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A.R.T.S.  作者: Mica
7/8

勝者

<超越真化イクシード>

それはアーツを越えたアーツを指す言葉。

アーツには何かしらの条件というか制限のようなものがある。

といってもそれはアーツそれぞれであり、全員が同じと言うわけではない。

「なあ、亮介。お前は一体どうやってイクシードにしたんだ?」

「……………」

黙る亮介。どうやらこっちの質問に答える気は無いらしい。

今のあいつには何を言っても届く気配がない。

詳しい説明は後回しにするが、要はその条件をクリアし、状態変化したアーツを超越真化イクシードと呼ぶ。

試しにもう一度問いかけてみる。

「なあ、りょーー」

ーーースッ。

瞬間、目の前から亮介が消えた。

いや、違う。消えたんじゃない。

後ろに回り込まれたんだ。

「らあああぁぁぁぁっっ!!」

獣のような咆哮と共に横薙ぎの一閃。

咄嗟の判断でなんとか攻撃を受け流す。

が、それだけで勢いは殺しきれず。

俺の体はいとも容易く吹き飛ばされてしまう。

空中で体をひねり、体制を整えなんとか着地するものの、続けざまに斬撃が我が身を襲う。

さっきまでのとは比べ物にならないほど、速く、そして重く。

ゴリゴリと体力を削りられながらも、襲いかかる連撃をギリギリでいなす。

「はあっっ!!」

叩きつけをなんとか受け止める。

その結果、かかとが軽く地面に埋まってしまう。

そしてギリギリで保っていた水属性が霧散した。

「ちっ、やっぱ耐えられないか。わかってはいたけども………」

さらに圧力が増す。

苦し紛れの防御。だがそれも永くは続かない。

そのまま地面を抉りめり込んでいき、ついには膝をついてしまった。

アーツが今にも溶けてしまいそうなくらいめちゃくちゃ熱い。

体が灰になりそうだ。

その熱気にやられ、身体中から汗が噴き出す。

このままではヤバいと悟った俺は、亮介の圧力を後ろに薙ぎ払い、そのまま前に転がり、立ち上がっては軽く距離をとる。

「こりゃあ、早めに終わらさねえとヤバいな………あいつの目もなんかイってるし…」

イクシードと化した状態のアーツをノーマルアーツで対処するのは流石に無謀すぎる。

イクシードするとアーツ使用者とアーツの能力は、通常状態のアーツでは到底対抗することはできないくらいにまで跳ね上げる。

だが、体力や精神力も大幅に削ることになる。

だから燃費やその他の面からあまり効率がいいとは言えない。

その結果、イクシードの状態でいられるのも体力的に短い時間となる。

だが今のこの状況では明らかにこっちの不利、まだ奴がイクシードと化してからそんなに経ってない。

この状態で勝つことなんて不可能だ。

さて、ここからが本題。


          どうする?


イクシードと化したアーツにどう対抗する?

必死で考えようと脳をフル回転させる。様々な案を模索、脳内で試行錯誤する。

すると一つ、アイデアが思いついた。

だが、それをするにはタイミングが非常に重要になる。

少しでもずれてしまうと確実にあの真っ赤な爪に切り裂かれる。

ここでリタイアするのも選択肢にいれようと思ったが、その考えはすぐに捨てる。

そんな決着のしかたは俺もあいつも望んじゃいない。

昔っから俺たちはどちらも負けず嫌いで、途中で諦めるということもやることはなかった。

なら、答えは簡単。

正面から立ち向かうだけだ。

それにいつまでもトンファーの状態じゃさすがに戦いにくい。

そのためにまずは。

武器の形態を変えるとしようか。

形態変化チェンジ:かたな

そう呟いた瞬間、俺のアーツは光輝いた。

それは次第に形を変え、輝きが収まった頃には俺の手に馴染む、一振りのかたなへと変貌を遂げていた。

その状況を見ていた亮介がついにその口を開いた。

「…なんだ、それ?」

「ん?ああ、これ?俺のアーツの能力だよ」

そして俺は言い放つ。

「俺は自分のアーツの形態を可能な限り変化させることができるんだよ」

その言葉に周りの観客も驚き、静かに騒ぎだした。

まあ無理もない。そんなアーツ今まで出た事例が皆無だからだ。

「よし、準備はできた、かかってこいよ亮介。勝ち逃げの準備は出来てるぜ!!」

亮介は刃打ちをしながら返す。

「させるかよ!!」

互いに構え、相手を見据える。

もうそこには遠慮という文字はない。

俺は居合のようなイメージで剣の切っ先を軽くつまむように。

水属性も再度発動する。

水刃すいじん

そう呟くと一瞬で刃が水に覆われた。

ぶっちゃけ効かないのはわかっているが、まあ無いよりはましかな?

そして亮介はクラウチングスタートよりさらに低い姿勢で。

お互いを鋭い閃光のような眼光で見つ合う。

俺の作戦はこうだ。

まず相手はあの体勢だから、攻撃をしてくるなら下方向からだろう。それを上手く受け流し、そのすれ違いざまに相手の腹に一撃を食らわせる。それをうまくできれば勝てる。

安直な作戦だが、タイミングが少しでもずれると終わる。俺のけだ。

だからこそ、相手のタイミングを伺うために相手を視界から外すことができない。

「………」

会場中がシーンと静まりかえる。息を飲む音さえはっきりと聞きとれるほどに。

ただ、刻々と時だけが刻まれる。

設けられた時間は30分。残された時間はあと10秒。

カウントが9、8、7、6とダウンし、5に差し掛かった時。

亮介の踵が少し浮いた。

そして。

「「…っ!」」

二人、同時に駆け出す。

俺は持てる力を全て使って地面を蹴る。

狙いは胴。ただ一撃。

この速度を維持して突き進む。

一歩一歩、踏み込む度に、風が舞う。

一瞬一瞬がスローモーションに感じる。

体にかかる風圧さえ、感覚が遮断している気さえしてくる。

亮介に近づいた瞬間、俺は作戦を実行し低姿勢になる。

そして案の定、亮介はこっちに下方向からの攻撃を仕掛けてきた。

「死ねやぁ!!」

地面を荒々しく削りながらのアッパーカット。

俺はそれを体をひねりスレスレでかわし、そしてすれ違いざま、切っ先から手を放す。

腕に込めていた力がバネのように解放され、刀身が亮介の胴体に襲いかかる。

そして、それが亮介に触れる。

これで勝った!

と、確信した時だった。

亮介が下方向からの攻撃の勢いのまま体を半回転させ、俺のアーツは亮介の右手につかまれた。

「やばっ………!」

気づいた時にはもう遅い。

アーツを放すことでさえ間に合わない。

運命は決した。

「お前の……」

亮介は左腕を振り上げ、

「敗けだっーーー!!」

俺は亮介の攻撃を避けることも出来ず、ことごとく体を真っ二つに切り裂かれた。

そして、試合終了のブザーが会場中に鳴り響いた。

かなり間があいてすいません!

これからはもっと投稿ペースを上げていきます!(と思います)

訂正、変更があればその都度更新するので、宜しくお願いします。

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