あなたはただ逃げているだけよ
「いった!くなかったわね。」
「何?」
少女がオレたちを見下ろしていた。何気に怖い。
「私は由里、こいつが健人。ここはどこ?」
「私は雪よ。話を聞かせてもらうわ。」
オレたちは家の中にいた。
「どこから来たの?」
「分からないわ。」
「その指輪ってはずせる?」
「無理よ。」
それを聞くと、雪さんは目を輝かせてこっちをみた。
「あなたたちが世界を救う勇者なの?」
「分からないけど、そう言れたわ。」
「私たちを助けて。」
「助ける?」
「私たちは、自由を奪われているの。」
自由を…。稚夏ちゃんに似たタイプかな?
「たちって、他の人は?」
『そこに捕まってるわ。』
その部屋まで案内してもらった。そこには、10人くらいの女性がいた。
「この人たちは、健人と由里よ。本物の勇者かも知れないわ。」
『え!!!』
「とにかくみんな名のりなさい。」
『了解!』
「私は霞よ。」
「わたしは沙都子だよ。」
「あたしは舞香よ。」
「私は星。星と書いてあ・か・りよ。」
「私は翔子です。」
「私は広子!」
「うちは林檎っ。」
「私、実柑ですよ。」
「私は海香ですっ。」
『よろしくお願いしますっ。』
「よろしく。」
「でも、覚えられないわよ。」
確かにそうだが、言っちゃダメだろ。
「頑張って覚えて頂戴。今すぐ全員覚える必要はないんだから。」
「で、どう助ければいいの?」
「あの、多分私たちを縛ってる鎖を解いてくれればいいんじゃないですか?」
翔子ちゃん?が言った。
「鎖?どこにあるの?」
「これです。」
鎖は見えなかったが、片手が縛られているようだった。
「解くためには、勇者さんが鎖の中のその、悪い奴をたおせばいいんだと思います。」
「中ってそれ、もしかして。」
由里が鎖があると思われる場所に触った。するとやっぱり、光に吸い込まれてふわふわのところに落下した。しかしそこには、雪さんではなく他の少女がいた。