なによりも、私は眠いんだってば! おやすみ!!!


 と思って眠りに戻ったハズなんだけど、ねぇ。

 ボフンっと柔らかなものの上に背中から落ちたような感覚の後、何度か軽く弾んで、身体が何かに少し沈むようにして安定する。 落下の風圧とか衝撃とかほとんど無くて、落ちた(?)先は柔らかくて痛みも無い。 なんとも不思議な感覚と状況にボーっとしてしまう。

だって、もともと眠りに入っていくところだったし? ふわぁ~ぁ、つい、欠伸も出る。


 でも、微妙にリアルな感覚と好奇心で、うっすらと目を開けてみる。


「あ、目を覚ましました? お怪我とかは有りませんよね?」


 すぐ目の前で私の顔を覗き込んでるのは美貌で、ヨーロッパ風で……中性的だけど男性、だよね?


「ようこそ、異世界の救世主。 体調はいかがかな?」


 周りにはバリエーション豊かな美貌の男性が複数、全員ヨーロッパ風。 当然ながら、真っ先に声を掛けてきた中性的美形男性の次に声を出したこの男性も……。


「間に合って良かった。」

「ホントに起きてます?」

「まだ眠いんでしょうね。」


 イケメン集団がうなづき合いながら話しているんだけど……ふわぁ~ぁ。 まだ眠くって、彼らの話の内容を聞き取ろうという気力が出ない。


「はいはい、男どもは近づかない!」


 たわいもないことを考えるともなく考えてると、パンパンっと手を打ち鳴らす音がしたかと思ったら、彼らを押しのけるようにして、というかポイポイとひっぺがして放るようにして、美貌の女性が登場。 そう、美貌、これまたヨーロッパ風の、凛々しい雰囲気のお姉さん。


 現実離れした美貌のむれ……そうか、夢か、納得。 ふわぁ~ぁ。



「お身体の状態を確認したいので、少し触れさせていただきますね。」

「あ、はいぃ。」


 ハンサムレディは女官長らしい。 うん、イメージ通り。 半分以上寝てるような状態で答え方も間延まのびしてしまったけど、女官長は気にした様子も無い。

にっこり笑うと私の身体の表面に触れるかどうかで手をかざしながら移動させていく。 どうやら、それだけで状態が判るらしい、着衣のままの非破壊検査で良かった。


「……問題は無さそうですけど、熱っぽさや吐き気や眩暈めまいやだるさなどは有りますか?」


 問題無し? それは良かった。 少し安心、したら欠伸が……。 ふわぁ~ぁ。

たずねられたような自覚症状は無いと伝えると、女官長もホッとした様子。 失礼します、と言って横たわる私にかなり大判のストールみたいなのを掛けてくれた。


 ……そう、私は横たわっている。 だってベッドで眠りに入っていくところだったし? ふわぁ~ぁ。 そのまま落ちて(?)背中から着地(?)したし? 身体を起こす間も無く、顔を覗き込まれるわ、身体検査(?)されるわで、現状に至るわけだから当然。

 で、目の前には女官長だけだけど、少し離れたところには複数の人の安堵の気配。 たぶん、女官長によって遠ざけられた『男ども』。 ってことは、さっきの美貌の男性陣? え? パジャマにすっぴんで横たわってるのに?

 と、一瞬は慌てそうになったけど、夢なら問題無いか。 ふわぁ~ぁ。 いや、夢でも、相手から認識されてるっぽいからマズイのかな? 眠くて思考が……ふわぁ~ぁ。


 それにしても、最初のほうで何か変なこと言ってたような?

ヨーロッパ風の美貌の群に女官長という地位……何かのゲームか小説に有ったんだっけ?

ふわぁ~ぁ、ダメだ、眠くて……。



「あ、待って! まだ眠らないで! 話を───」

「無理~」


 聞いたことのある声が何かを言ってるけど、もう限界。 たとえ夢の中だろうと、私は眠気には勝てないの、おやすみなさい。 ふわぁ~ぁ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ