始まり?
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お風呂も入って髪も洗ってパジャマに着替えて……よし、今夜やることは完了!
ってことで、ふわぁ~ぁと欠伸しながら、さっさとベッドに潜り込む。
マットの上でゆったりと身体の力を抜くと、それに合わせるかのようにゆったりとマットに身体が沈む。 この、絶対に溺れない水に浮かぶような、なんともいえない感覚がたまらない。
とはいっても、ウォーターベッドではなく普通のウレタンマットなんだけど。
ウォーターベッド、憧れてるんだけどね。 水ならウレタンみたいにヘタレないし、体型や寝姿勢での調整とかも要らないし、ダニとかも心配ないし、セレブ気分を味わえそうだし、なによりも好奇心がうずく。
でも、中に入れるのは普通の水ではダメらしいし、本体(容器)が破損とかしたら寝室が、それも2階に有ったりするとトンデモナイことになりそう。
お値段高いことだし、1年お試しとかできればいいのに……無いんだよね、残念。 1年は長い? 寝心地なんて季節で変わるからお試しは1年は欲しいでしょ?!
似たようなメリットで、水よりは安心なのはエアーベッド。 運搬・設置・収納を考えても興味は引かれるけど、こっちも、やっぱりお試しは無い……残念。
うつらうつらしながら、そんなことを考える。 眠りながらも考えることは「眠り」に関することなのかって?! 別にいいでしょ?! 私にとって、3大欲求の中で一番強くて抗えないのが睡眠欲なんだけど、何か問題でも?!
「あ~っ、それ以上深く眠らないでぇっ!!!」
「まだ力が足りないっ! 早く加勢を!」
「力は少なくてもいいから早くしろ!」
「とにかく早く!」
なんか、どこかから騒がしい声が聞こえるような……。
でも私は1人暮らしだし? さっきから、うつらうつらと眠りに入っていってる自覚有るし?
ふわぁ~ぁ、うん、欠伸も出るよね。
「こっちを気にしなくていいから! 起きちゃダメだからね? でも、それ以上深く眠るのは待って!」
「マズい! 起きてしまう! 声を落とせ!」
「まだ足りない! 急げ!」
「あと何人要る? よし、もう少し集めれば何とか……」
なんだろう、聞こえる声が大きくなってる? いや、彼ら(?)が声を落とすようになったのは分かっても、聞こえる声の鮮明さはどんどん増してる気が……。 そうして聞き取りやすくなっていっても、現実感は無いし、何言ってるのか意味わからない───言葉はわかっても言いたいことがワケ分からない───けどね。
それになによりも、私は眠いんだってば! ふわぁ~ぁ。
ってことで、声なんて無視無視! おやすみ!!!