みんなで掴み取ったからこそ大切なんですわ
塔を出て森まで行くと、さっきの少女がいた。
「健人と由里ってお前らか?」
「そうよ。」
「美希に話は聞いてるぜ。」
オレたちは光に吸い込まれ、城の前に落下した。
「…おかえりです。…早かったのですね。」
「質問があるわ。」
「…ですか。」
オレたちは、最初の部屋に案内された。
「美希という人にあった。それで、その話について聞こうと思って戻ってきた。」
「…美希に?」
「知ってるのね。」
「…はいです。」
少女はうなずいたままうつむいてしまった。
「そういえば、名前も聞いてないわよ。私は由里、こいつは健人。あんたは?」
「…稚夏です。」
「美希のことはどう思ってるの?」
「…悪いと思ってるのです。…しかし、私も命令には逆らえないのです。…美希の心は知ってるです。…美希の悲しみも思いも、分かっているのです。…私だって助けてあげたいです。…だけど、魔王をたおせといわれてしまったのです。」
「どういうことよ!そんな命令…。」
「…私は囚われの身です。…だから、命令にそむくと…るのです。」
うつむいたまま普段より小さな声で言ったため聞き取れなかった。
「…私を…うぅ…やっぱり何でもないです。」
「稚夏ちゃん!オレが自由にしてやる!!」
「…ありがとうです。…気持ちだけも私は嬉しいのです。」
稚夏ちゃんは目に涙をためて微笑んだ。するとそのとき、光に吸い込まれてふわふわの場所に落下した。